日本メドトロニックは、連続6日間(144時間)の測定*が可能な持続グルコース測定(CGM)システムのセンサ「エンライトセンサ」を5月15日に発売する。
SMBGで見過ごされていた高血糖や低血糖が詳しくわかる
*6日間(144時間)はメーカーの推奨期間です。
持続グルコース測定(CGM)システム
メドトロニック iPro2
メドトロニック ミニメド CGMS-Gold
持続グルコース測定(CGM)は、皮下組織に専用のセンサを装着し、連続的にグルコース濃度の推移(変動)をみる測定法。1日に数回の血糖自己測定(SMBG)に比べ、測定回数が格段に多く、血糖値の日内変動を詳しく把握できる。
血糖自己測定(SMBG)は、糖尿病患者が医療機関外で血糖値を測定することを可能にし、希望した時間に数値を確認したり、治療に伴う血糖値の変化を評価できるようになった。しかし、SMBGには血糖値の変動が測定時点でしか分からないという欠点がある。
SMBGで分かるのは限られた測定時点の血糖値の変動なので、夜間睡眠中や明け方、多忙な仕事中など、測定困難な時間帯の血糖値の状態は分かりにくい。使用中のインスリンが予測した通りの効果をもたらしているかを知りたいときにも十分でない場合がある。
こうしたSMBGの課題を解決するために、CGMシステムが開発された。CGMは、皮下の組織間質液中の糖濃度を、一定間隔で24時間以上継続的に測る治療法だ。
CGMの登場によって、SMBGやHbA1cだけでは把握困難な血糖変動をより的確に把握することが可能となり、長期の合併症予防と血糖コントロールの改善に役立てられるようになった。
CGMシステムは、測定器とセンサーを中心に構成される。センサーの先端を腹部などの皮下に固定して、5分ごとに糖濃度を測定し記録し、1日最大288回測定できる。
CGMシステムは入院または外来で使用でき、本体を携帯したり、体に装着したままで、通常通りの生活が可能となる。センサーを固定すれば、抜けるなどの心配はない。また、防水保護の仕様になっているので、測定期間中のシャワー浴も可能だ。
持続グルコース測定(CGM)システムのセンサ「エンライトセンサ」
連続6日間(144時間)の測定が可能に
エンライトセンサ
挿入時に仕様するエンライトサータ
エンライトセンサの挿入はボタン操作で行える
日本では、はじめてのCGMシステムである「CGMSゴールド」と「ソフセンサ」は、2009年秋に厚生労働省から医療機器として認可され、2010年1月に発売された。それ以来、CGMシステムの使用数は検査のしやすい機器の導入とともに増加している。CGMシステムは国内では、500ヵ所以上の医療機関で利用されている。
2012年4月には、器機の小型化と操作の簡略化を実現したCGMシステム「メドトロニック iPro2(アイプロツー)」が発売された。
センサの進歩もめざましい。今回、日本メドトロニックが発売した持続グルコース測定(CGM)システムのセンサ「エンライトセンサ」は、連続6日間(144時間)の測定を可能にした。
「エンライトセンサ」の主な特徴は次の通り――
・ 測定期間
連続6日間(144時間)測定が可能。平日と週末での血糖変動傾向を把握しやすくなる。
・ 痛みの軽減
エンライトセンサは体積が小型化され、挿入針は細く短くなった。これにより患者の負担を軽減した。
日本メドトロニックの調査によると、85%の患者がエンライトセンサの挿入時の痛みは従来品に比べて少ないと感じている。
挿入針の長さは、従来品が17.5mmであるのに対し、エンライトセンサは10.5mm。ゲージサイズは、従来品が22ゲージ(外径0.71mm、内径0.39mm)であるのに対し、エンライトセンサは27ゲージ(外径0.41mm、内径0.19mm)となっている。
・ 操作性
エンライトセンサの挿入は専用のエンライトサータを使用し、ボタン操作で垂直に行うため、挿入角度の調節が不要となった。
挿入針は挿入後にニードルハブに収納される仕組みとなっているため、患者の目に触れることがなく、針刺し事故のリスクも軽減される。
・ 温度管理
エンライトセンサの保管温度は2〜30度のため、冷蔵管理が不要になった。
CGMシステムを使えば、1日を通しての血糖値の変動がグラフとして確認できるので、食事量・内容や運動が実際にどのように血糖値に影響しているか、投与したインスリンの効果は適切か、夜中に低血糖が起こっていないかなどを把握しやすい。
特に夜間低血糖や無自覚性低血糖の可能性が否定できない患者、目標HbA1cを達成できない患者、食後高血糖が起きている患者、小児、妊婦、血糖変動が激しい患者、HbA1cとSMBGの血糖値に乖離がある患者などで、CGMシステムは強力なツールとなる。
日本メドトロニック
[ Terahata ]