「カロリーハーフ」や「1/2減」など、カロリーや栄養成分について相対的な表示をし、低カロリーをうたった食品が増えている。「こうした表示は何と比べて半分なのか、分かりにくい」という声も多い。
そこで消費者庁は、食品に相対表示をするときは、栄養表示基準にもとづいて「食品単位当りの比較であることが望ましい」とする通知を出した。
カロリー・栄養成分の表示には基準がある
国内で市販されている加工食品などには、包装に熱量(カロリー)や栄養成分値が表示されている。また、メーカーのホームページやお客様相談室などでは、実際のカロリー量や原材料名を案内していることが多い。気になる人はチェックすることもでき
る。
これは、市販されている加工食品などにカロリーや栄養成分値を表示するときに、栄養
表示基準に従う必要があるため。
基準では、「低カロリー」「カロリーオフ」「カロリーひかえめ」など、カロリーを減らしてあることを表記する場合は、食品の場合は100g当り40kcal以上、飲料の場合は100ml当た20kcal以上低減されている必要があると定められている。
しかし、「カロリーハーフ」や「1/2」などと表示してある場合は、「何と比べて半分なのか分かりにくい」という意見が消費者庁に多く寄せられたという。比較が「100g当り」によるものか、「1包装当り」によるものかが分かりにくいという疑問も多かった。
「カロリーハーフ」表示をもっと分かりやすく
そこで消費者庁は5月12日付けで、食品や飲料などに熱量(カロリー)や栄養成分を「カロリーハーフ」「半分」「1/4」などと表示する場合は、栄養
表示基準にもとづき、消費者に分かりやすくするため比較対象を明示することを求める通知を、各種業界団体や自治体などに出した。
さらに、「食品単位当たりで比べて相対表示をするときは、食品単位当たりの比較にしてあるのが望ましい」としている。今年9月30日までに表示の適正化を行うよう求めてい
る。
例えば、コーヒー飲料に「カロリーハーフ」や「1/2」といった表示がある場合、「当社△△コーヒーと比べ、1杯当りのカロリーが1/2減になります」といった表示も加えられる。この場合、1杯当りの熱量は27kcalとなる。炭水化物などの栄養成分も1杯当りが表示され
る。
消費者庁が考える食品の栄養成分表示
コーヒー(スティックタイプ)の場合
役に立つサイト
消費者庁が業界団体や自治体などに出した通知
- 熱量や栄養成分値に関して「ハーフ」「2倍」「1/4」等の表示がなされた場合、基準に基づく相対表示に該当するものとし、当該食品100g(清涼飲料水などでは当該食品100mLとする)当たりの当該栄養成分の量や熱量が基準に定める量を満たすとともに、基準に基づく表示を行わなければならない
- 食品単位当たりの栄養成分表示がなされたものであっても、当該食品100g換算の当該栄養成分の量や熱量が基準に定める量に満たない場合は、表示してはならない
- 食品単位当たりの使用量が異なる食品を比較対象食品とし、食品単位当たりで比較して相対表示を行う場合、消費者への適切な情報提供の観点から、食品単位当たりの比較である旨を表示することが望ましい
食品表示に関する制度(消費者庁)
[ Terahata ]