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2026年08月07日
血糖改善にAI料理アプリが有望⁉ 利用が週1増でHbA1cが0.09ポイント低下
近年、スマートフォンアプリを活用したデジタルヘルスケアが注目されている。自治医科大学と株式会社おいしい健康は、AI料理アプリの利用が2型糖尿病患者さんの血糖やBMIに与える影響を検討するため、12週間の観察研究を完全オンライン下で実施。その結果、AI料理アプリの利用が2型糖尿病患者さんにおける血糖やBMIの改善と関連することを明らかにし、Journal of Diabetology(2026; 17: 362-370)に報告した。
医療者非介入の完全オンライン下設計と、実生活に近い環境での検討
2型糖尿病治療では、薬物療法に加え食事や運動など、日々の生活習慣の改善が重要になる。近年、医療分野におけるスマートフォンアプリの活用が注目されているが、これまではアプリの利用と医療者による面談やサポートを組み合わせた研究が主流で、アプリ単独の有効性については十分に検証されていなかった。
そこで研究グループは今回、AI料理アプリの有効性を検証する目的で、糖尿病患者などを対象に12週間の観察研究を実施した。
■対象:20歳以上で、2型糖尿病と自己申告した人または血糖管理に関心のある人
■観察期間:12週間
■評価項目:BMI、HbA1c、簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)による食習慣の状況
今回用いたAI料理アプリは、年齢・性・体格・併存症・閲覧履歴・嗜好情報などに基づいて、個々の栄養状態に合わせ、和食中心のレシピや献立を提案してくれる『おいしい健康』。
実生活に近い環境でアプリ自体の効果を検討するため、参加者の募集からデータ収集までは、医療者の介入を伴わず、完全オンライン下で行う設計とした。
参加者は、アプリを自由に利用し、体重、医療機関で測定した直近のHbA1c値、食習慣などの情報を、オンラインによる自己申告で回答した。
12週間で、HbA1cは平均0.28%低下、BMIは平均0.20低下
解析対象は、BMI・食事関連が65人、HbA1c が24人だった。
HbA1cの平均値は、ベースライン(試験開始時)の6.40%から、12週後には6.12%へ顕著に低下した(平均変化量-0.28%ポイント、P=0.008)。ベースラインのHbA1cが6.5%以上だった10人に限定すると、HbA1cの平均値は7.56%から7.07%に低下、平均変化量は-0.49%ポイントとより大きかった(P=0.037)。
BMIの平均値は、ベースラインの23.47から、12週後には23.28へ有意に低下した(平均変化量-0.20、P=0.0049)。ベースラインのBMIが25以上だった21人に限定すると、BMIの平均値は29.16から28.85に低下、平均変化量は-0.31とより大きかった(P=0.042)。
年齢、性、ベースラインのHbA1c、元々の調理頻度を調整後に解析したところ、アプリ利用での調理頻度が週1日増えるごとに、HbA1cは0.09ポイント有意に低下することが示された(P=0.046)。
麺類の汁を頻繁に飲む人は減少傾向、塩分やや控えめの人は増加傾向
食習慣については、参加者の80%超が「アプリの利用で改善した」と回答。麺類の汁を「頻繁に飲む」と回答した人は減少傾向、家庭での食事で塩分を「やや控えめにしている」と回答した人は増加傾向など、前向きな変化が見られた。
以上から、研究グループは「日本人の食習慣に合わせて設計された食事支援アプリは、医療者の介入なしで、2型糖尿病患者さんの自己管理を支える新たな選択肢となり得る。完全オンライン下で実施できることから、通院負担や人的リソースに制約がある状況でも、食事支援を広く届けられる」と結論。一方、より詳しい評価を行うための課題として、①対照群を設定した比較試験の実施、②客観的指標を用いた検証、③解析母集団の拡大―を挙げた。
グループを主導した自治医科大学内科学講座内分泌代謝学部門教授の矢作直也先生は「食事療法は2型糖尿病治療の基本だが、無理なく続けることが大きな課題」とし、今回得られた知見について「日本の家庭料理に根ざしたアプリを活用することで、医療者による直接の介入がない環境でも、血糖管理やBMIの改善につながる可能性が示された」とコメントしている。
■参考
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