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2026年07月16日
リスクをAIで予測 ~糖尿病患者の腎症(福島県立医大 島袋充生主任教授)~
人工知能(AI)を用いて糖尿病の病状を解析し、将来発症し得る合併症に備える新たな診療が始まっている。福島県立医大(福島市)糖尿病内分泌代謝内科学講座の島袋充生主任教授に聞いた。

腎臓病リスクが異なる
◇5タイプに分類
糖尿病はインスリンの分泌量や働きが不十分なために血糖値が高くなる病気。高血糖状態が続くと全身の血管が障害され、さまざまな合併症を引き起こす。糖尿病性腎症は代表的な合併症の一つで、透析導入原因のうち最も多い疾患でもある。
糖尿病関連腎臓病予防の課題の一つは、「糖尿病と診断された時点で、将来どの程度腎機能が悪化するかを予測できない点。進行するまで症状がほぼないため、むくみや倦怠(けんたい)感で気付いた時には既に透析導入しないといけないケースがしばしばです」と島袋主任教授。
そこで島袋主任教授の研究グループは、国立国際医療研究センター(東京都新宿区)などと共同で、AIを用いた糖尿病の先制治療(将来起こりやすい病気を発症前に見据えて行う治療)を目指す研究を開始。1万人超の糖尿病患者の検査データを解析した結果、糖尿病は▽若年発症で自己免疫が関与する「重症自己免疫性」▽インスリン分泌能が著しく低下した「重症インスリン不足」▽インスリンの効きが悪く肥満を伴う「重症インスリン抵抗性」▽肥満があるものの合併症が起こりにくい「軽症肥満関連」▽高齢発症の「軽症加齢関連」―の五つに分類でき、それぞれ腎臓病の発症リスクが異なることが分かった。
◇健診データで予測可能
中でも、内臓脂肪が多く腎臓周囲にも脂肪が蓄積した重症インスリン抵抗性糖尿病は、腎臓病の発症や透析のリスクが最も高かった。「重症インスリン抵抗性糖尿病と軽症肥満関連糖尿病は、同じ肥満タイプでも遺伝的な背景が異なると考えられます」
AIによる糖尿病タイプ分類には特別な検査は不要で、健診などで得られる一般的な検査値から腎臓病や透析のリスクを正確に予測できるという。一人ひとりに最適な治療法を選択する個別化医療への応用も期待される。
「将来の合併症リスクを可視化できれば、糖尿病を持つ方が、診断されたときからより積極的に治療と向き合えるようになるでしょう。少しでも早く合併症の予防対策を始めることで、腎臓病の発症を防ぎ、透析を回避できる可能性が高まります」と島袋主任教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
[時事通信社 2026年7月3日]
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