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2020年05月14日
【新型コロナウイルス】健康な食事スタイルを維持するために 国連食糧機関がアドバイス
テレワークや在宅勤務、学校の休校が長期化して、食事について悩んでいる人が多い。仕事で忙しい人、運動量が低下している人、血糖値が気になる人、経済的な悩みがある人、食事に対する不安がある人などさまざまだ。
こんな時期だからこそ、食事を工夫して、楽しく食べられるように発想を変える必要がある。
こんな時期だからこそ、食事を工夫して、楽しく食べられるように発想を変える必要がある。
人との身体的距離を確保し、
まめに手洗い・換気をする
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行により、世界のほとんどの人が日常生活で多くの変化を体験している。
この厳しい状況下でも、健康な生活を維持するために、できることがある。
まず、COVID-19の感染および感染拡大から身を守るために、各国政府のガイダンスに沿って行動すること。
COVID-19に対する一番の予防方法は、人との身体的距離と、良好な衛生状態を保つことだ。
日本政府の感染症対策専門家会議(座長:脇田隆字・国立感染症研究所長)は5月4日、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」をまとめて提言した。
日常生活での基本的な生活スタイルとして、▼まめに手洗い・手指消毒をする、▼咳エチケットを徹底する、▼こまめに換気をする、▼身体的距離を確保する、▼3密(密集、密接、密閉)を回避する、▼毎朝の体温測定・健康チェック、▼発熱または風邪の症状がある場合は無理せず自宅で療養――といった具体策を盛り込んだ。
まめに手洗い・換気をする
免疫力を上げるためにも健康な食事は必要
国連食糧農業機関(FAO)は「新型コロナウイルス感染症:健康的な食事を維持するために」を公開している。
感染症から身を守るためにも、栄養状態を良好に保つことが重要だ。感染症はとくに発熱時に体に大きな負担をかけ、体は通常よりも多くのエネルギーと栄養素を必要とする。
また、感染症の治療に用いられる薬剤の中には、血糖値を上昇させる可能性のあるものがある。
糖尿病の人がウイルス性疾患にかかると、ケトーシスやケトアシドーシスのリスクが高くなる。感染症のリスクの高い時期には、良好な血糖コントロールはいっそう重要になる。
免疫力を上げるためにも、健康な食事は必要になる。さまざまな多種多様な食品を組み合わせて、必要なカロリーと栄養素を満たすことで、免疫力を高められると考えられている。
COVID-19感染を防ぐことのできる特定の食品や栄養素はないが、単一の食品のみを食べていると効果はあまり期待できなくなる。
食事の基本は主食・主菜・副菜をそろえること
FAOは、免疫力を高めて健康的な食生活をおくるために、次のことを勧めている。こうした食事により、免疫システムを助けて炎症を抑えることが期待できる。
■ 多様な食品を組み合わせる
■ 野菜や果物を十分に摂る
■ 全粒穀物、ナッツ類、豆類、大豆、海藻などの植物性食品を摂る
■ 魚介類、鶏肉などの脂肪の少ない高タンパク質の食品を摂る
■不飽和脂肪酸が多く含まれる油(大豆油・オリーブ油・ゴマ油・ナタネ油・キャノーラ油など)を摂る
脂質、糖質、塩分を摂り過ぎないようにする
多くの人は食べることでストレスを癒しているが、食べ過ぎは糖尿病や高血圧、脂質異常症のリスクを高めるだけでなく、感染症の予防や治療にとっても良くない。
多くの人が食欲をそそられ"おいしい"と感じるのは、脂質、糖質、食塩が多く含まれ、カロリーの高い食品だ。
加工食品や料理済食品の多くに、これらの栄養素が多く含まれる。健康的な食品を選ぶために、食品の栄養表示をよく見ることが大切だ。
水を定期的に飲む
免疫システムを維持するために、水を飲むことも大切。成人は1日にカップ6〜8杯を飲むことで、十分な水分を補給できる。
糖質の入った高カロリー飲料はなるべく飲まないようにする。エネルギーの摂り過ぎも防ぎ、健康的な体重を維持するために勧められるのは単純に「水」だ。
インターネットで食品を購入
日本では非常事態宣言が発令され、欧米でも多くの都市がロックダウンされた。食料の供給について不安になっている人は多いが、これまでのところ大きな混乱は起きていない
厳しい状況ではあるが、健康的な食事を続けることは可能だ。住んでいる場所に関係なく、健康な食事スタイルを続けるための適切な食品の組み合わせが分かっている。
多くの地域では、食品をインターネットで購入して、家に直接配達してもらうこともできる。
インターネットを通じて食品を販売しているスーパーマーケットや小売業者は増えている。
小規模農家が消費者に直接販売して届ける、コミュニティー主体の農業システムも普及してきた。これは、地元の農家をサポートすることにもつながる。
無駄や廃棄の少ない食生活を
食料資源を大切にするために、FAOは無駄や廃棄の少ない食生活も重視している。
まだ食べられるのに廃棄されている食品ロスを減らするために、調理や保存を上手にして、食べ残しのない適量を心がけることが大切。賞味期限や消費期限も考えて利用しよう。
運動・睡眠・ストレス対策も重要
免疫システムを維持し、健康を維持するために、食事に加えて他の生活スタイルの要素も重要だ。
健康的な生活スタイルには、次のようなことが含まれる。
■ 禁煙する
■ 運動を習慣として行う
■ 睡眠を十分にとる
■ ストレスを軽減できるように対策する
■ アルコールを飲み過ぎない
Maintaining a healthy diet during the COVID-19 pandemic(国連食糧農業機関(FAO))新型コロナウイルス感染症対策専門家会議(厚生労働省)
食生活指針について(農林水産省)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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