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2018年03月08日
肥満や糖尿病の対策はカップルで 健康改善は夫婦に伝染しやすい
夫婦の片方が体重コントロールに取り組むと、もう片方も体重を減らせる可能性があることが、米国の130組の夫婦を対象とした研究で明らかになった。
夫婦の片方が糖尿病を発症すると、もう片方も糖尿病になりやすいことも分かっている。
「健康改善の努力をしている人々は、自分自身を助けるだけでなく、他の人を助けることもできる」と、研究者は指摘している。
「健康改善の努力をしている人々は、自分自身を助けるだけでなく、他の人を助けることもできる」と、研究者は指摘している。
生活改善は自身を助けるのにとどまらない
夫婦は家庭で食事などの生活スタイルを共有している。夫妻の片方が生活スタイルを変え、体重コントロールを決意すると、家族にも影響し、双方が健康的になれる可能性がある。
「体重コントロールは、自分自身を助けるだけのものではありません。家族にとっても有益な影響をもたらします」と、米国のコネチカット大学のエイミー ゴリン教授(行動科学)は言う。ゴリン教授は健康を志向した行動の環境や社会的な側面について研究している。
ゴリン教授らは、カップルの1人が体重を減らすのに成功すると、もう1人は積極的に介入していないにしても、やはり体重を減らすケースが多いことを発見した。
減量に成功すると、パートナーにも良い影響が
この研究には、体重管理プログラムを提供する企業「ウェイト ウォッチャー」が資金援助を行った。研究チームは、参加したカップルをウェイト ウォッチャーの減量プログラムに参加するグループ(平均年齢 55.3歳)と、体重を自己管理するグループ(同 52.5歳)にランダムに割り付けて、カップルのうち片方だけに減量を行ってもらい、6ヵ月間追跡した。
減量プログラムの参加者はオンラインツールで体系的な指導を受け、自己管理をした参加者には減量に関する資料を受け取り体重を自分で管理した。いずれも、健康的な食事、運動、および体重管理戦略(全体のカロリーの管理、脂肪や炭水化物の栄養素、低カロリーの食事についてなど)に関する情報提供が行われた。
その結果、6ヵ月後に、減量プログラムに参加したグループは平均して4.50キログラム、自己管理をしたグループは3.23キログラムの減量に成功した。また、減量した人のパートナーの32%が6ヵ月後には3%以上の減量を達成していた。
1人が行動を変えると、周囲の人々も変化が起こる
配偶者が糖尿病の人は注意が必要
「夫が糖尿病」「妻が糖尿病」という人も注意が必要だ。「配偶者が2型糖尿病であると、自身が糖尿病を発症する可能性が高い」という研究も発表されている。
肥満や2型糖尿病の発症には「遺伝因子」と「環境因子」が関わっている。家族や肉親が糖尿病だと、糖尿病の家族歴がない人に比べて糖尿病を発症しやすいことが知られている。
血縁関係のない夫婦であっても、2型糖尿病を発症しやすい生活スタイルを共有している場合が多い。食べ過ぎ、運動不足、肥満、加齢、ストレスなどの環境因子を、夫婦が共通してもっている可能性がある。
7万5,498組のカップルを対象にした国際的な調査では、配偶者が2型糖尿病であると、自身が糖尿病を発症する割合が26%上昇することが判明した。
夫婦で生活を変えることにチャレンジ
「もしあなたの配偶者が2型糖尿病であるなら、あなた自身が糖尿病を発症する可能性があります。糖尿病の配偶者をもつ人は、糖尿病を発症する割合が上昇することが、調査で確かめられました」と、カナダのマックギル大学健康センターのカベリ ダスグプタ氏はいう。
糖尿病の治療には、食事や運動などの生活スタイルの改善が不可欠だ。患者にとっては、日常生活を変えることにチャレンジする必要がある。配偶者が糖尿病に対する理解をもっていれば、治療に取り組みやすくなる。
「配偶者の糖尿病発症は、夫婦で生活スタイルの改善に参加してもらうきっかけになります。配偶者が糖尿病であるという人は、健診のチャンスを逃さないようにし、定期的に検査を受けることが重要です」と、ダスグプタ氏は強調している。
Scientists Identify Weight Loss Ripple Effect(コネチカット大学 2018年2月1日)Randomized Controlled Trial Examining the Ripple Effect of a Nationally Available Weight Management Program on Untreated Spouses(Obesity 2018年2月1日)
Diabetes: We are in it together(マックギル大学ヘルスセンター 2014年1月22日)
Spousal diabetes as a diabetes risk factor: A systematic review and meta-analysis(BMC Medicine 2014年1月24日)
[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所
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