活動報告

2015年ドリームトラストからのレポート

 国際糖尿病支援基金が支援しているインドの糖尿病患者さんについて、ドリームトラスト(代表 シャラッド・ペンデセイ医師)より、Bhumi Kambleさんの近況とクリスマスカードが届きました。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、ドリームトラストを支援しています。

 インドの1型糖尿病患者Bhumi Kambleさんについて、ドリームトラストのPendsey先生より、大変良いお知らせが届きました。

Bhumiさんが通学している職業訓練校において、彼女がコンピューターサイエンスの学位を取得したようです。この後も集中コースで勉強を続け、上級学位取得を目指すそうです。


(左)5歳のBhumiさん(2002年当時) (右)2015年現在のBhumiさん


 また、ドリームトラストより、小児1型糖尿病の患者さんがかいたクリスマスカードが届きましたので、併せてご紹介いたします。


Wish you a Merry Christmas and a Happy New year


 国際糖尿病支援基金は、この活動に賛同し、ドリームトラストの活動を支援しています。ドリームトラストのスポンサーシップにご協力を頂きますようお願い致します。

ドリームトラスト(インド)活動のねらいと目的
https://dm-net.co.jp/idafj/2005/002098.php
国際糖尿病支援基金が支援するドリームトラストの糖尿病患者さん
https://dm-net.co.jp/idafj/sponsoring.php
ドリームトラスト活動内容
https://dm-net.co.jp/idafj/act/update/dream-trust-7.php

ドリームトラストのスポンサーシップ

1口:30,000円(糖尿病の子供1人、1年分の医療費として)
※2013年7月現在
※大幅な為替の変動があった場合は、1口の金額を変更することがあります。

  • 1口で、1型糖尿病患者さんのスポンサーになり、インスリンや医療費1年分をまかなうことになります。
  • 毎年1回、スポンサーになった子供の写真と治療状況などをお届けするとともに、ホームページ上でご紹介します。

 ドリームトラストのスポンサーシップにご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄に掲載を希望するお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口

※通信欄へ「ドリームトラストのスポンサーシップ支援」とお書き頂きますようお願い致します。

2015年12月活動報告

寄付金収入(5件)11万円

FUVIDA(エクアドル)へ活動資金として10万円(809.33USドル)を送金。
〔送金手数料6,500円〕

ドリームトラスト設立20周年式典について

 インドで糖尿病患者さんを支援するドリームトラスト(代表 シャラッド・ペンデセイ医師)が設立20周年を迎え、2015年10月25日に記念式典が行われました。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、ドリームトラストを支援しています。

ドリームトラスト設立20年を迎えて

 2015年10月25日、ホテル・センター・ポイント・ナグプールにて、ドリームトラスト設立20周年の記念式典が開かれました。式典は、ドリームトラストの管理運営者であるシャラッド・ペンデセイ医師のスピーチから始まり、ドリームトラスト発足時に経験した様々な困難についてもしみじみと語りました。式典では、今までの活動報告、糖尿病を克服したことへの表彰式、余興といったものが含まれました。





 栄えあるゲストであり、ドリームトラストの大いなる友でもある、オーストリアのウィーンから出席したアンナ・ウーリッヒさんがドリームトラストの業績を讃えました。彼女自身も1型糖尿病歴30年で、オーストリア、スイス、ドイツといったヨーロッパのドイツ語圏とドリームトラストの親善大使として15年交流があります。 5人の1型糖尿病の子供が25年に渡って糖尿病を克服しながら生きてきたということで表彰を受けました。

20周年記念式典の様子が地元紙で紹介されました。

 毎年、ドリームトラストから与えられる賞である“ドリームトラストの友”の今年の受賞者は、ドイツから参加したデービッド・レンさんとなりました。彼は、2012年より6人の子供を支援しています。ドイツから参加したガビ・クレヴァーさん、オーストリアから参加したマリカさん、ニキさん、ヤコブさんも共に表彰されました。彼らは、ドリームトラストの業務について理解を深めるためナグプールに滞在しています。 糖尿病である子供たちの何人かが、ゲストをもてなすために日ごろ磨いた芸や歌を披露しました。





 糖尿病を克服し、医師、歯科医、看護師、エンジニアとなった7人の女性も表彰されました。 ペンデセイ医師は、インド国内に10万人の1型糖尿病の子供たちがいることを説明しました。チャティスガールの行政官であるラマン・シン医師は、ドリームトラストに触発され、州内の全ての糖尿病である子供たちに完全な治療提供するための新しいプロジェクトを直ぐに始めるでしょう。ペンデセイ医師は、デヴェンデラ・ファドナヴィス・マハーラシュトラ州首相とシヴァラジャ・シャウハン マディアプラデシュ州首相にチャティスガールのラマン・シン医師に続くよう訴えました。ペンデセイ医師は、この動きはインドの他の州にも広め、インスリンの発見から100年となる2020年までにインド国内の全ての糖尿病である子供たちが無料で医療を受けることができるようにすべきだと述べました。





 ドリームトラストの評議員であるサンケット・ペンデセイ医師は、ドリームトラストの目的及び活動全般について説明しました。 式典の最後には、ドリームトラストの会員である子供たちが、感動的な歌である「Hum honge kam yab」を歌い、糖尿病である子がインドの国家をフルートで演奏して幕を閉じました。

 ドリームトラストの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口

関連サイト
ドリームトラスト(インド)
国際糖尿病支援基金が支援するインドの糖尿病患者さん
国際糖尿病支援基金


2015年11月活動報告

寄付金収入(3件)14万円


2015年10月活動報告

寄付金収入(3件)5万9,700円

Dream Trust(インド)の1型糖尿病患者支援のためのスポンサー費9口(9人分)として32万6,511円(2700USドル)と活動資金10万円を送金。
〔送金手数料6,500円〕

上記金額には、以下が含まれています。
「糖尿病情報BOX&Net.」No.46ネットワークアンケート回答分寄付金(494件×50円=2万4,700円)。

2015年ベトナム初の糖尿病キャンプに参加して(IFLレポート)

 2015年6月26日から28日にかけて、ベトナム国内で初めての糖尿病キャンプが開催されました。参加したインスリン・フォー・ライフ(IFL)のスタッフであるタリー・ラーブさんより、レポートが届きましたので、ご紹介します。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)を支援しています。

2015年ベトナム初の糖尿病キャンプに参加して(IFLレポート)




Insulin for Life(IFL)オーストラリア
Talia Raab
タリー・ラーブ氏(写真左)




開催期間:
 2015年6月26日から28日
開催場所:
 ベトナム社会主義共和国 プー・ソー州サーン・スイ区エメラルドアイランド
参加スタッフ:
 IFLオーストラリア&グローバル:ロン・ラーブ、ニール・ドナラン、タリー・ラーブ、
    リズ・ラーブ
 台湾:シャロン・チェン(台湾エデュケーター協会)、
    デービッド・フアン(1型糖尿病患者のブロガー)
 日本:森田繰織(国際糖尿病支援基金会長)
 カンボジア:タッチ・クーン(医師)

■キャンプ開催地
 開催地である「 プー・ソー州サーン・スイ区エメラルドアイランド」は、首都ハノイからバスで数時間のところにあり、キャンプ地としては最適の場所でした。参加者は広々とした静かな場所で、1日数回にわたり医療従事者による講義、教育的な活動、血糖値測定を受け、食事を楽しみました。施設内にはプールやゲーム設備もあり、近くには遊園地もありました。

 キャンプ開催中の講義やレクレーションは、施設の1階にあたる床下駐車場において行われました。連日35度を超える暑さであったため、床下駐車場は日陰で強い日差しから逃れられ、幾分涼しさを感じました。しかし、次回以降は、扇風機がある涼しいダイニングホールにて実施することも課題の一つだと思います。それによって、主に小児糖尿病の患者さんが暑さで体力が消耗してしまう危険性を下げることもできるように思います。


今回のベトナム糖尿病キャンプの目的

(1)経済的に恵まれない状況下にある1型糖尿病の患者さんたちが、 得ることのできる利益の追及していくことを主たる目的とする。
  • ・他の1型糖尿病の子供たちと知り合い、友人となることで孤立感や孤独感を和らげる(孤独感や孤立感は、多くの1型糖尿病の子供たちが最初に経験することである)。
  • ・1型糖尿病の血糖コントロールについて、正確に血糖値を測定することや、インスリンの自己注射、1型糖尿病によって引き起こされる低血糖などの症状、運動などを学ぶこと。
  • ・このキャンプを十分に楽しむこと。
(2)国際連携の目的
  • ・ベトナムでの糖尿病キャンプが成功するために、必須事項を「IFLネットワーク」が主導する形で、アジア地域の糖尿病関係者、キャンプ主催者、医療従事者が連携し、効率的なコミュニケーションを得られる場を提供する。
  • ・過去に「IFLオーストラリア&グローバル」が主導で開催した、フィリピンやエクアドルでの糖尿病キャンプの事例を活かし、将来的にはIFLや他国の支援なしで、ベトナム側がキャンプの運営を自主的に年に一度、または定期的に運営できるようにすること。IFLは「コンサルタント」という立場で関わっていくこと。
(3)糖尿病治療機材・薬剤の提供
  • ・IFLオーストラリア&グローバルは、インスリンを始め治療に必要な機材をキャンプ参加者である子供たちに提供する。これには、キャンプ期間中に必要な全ての薬剤・機材が含まれ、医療従事者による日々の血糖測定に使用されるものも含まれる。


 このキャンプで参加者たちが絆を深めるために、患者さんやその家族に実用的なアドバイスをし、共同体としての意識や、精神面での安心に貢献することは、患者さん自身が精神面で豊かになることや自尊心、そして糖尿病をどの様に捉え、健康管理をしていくかに発展していく可能性があります。
 過去のフィリピンやエクアドルでの糖尿病キャンプにおいては、1型糖尿病と診断された子供たちが高い頻度で経験するイジメ、差別、仲間外れといった重要な見識を、同じ病気を持つ患者やその家族、医療従事者が触れ合うことで、共有する機会を得ました。


■糖尿病についての学習
 このキャンプに参加することで、1型糖尿病患者とその家族が、1型糖尿病をもつ外国人参加者、あるいは糖尿病関連の医療従事者から専門的な知識を提供されたり、実用的なアドバイスを得ることができます。

 また、患者さんや家族が1型糖尿病からくる合併症の不安のため、将来のライフステージにおける不確実さ(例として、学業、就職、結婚や子供を持つといったこと)に不安を隠せずにいることがあり、これらの心配事に取り組むことは、長期的、または一時的な取組であっても、外国人参加者等のアドバイスにより、安心感を得られることにつながる可能性があります。




ベトナムの糖尿病患者さんと、2015年糖尿病キャンプの様子が紹介されています。

■参加した感想
 キャンプ主催者と医師たちは、この上なく前向きなものでありました。ベトナム側スタッフのビン医師の提案のもと、最終日にディスカッションがハノイのセン・レストランにて開かれました。出席者は、主催者側スタッフ、IFLと外国人参加者が出席しました。ベトナム側からは、外国人参加者に対する感謝の気持ちが伝えられたと同時に、キャンプを実施できたことに対する自信や誇りを見せていました。1年前には構想だけはあったものの実現することができなかったのです。2014年5月にフィリピンで開かれた初の糖尿病キャンプに、ベトナムからはタン医師とサム医師が参加し、ここで糖尿病キャンプについてのノウハウを学びました。


■ご協力頂いた支援者、スポンサー、団体
 外国人参加者から1人150米ドルの資金が提供されました。
この資金は、初のキャンプ開催に当たって必要かつ有益なものであった一方、キャンプの資金調達やスポンサーが得られる可能性を考慮することが必要でした。参加者が参加費用を寄付する形が望ましいのですが、最終目的が自主運営であることを考えると、外国人参加者からの寄付に頼るべきではないのです。このことは、今後の課題の一つでもあると思います。




2015年ベトナムの糖尿病キャンプ

■スポンサー企業の参加
 韓国の食品会社「メディフード」より、将来的にこのキャンプに参加していきたいという強い希望がありました。このことは、ベトナムにおける糖尿病キャンプの資金源として、更なる協力を求めるための選択肢の一つとなるでしょう。

 また、オーストラリア大使館、イスラエル大使館が、恵まれない状況下にある1型糖尿病の患者さんたちの状況改善に対し、関心を寄せました。ベトナム滞在中にメイラフ・シャハール 駐越イスラエル大使の公邸にて夕食会が開かれ、ヒュー・ボローマン オーストラリア大使も参加しました。

 両大使とも、キャンプ地を訪れ視察をしました。ベトナムで活動をしている両大使がこのキャンプに関わることで、今後の発展・成功につながることが期待されます。オーストラリアとイスラエル各大使館の連携は、IFLオーストラリア&グローバルを通じて既に行われています。さらに、大使館や大使が地元の医療従事者と共に、将来、ベトナムにおいて継続的にキャンプが遂行できるよう、基金を設立するなどして協力していくでしょう。

 ダナンに住むベトナム人女性、キム・アイン・ダン氏が、ベトナムの1型糖尿病患者の状況改善に非常に意欲的で、ニール・ドナラン氏と数回に渡って直接交渉してきました。キム・アイン氏は、IFLや外国人参加者に挨拶をするため、短時間ながらキャンプに参加しました。彼女の参加は、将来の発展に貢献するでしょう。


■謝意
 この糖尿病キャンプに対して、資金の一部を支援していただいた日本の国際糖尿病支援基金、及び糖尿病治療に必要な資材を提供していただいた、ネンチュン・ユ医師にこの上ない感謝の意を表します。

【English】
Insulin for Life Vietnum Report 2015/Talia Raab
https://dm-net.co.jp/idaf/ifl2015/english3.pdf


●関連サイト
森田会長の「わが友、糖尿病」ベトナム初の糖尿病キャンプに参加して(国際糖尿病支援基金レポート)
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
糖尿病アジアネットワーク「ベトナムの糖尿病事情」
国際糖尿病支援基金

 国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアの活動を支援しています。

 IFLの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口


2015年9月活動報告

寄付金収入(5件)12万5,000円


2015年フィリピンの糖尿病事情について(2)(IFLレポート)


 オーストラリアで途上国の糖尿病患者さんを支援するインスリン・フォー・ライフ(IFL)のスタッフが、フィリピン各地の医療施設の訪問と、5月20日にセブ市で行われた糖尿病キャンプへ参加しました。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)を支援しています。

2015年フィリピン糖尿病レポート(2)





Insulin for Life(IFL)オーストラリア
Neil Donelan
ニール・ドナラン氏




「2015年フィリピンの糖尿病事情について(1)」については、こちらをご覧ください。


セブ市での糖尿病キャンプ

 マリアン・デノポル医師の主導の元、セブ・ビンセント・ソット・メモリアル・メディカルセンターの一環として、セブ地区サンシャイン・糖尿病キャンプが行われました。キャンプのスポンサーは、フィリピン保健局、アムリ・ガルシア代表が率いる団体「スィート・アラート」、及びスィートアラートの婦人部の協力を得る形で、IFLより糖尿病治療薬剤、機材類を提供しました。

 この糖尿病キャンプは、今年もセブ市より車で30分ほど行った北にある、ダナオ市にて5月20日から5月22日に開催されました。参加者の内訳は、6歳から26歳までの18名の糖尿病患者(子供や青年)、参加者の親やコーディネーターが10名、キャンプの進行役・医師・看護師・エデュケーターが20名、外国人6名のほか、デュマグエテ市からクラリタ医師とマ・シエラ・アラタン医師と共に5名の子供とその親たが参加しました。

 昨年のキャンプでは、参加者たちは大半の時間を室内での講義に費やし、レクレーションや友人たちと交流をする時間があまりありませんでした。IFLと担当者たちは、前回のキャンプに対する感想や提案をもとに、より多くのレクレーションを取り入れる方が、糖尿病に関する講義を聴くよりも日常生活で実際に役に立つのではないか。との意見が出されました。これらの提案を幹部会で検討し、改善がなされ、今年は野外での活動を増やしたことにより、参加者たちも楽しむことができました。



2015年フィリピン・セブ島の糖尿病キャンプ

 子供たちは、年齢ごとに4つのグループに分けられ「運営管理人」がそれぞれ各グループに割り当てられました。 運営管理人とは、医師・看護師・研修を受けたエデュケーター・医学生から成り、患者である子供たちと、その親たちに糖尿病治療について教えることが仕事です。

 キャンプ期間中、昼間の時間帯は2時間ごとに血糖検査が行われ、血糖が安定しない人については夜の時間帯に4時間ごとに血糖検査が実施されました。IFLは、キャンプで必要なグルコメーター・テストチップ・ランセット・ペン型注射器用針・注射器・保冷器・ブドウ糖タブレットを提供しており、時には、糖尿病キャンプ以外の支援要請にも応えています。



(左)IFLのスタッフ (右)患者さんへ血糖測定について教えています

 糖尿病の子供をもつ親たちも、子供たちが合併症を起こすことなく、糖尿病と共に健康に生きていくために、食事療法や栄養についての重要性、糖尿病に関する治療、予防、意識についての勉強会も行われました。
参加者はダンス、体操、水泳、Tシャツペインティング、散歩、お絵かき。といったことを楽しみました。年齢に応じたゲームをしながら、糖尿病について学んだことをテストしました。緊急事態に対して、患者本人や親がどう対処するべきかということも学びました。アユミさんは日本の民族衣装を着て、折り紙を教えていました。

 この糖尿病キャンプを支援したスポンサー企業から、参加した子供たちへ人形、お面、塗り絵、鉛筆セットの提供されました。塗り絵は、糖尿病をストーリー仕立てで説明してあり、子供たちが楽しみながら糖尿病を学べるようになっています。これらの教材は英語で書かれてあるため、子供たちにとっては英語の勉強にもなりました。
 他のスポンサー企業もこのキャンプに参加し、ゲームを通じてチーム作りを教えてもらいました。参加した人々の友情や社会的ネットワークは、良い人間関係を築いていくスキルとなることが分かります。年長の子供たちと交流を通じたことが無かったり、日本やオーストラリアから来た外国人とあまり縁のない年少の子供たちは、我々との友情、キャンプ期間に築いた信頼という絆を深めました。



 参加者の親たちの何人かは、ジュビーさん、アユミさん、チャティーさん、ジャッキーさんたちから、ネイルペインティング、お化粧、ヘアスタイリングの施術も受けました。彼女らは、普段の生活の中でこのような余裕は無いのです。

 「もし、自分の人生の中でひとつ変えることができるとしたら、どんな事を叶えたいか?」という質問に対し、各自が回答をするということをしました。
 中には涙を誘わずにいられないものもありましたが、年齢に関係なく、それぞれの回答を参加たちが感情的に反応したため、興味深い演習ともなりました



参加者はTシャツのペイントなどの他に、それぞれの夢や目標を書きました。

 デュマグエテ市から参加していた12歳の少年カービー君に、数名の参加者を前にして、「キャンプに着いた時、最初はどのように感じたか?」と尋ねました。彼は「とても緊張したし、怖かったよ。なぜって、誰も知っている人はいないし、友達もいなかったから。でも、キャンプに来てから、同じ歳でセブから参加しているミグスと友達になった。」と言いました。彼は、キャンプに参加する機会が与えられて喜んでいました。彼は、糖尿病に対する考え方も、彼自身に対しる考え方も変わったのです。

 参加者たちにとって、この糖尿病キャンプはとても重要なことなのです。子供たち自身に対する考え方や世界観が変わることで、後の人生を変えることもあるのです。

「フィリピン・ナース・エデュケーター協会」のレイデン・フロリドさんには謝意を表します。レイデンさんには、人員を集めて組織する天性の素晴らしい力があります。また人に希望を与え、楽しませ、人を愛する天賦の力も兼ね備えています。レイデンさんに神様のご加護がありますように!

 来年のキャンプは5月11日から13日に、同じ場所(ダナオ市エルサルバドル)で行われる予定です。


ディポログ市

 セブでのキャンプの後、次のデュマングエテのプログラムまで時間的に余裕があったことと、ジュビーさん、アユミさん、ジャッキーさんからの希望もあり、予定外の旅でしたが、ディポログ市へ行きました。この旅は、フェリーで夜通し10時間程かかります。この冒険的な旅が、意外にもより多くの命を救うことにつながることになったのです。我々は、5月23日の朝に到着しました。アーミ・ガルシアの運転手がアリアナホテルより港まで我々を迎えに来ました。

 午後1時に、スウィートアラート・セブの代表のアーミ・ガルシアさんが講義や検査プログラムを含めた集会を開き、約100名の人々が集まり、我々も参加しました。
94名が血糖値を測定した中で8歳の少年、ジョニー君が、判定不能となるほどの高値を示しました。参加していた医師の一人とジュビーさんが彼の母親に即座に治療が必要であることを説明しました。幸いにも、集会でインスリンが入手できたので、ジョニー君にインスリン注射が施されました。彼の母親にジョニー君を彼女の主治医のところへ連れて行き、きちんとした診断と教育がなされなければならないと助言しました。


「スイートアラート」の活動について、地元の新聞で紹介されました。

 また、48歳の男性エドガーさんも高値を示したため、インスリン注射が施されました。彼は右足に感染症があり、直ちに病院へ行くよう助言がなされました。
 州知事が閉会のスピーチをし、アーミさんとIFLがディポログ市に関心を寄せて来てくれたこと、そして糖尿病治療を必要とする人たちの命を救う手助けをしてくれたことに謝意を表すと同時に、来年、今回よりも濃密なプログラムと1日だけの糖尿病キャンプが開かれる際に再会できることを楽しみにしているとも述べました。
アーミ・ガルシアさんは、2016年にディポログでも糖尿病キャンプを開催すべきとの意見を強調し、IFLへ来年5月に再びプログラムを実施することを訴えてきました。


デュマグエテ市

 ディポログを後にして、我々はフェリーにてデュマグエテ市へ向かいました。4時間の船旅でした。5月24日、ネグロス・オリエンタル病院のクラリタ・カディズ医師に会いました。翌朝9時に同病院にて300名の患者さんが集まり、私を始め、ジュビーさん、チャティさんからのプレゼンテーションがあり、糖尿病教育及び糖尿病管理の重要性を話し、多くの患者さんたちから質問を受けました。我々は、IFLがどのように組織され、どのような形で地元のコミュニティを支援しているのか、そして、今現在、苦しんでいる患者さんの命をタイムリーに救いたいということを説明しました。
 カディズ医師は、患者さんの何人かがIDFのライフ・フォー・チャイルドプログラムに受け入れてもらえることを熱望しています。私は、昨年、カディズ医師にこのプログラムについて話しました。カディズ医師は、支援対象に該当すると思われる子供たち19名のプロフィールを私に渡しました。私はそのことを思い出し、直ぐに同プログラムを担当しているグラハム・オグレ医師に渡すつもりでいます。

 この会合の後、午後1時に、また別の会合がカディズ医師とナガール・ガルシアさん、ボイシー・リムさん、マニュエルさん、アーノルド・トレスさんが率いる高齢者のボランティア患者団体によって開催されました。彼らは、デュマグエテで恩恵を受けており、我々の支援プログラムに感謝していました。私は、IFLプログラムの原動力について、フィリピンにとどまらず、ほかの国々においてもこのようなプログラムが運営されていることと、法的なかかわりについて彼らに説明しました。これらのプログラムは、過去には十分理解を得られなかったケースについても説明をしました。

 私は、デュマグテで初となる小児糖尿病キャンプ実施の可能性について話題を変えました。彼らは、2016年5月の実施を目指し、IFLからの支援獲得について熱心に話を聞き、また協力を申し出ていることを確認しました。
来年2016年に向けて、キャンプの実施計画を確認しました。集まっていた人たちは、このプロジェクトとしてカ、ディズ医師を支援することに合意しました。2016年5月4日から6日にかけて、デュマテ市での糖尿病のキャンプの開催が計画されています。これらの資金の幾らかは、地元で寄付を集めることになります。キャンプの成功に向けて、外国からの資金援助も必要となるかも知れません。
私たちはキャンプに適した地を設定することを目標としました。カディズ医師とアシスタントであるシエラ・アラタンさんに、できるだけ早くキャンプの場所と予算を確保することが必須であると強調しました。75名の参加予定で糖尿病キャンプを実施予定です。


セブ市
 我々は5月28日にセブ市へ戻りました。ジュビーさんの実家を訪ね、彼女の家族はリゾート地のホテルを手配してくれ真ました。我々が2日間そこで過ごし、チャティーさんとジャッキーさんはマニラへ行きました。
5月30日、我々はセブ市の中央にあるセンタースイーツホテルへ行きました。
午後4時にジュビーさんのお母様の計らいで、1型糖尿病患者である同ホテルのオーナー、エヴァン・メンドーザ医師に会いました。メンドーザ医師は、多くの経済的に恵まれない糖尿病の患者さんを支援しており、患者さんたちをIFLのプログラムに取り込むことができる可能性について話し合いました。

 私は、セブ市で行われているプログラムは、すべてIFLの意図のもとではなく、マリアン・デノポル医師とビンセント・ソット・病院、そしてスウィート・アラートとのつながりで運営されている旨を説明しました。
メンドーザ医師はデノポル医師を知っているとのことで、メンドーザ医師の患者さんたちを、デノポル医師のプログラムに受け入れてもらえるか尋ねるように伝えました。また、来年セブ市で開かれる、糖尿病キャンプへボランティアとして参加できるかどうか、メンドーザ医師に尋ねたところ、仕事の都合がつけば参加するとのことでした。


今後のキャンプの予定

 IFLではフィリピンにおいて「ライフ・セイビング・プログラム」を開始し、成功を収めています。IFLでは、これらのプログラムを今後5年に渡って実施し糖尿病キャンプを促進していきたいと考えております。現在のところ、2016年以降、フィリピン国内で4つの糖尿病キャンプの開催を予定しています。

デュマグエテ市:5月4日・5日・6日
ディポログ市:5月7日(1日のみ)
ダヴァオ市:5月8日(1日のみ)
セブ市:5月11日・12日・13日

フィリピンでは、多くの途上国同様に糖尿病の血糖コントロールが行き届いておらず、毎日、多くの命が失われています。


謝辞(大きな感謝を寄せて)

・スィートアラート:アーミ・ガルシアさん、ボランティアの皆さん
マリアン・デノポル医師、クラリア・カディズ医師、シエラ・アラタンさん
・IFLチーム:ジュビーさん、アユミさん、チャティーさん、ジャッキーさん
  IFLチームの皆さんには、費用の大半を自己負担で参加していただき、フィリピンでの活動に貴重な時間を割いていただきました。また、フィリピン各地行われたプログラムに必要な22キロにもなる支援物資を各自の荷物に入れて運んでいただきました。
・ジェリー・ゴアさん(英国の1型糖尿病患者である登山家・冒険探検家)とチャールズ・トゥーミーさんからは、本キャンプのためのスポンサーを募っていただき、資金面で協力を頂くと同時に多くの命を救うことに貢献していただきました。
・IFLオーストラリア&グローバルにも、雑費や必要物資の搬送でお世話になりました。日本の国際糖尿病支援基金からは、今回もまた、フィリピンに留まらず、各国の糖尿病患者の命を救うために、資金面を始め、各所で時間的を割いていただきエネルギーを注いでいただきました。
・キャンプのために糖尿病学習機材をご提供いただいた製薬会社、医療機器メーカー各社にも感謝申し上げます。


【English】
Insulin for Life Philippines Report 2015/Neil Donelan
https://dm-net.co.jp/idaf/ifl2015/english2.pdf


●関連サイト
2015年フィリピンの糖尿病事情(IFLレポート)(1)
2014年フィリピンの糖尿病キャンプ報告
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
国際糖尿病支援基金

 国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアの活動を支援しています。

 IFLの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口


2015年フィリピンの糖尿病事情について(1)(IFLレポート)

 オーストラリアで途上国の糖尿病患者さんを支援するインスリン・フォー・ライフ(IFL)のスタッフが、2015年5月にフィリピン各地の医療施設を訪問しました。スタッフのニール・ドナラン氏より、フィリピンの糖尿病事情についてレポートが届きましたので、ご紹介いたします。

 国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)を支援しています。

2015年フィリピン糖尿病レポート(1)





Insulin for Life(IFL)オーストラリア
Neil Donelan
ニール・ドナラン氏




『私が衣服を必要としていた時、あなたは衣服を与えてくれました。私が病気の時、あなたは看病してくれました。私が獄中にいるとき、私に面会に来てくれました。 我々はあなたが病気であったり、獄中にいると分かったとき、あなたのもとを訪ねたでしょうか?

主は、答えるでしょう。「私は真実を述べます。あなたが私の兄弟たちや私にしてくれた、たとえ、どんな些細なことであっても、すべてのことを」』
聖書「ジェームズ王版 マタイ伝25:36から40」より引用

世界中で糖尿病の患者さんの命を救っているインスリン・フォー・ライフ(IFL)の活動が与える影響は非常に大きなもので、神様から与えられた恩恵に値します。





フィリピンへ出発

 IFLオーストラリア&グローバルのメンバーが、2015年5月13日から31日にかけて、フィリピンの貧困状態にある1型糖尿病の患者の命を救うため、同国へ旅立ちました。
 IFLのチームは、私ニール・ドナラン、IFL運営幹部、今回のキャンプでIFL特別運営部隊となる協力者のほか、ジュビー・ホラスカさん(看護師)、メリー・ハリスさん(看護師)、疋田あゆみさん(看護師・1型糖尿病患者)、ジャクリーン・フランシスさん(ボランティア)から編成され、皆、オーストラリア在住です。



  マニラ

 2015年2月、オーストラリア、バララト市在住のフィリピン人である友人を通じ、マニラ市カラムバ刑務所の管理、及び刑罰学行政官であるジェハン・バラダットさんから、IFLに支援要請がありました。
要請の内容は、刑務所を管轄する大臣・長官及び刑務所職員たちと面会し、IFLで1型糖超尿病を患っている服役者を支援できるか確認してほしいということでした。
服役者たちは、糖尿病をコントロールするために必要なインスリンや注射器を入手する手段も、家族の支援もないのです。我々のチームは、2015年5月15日に刑務所を訪ねました。

 我々のチームは、(刑事)司法監督官であるフィリピナス・T・フルジェンシオさんと会い、25名の医療分野を含めた刑務所の職員たちに、IFLの活動内容と、IFLが服役者を支援することができる可能性について、パワーポイントを使ったプレゼンテーションを行いました。

 刑務所には現在900名が服役しており、うち200名が結核を患っています。結核は感染力が強く、回復までに6か月は隔離が必要なため、刑務所内の医療施設に隔離されています。結核患者たちは、政府から回復に必要な幾らかの経済的支援を受けることができますが、糖尿病患者に対する政府からの支援は、全くありません。

 多くの服役者が糖尿病を患っているものと思われますが、インスリンの支援を受けている人は、たった4名で、しかも、公的支援ではなく、服役者の家族からの支援です。
インスリン支援を受けている服役者は皆女性で、ランタスを使用しています。この刑務所では、男性服役者、女性服役者は共にいますが、刑務所内では別々に収容されています。 フルゲンシオ監督官は、糖尿病検査を行う予算が政府から承認されていない下りてこないため、糖尿病を患っている服役者の正確な数は分からないそうですが、私は、1型糖尿運用病患者数が把握できなければ、IFLとしては、どんな支援物資も送ることはできませんと答えました。

 刑務所側とIFL側は、1型糖尿病患者数を把握するため、まずは、糖尿病検査プログラムを実施しなければならないということで合意しました。私は、マニラを拠点とするIDF(国際糖尿病連合)と連絡を取り、糖尿病検査を実施するために、専門知識のある医師・看護師・エデュケーターの派遣がを送ってもらうことが可能であるか確認するように提案しました。
実施に向けて、次なるステップを重ねて行くことになると思いますしでしょう。連絡があれば取れれば、フルゲンシオ監督官に糖尿病検査の実施手配が可能かを報告することになると思いますでしょう。我々は、一式そろった糖尿病治療器具3セットを刑務所に置いていくことにしました。

 マニラ地区には49の刑務所があり、フィリピン全人口に対し、推計で72,000名が収容されています。刑務所内は、過密状態であり、結核が流行しています。



バコロド市

 マニラを発ったのち、ネグロス諸島の島の一つで西の端にあるバコロド市に行きました。
バコロドはフィリピンのサトウキビ栽培をしている地区の中心で、人口は約150万人です。
我々は、バコロド市内のセブンスデイ・アドベンティスト病院に3日間滞在しました。 院内には、手ごろな価格の宿泊施設があります。

 5月16日、10時から12時半まで、SDA病院(宿泊先)から数キロ離れたネグロス・オクシデンタル・パブリック病院にて血糖検査と講義を実施しました。血糖検査は、糖尿病エデュケーターであるアントン・モンフォート行政官により実施され、講義は、ルズ・マップニ医師とIFLを代表して私が行いました。
 45名が参加し、検査を受けました。今まで、糖尿病検査を受けたことのない、一人の若い男性が、検査で高値を示したため、数時間後再検査したところ、やはり高値を示しました。そのため、実際に糖尿病を発病しているか否かを確認するための総合的な検査をすべく、医師を紹介しました。

我々は、マップニ医師に糖尿病治療に必要な薬剤・機器類を託し、同病院を後にしました。マップニ医師は、IFLプログラムが実行されているかどうか、また同病院がIFLと共に取り組んでいけるか否かについて、後日連絡をくれことになっています。
 そののち、SDA病院(宿泊先)にて病院の牧師でありチャプレンである、ペドロ・D・ロンドンさんとヘクター・ガヤス院長と共にミーティングを行いました。彼らは、貧困状態にある糖尿病患者を支援しているIFLプログラムに関心を寄せ、ネグロス・オクシデンタル・パブリック病院と協力し、共に取り組んでいくことを望んでいます。

 彼らは来年、我々が再び同地を訪れることを望んでいます。そうすることで、総合的な糖尿病検査を実施することができる可能性があるからです。
ヘクター・ガヤス院長は1,200万人以上の糖尿病患者がフィリピンにいると言われていると述べていました。フィリピンにおけるコミュニディや政府の医療予算に対する支出全体は測り知れないのです。


2015年フィリピンの糖尿病事情について(2)へ続く

●関連サイト
2014年フィリピンの糖尿病キャンプ報告
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
国際糖尿病支援基金


2015年8月活動報告

寄付金収入(1件)3万円


2015年7月活動報告

寄付金収入(1件)2万6,650円

上記金額には、以下が含まれています。
「糖尿病情報BOX&Net.」No.45ネットワークアンケート回答分寄付金(533件×50円=2万6,650円)。

FUVIDA(エクアドル)へ糖尿病サマーキャンプ支援のためのと活動資金25万円(1998.72USドル)を送金。
〔送金手数料6,500円〕

2014年モルディブ共和国の青少年糖尿病キャンプについて(IFLからのレポート)

 オーストラリアで途上国の糖尿病患者さんを支援するインスリン・フォー・ライフ(IFL)より、「2014年ディアブモルディブズ国際青少年キャンプ」(モルディブ共和国)についてのレポートが届きましたので、ご紹介いたします。

 国際糖尿病支援基金は、この活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)の活動を支援しています。

 モルディブ糖尿病協会主催による「ディアブモルディブズ国際青少年キャンプ」は、2014年12月18から22日の5日間、バンドス島リゾート&スパで行われました。青少年期にある13?24歳の糖尿病患者を対象として、モルディブ国内で初めて、糖尿病キャンプが開催されました。

 「ディアブモルディブズ国際青少年キャンプ」では、食物と運動におけるインスリンとの関わり、カーボカウント、スポーツ(運動療法)、病気(シックデイルール)およびストレスが糖尿病に与える影響も学びました。
このキャンプの主な目的は、「糖尿病」が特別視されることなく、地域社会に普通に受け入れられ、糖尿病があっても心配することはない安心感を与えることでした。
また、参加者は、同じ病気を持つ患者さん同士の交流や、糖尿病の自己管理のためのプロセスを専門的な医療従事者の下で学び、糖尿病の自己管理について自信を得ました。



 私たちの使命は、青年期にある糖尿病患者が、活動的で健全な生活を築き、それを活かして維持し、楽しさに満ちたキャンプ体験を提供することです。
私たちは、糖尿病とともに生きていくための力として、青少年期にある糖尿病患者の自立を促すことに専心しています。


糖尿病キャンプの目標
  • ・人脈や人的・情報資源を提供し、糖尿病キャンププログラムを改善しかつ世界を視野に入れて展開する。

  • ・青少年期の糖尿病患者に、あらゆる状況下で糖尿病と共に生きるために必要な情報や技能を提供する。

  • ・青少年期の健康について意識し自信を持たせるプログラムを作成する。


1日目(2014年12月18日)
 1日目は、栄養とカーボカウント、摂取する食物に応じてインスリンの投与量を調整する方法を学びました。
1番目の授業はShilpa Joshi氏が担当しました。そして、糖尿病をコントロールする上で、運動や体を動かすことが、どのような位置づけとなるのか、2番目の授業はRuby Sound氏が担当しました。この日の最後に、 “ガンドゥフィラ(Gandufiila)”というモルディブの伝統的な遊びを行いました。 

2日目(2014年12月19日)
 検診プログラムを受けるためにスルスドゥ島へ行き、45名が検診を受けました。
検診プログラム の内容は以下の通りです。

3日目(2014年12月20日)
 3日目はまず、ラジオ体操を行いました。この体操の授業はGlow Fit(エアロビクスのようなもの)のトレーナーであるMuaz氏が担当しました。インスリンポンプに関する授業はDhruvi Hasnani医師が担当しました。
この日の最後は、「思春期・青年期と糖尿病」と題し、Abdul Malik医師とNaila氏が担当しました。夜は、参加者それぞれが伝統文化の歌や踊りなどを披露しました。

4日目(2014年12月21日)
 フルフマレ島に行き、スポーツセンターの支援により様々なマリンスポーツ(ジェットスキー、バナナボート、カヌー、水上自転車、ジェットスキー)を楽しみました。この日の最後は、バンドス島リゾート&スパの観光をしました。

5日目(2014年12月22日)
 最終日は、糖尿病における心理社会的問題の授業を行い、Hameed氏(モルディブ共和国厚生省)が担当しました。この授業では、自尊心、自己責任、自制心、ストレス管理、疾患予防、コミュニケーション、意思決定、問題解決、批判的思考法、目標設定、記録管理、社会奉仕、指導力を発揮するための技術、チームワーク、および、動機付けを構築する方法を含むものでした。 最後は、閉会式が行われ、認定証が授与されました。余興もあり、このキャンプは盛大に幕を閉じました。

キャンプへの参加を証明する認定証が授与されました。

 参加した患者さんたちは、このキャンプでお互いの現在の状況や問題への取り組みについて、それらの課題の解決策を話し合い、解決するための機会を得ることができました。
専門家で経験豊富な進行役の人を通じて、日常生活で直面する重要な課題に止まらず、たとえ些細な問題と思えるようなことも、参加者の青少年たちに自覚できるようにしました。参加者たちは更に自信と自主性、そして糖尿病と共に生きるために必要な知識を得て、家路に着くこととなりました。

翻訳協力:渡邊岳様

【English】 DIABMALDIVES INTERNATIONAL YOUTH CAMP 2014 (“BE AWARE SHOW YOUR CARE”)

 ご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口

※通信欄へ「フィリピンの糖尿病患者さん支援」とお書き頂きますようお願い致します。

関連サイト
2005年スマトラ沖地震と津波
インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリア
国際糖尿病支援基金


2015年6月活動報告

寄付金収入(2件)4万円

インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)へベトナムの糖尿病サマーキャンプ支援のためのと活動資金20万1円(2045オーストラリアドル)を送金。
〔送金手数料10,500円〕

2015年5月活動報告

寄付金収入(1件)3万円


2015年4月活動報告

寄付金収入(2件)3万2,350円

上記金額には、以下が含まれています。
「糖尿病情報BOX&Net.」No.44ネットワークアンケート回答分寄付金(574件×50円=2万7,350円)。

2015年3月活動報告

寄付金収入(5件)20万円


2015年2月活動報告

寄付金収入(1件)5,000円

インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)へフィリピンの糖尿病サマーキャンプ支援のためのと活動資金20万13円(2099オーストラリアドル)を送金。
〔送金手数料6,500円〕
Dream Trust(インド)の1型糖尿病患者支援のためのスポンサー費8口(8人分)として28万7,832円(2400USドル)を送金。
〔送金手数料6,500円〕

2015年1月活動報告

寄付金収入(3件)3万3,800円

上記金額には、以下が含まれています。
「糖尿病情報BOX&Net.」No.43ネットワークアンケート回答分寄付金(516件×50円=2万5,800円)。

これまでに寄せられた寄付金

20,681,414円

これまでに実行した支援金

20,274,037円
2025年12月現在

お知らせ

2015年12月24日
2015年ドリームトラストからのレポート
2015年12月09日
エクアドルのガブリエラさん
2015年12月08日
2015年12月現状・収支報告
2015年12月08日
2015年12月活動報告