厚生労働省は、血糖測定のために採血を行おうとして耳たぶを穿刺し、針刺し事故が起こった事例を紹介し、「血液を介した感染のおそれがある」として、採血のための穿刺器具の安全使用について注意をよびかけている。
このほど医薬品医療機器総合機構から
公表された医療安全情報では、安全使用のために注意するポイントとして、耳たぶから採血するときは「耳たぶなどの組織が薄い部位で採血する場合には、穿刺部位の裏側を指で支えないこと」を挙げている。
報告された事例では、看護師が血糖測定のため患者の耳たぶを穿刺したところ、穿刺針が耳たぶを貫通し、耳たぶを支えていた看護師の指を穿刺した。
耳たぶからの安全な採血方法として、「(1)耳たぶの端をひっぱり支える」および「(2)耳たぶをV字型に折り曲げる」の2例をイラストで示し解説している。
さらに、「貫通のおそれがある場合には、各製品の添付文書を確認して耳たぶ以外の組織の厚い部位からの採血も検討しましょう」と説明している。
採血用穿刺器具は、「器具全体がディスポーザブルタイプのもの」「針の周辺部分がディスポーザブルタイプのもの」「針の周辺部分がディスポーザブルタイプでないもの」の3種類がある。
製品によっては、採血する部位が限定されている製品や耳たぶからの採血を禁止している製品もある。使用する穿刺器具の添付文書をよくみて確認することが重要だ。
医薬品医療機器情報提供ホームページ
糖尿病リソースガイド
血糖測定器や穿刺器具などの各社製品の添付文書をダウンロードできる。
[ Terahata ]