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2016年南米エクアドルでの支援活動について(2)(IFLレポート)

  「2016年南米エクアドルでの支援活動について(1)(IFLレポート)」については、こちらをご覧ください。



2016年南米エクアドルでの支援活動について(2)(IFLレポート)

Insulin for Life(IFL)オーストラリア
Neil Donelan
ニール・ドナラン氏


(左)ニール・ドナラン(IFL)
(右)アラセリー・バスルト・カルデロン(FUVIDA代表)



エクアドル保健省での会合
 8月5日、アラセリーさんと私はグアヤキルにて、エクアドル保健省のセザール・モンカヨ医師と会いました。モンカヨ医師は、各国からのインスリンなどの支援物資ついて、エクアドルへ到着した際に適用される法律が変更となったことを教えてくれました。私は、これまで支援物資が税関を通過するまでに長い時間がかかること、また関税などの費用がかかることへの懸念について話をしました。

グアヤキル市保健科のセサール・モンカヨ医師との会合

 モンカヨ医師によれば、IFLが支援物資を滞りなく、また関税を負担することなく送るには、以下の条件が必要とのことです。

  • 1.支援物資のリスト
  • 2.支援物資の製造業者名
  • 3.支援物資の使用期限
  • 4.支援物資の薬剤の使用期限が12か月を下回らないこと
  • 5.保健省へ提出するための支援物資リストの写し
  • 6.オーストラリアの公証弁護士の署名のあるIFLの公的な証明書
  • 7.IFLがエクアドルに支援物資を送付する以前に在オーストラリア・エクアドル大使館にて公正証書類に承認を得ること
  • 8.オーストラリア・ビクトリア州保健局がIFLの活動に許可を与えている免許番号が記された証書の写し
  • 9.IFLがエクアドルに送る、オーストラリアで提供された各インスリン製造業者のリスト、運営コードと番号

 モンカヨ医師は、これらのルールに沿ってあれば、物資は直ぐに税関を通ることができることを確約しました。私は、IFLが13年に渡って700,000ドル相当分の支援物資をエクアドルへ行っていることを述べたところ、エクアドルの官僚体質の問題を認めました。

 エクアドル政府の官僚的な対応に反感を抱いているのは、IFLだけではないのです。私は、米国アメリケアズ・グアヤキル支部のフェルナンド・ベンデックさんと会いました。彼は米国から支援された浄水器を受取るために、承認を得るまで3か月間もかかったそうで、保健省の対応には腹立たしかったと語っていました。

米国ニューヨークにあるアメリケアインターナショナルのフェルナンド・ベンデックさん。
外国の援助団体から被災地への援助物資について、エクアドル政府の承認を得ることが難しいことを話していました。3か月の努力の末、アメリケアインターナショナルは、被災者のため浄水器一式等を寄付することができました。



 震災後のエクアドルへの支援は、多くの外国政府やNGOの人道援助プログラムにとって大きな問題です。法律に従ってたとしても、保健省と税関が承認を与えるまで4週間から6週間かかります。税関で留め置かれている間に保存費用が発生し、税関に納めなければなりません。状況によってはこの費用は1,000ドルになり、エクアドルの人々の3か月分の賃金に相当します。承認期間が短縮されれば経費もかかりませんので、この対応が改善されなければ、IFLはエクアドルへの支援活動を撤退することも検討しなくてはなりません。

 アルゼンチン政府とルクセンブルグ政府は、被災者や糖尿病患者さんへの支援を申し出ましたが、手続きの時間と経費がかかるために取りやめてしまいました。

ベネズエラの糖尿病事情
隣国、ベネズエラでは日々経済が悪化している状況です。ベネズエラの糖尿病患者さんは自国でインスリンを入手することが困難なため、FUVIDAから購入することも検討しているようです。IFLからエクアドルへの支援は、ベネズエラの患者さんへの支援にもつながっています。
IFLでは以前、ベネズエラへの支援を試みましたが、政情が不安定なことと、FUVIDAのように信頼できる団体がみつからないことから、断念した経緯があります。

まとめ
エクアドルにおいて、糖尿病の問題は深刻化しています。
私の滞在中、1日で平均3人の糖尿病患者さんがFUVIDAへ援助を求めてきていました。糖尿病は避けることのできる死亡原因であるにもかかわらず、エクアドル全土レベルでの糖尿病教育プログラムが極端に不足しています。今後、多くの糖尿病患者を苦しめ続けることになり、このままでは糖尿病患者が治療に必要な何百、何千ドルという医療費を政府や地域が負担することになるでしょう。

謝辞
以下の方々に対し述べさせていただきます。
エリザベス・トリムブレ医師:
アイルランドから自費で参加し、金銭面や労力の面で大きく貢献してくださいました。
Alereオーストラリア・シドニー:
HbA1cを測定するための機械とテストチップを寄付してくださいました。
IFLオーストラリア・米国:
糖尿病支援の寄付をしてくださいました。
IFLオーストラリアを支援してくださった個人のスポンサーの皆様、世界各地の主なスポンサーの皆様

アラセリーさんの姪であるマリアナ・フェルナンダ・ロセロ医師の自宅での夕食。
グアヤキルにあるFUVIDAにて支援活動をしている医師や支援者たち

ニール・ドナラン
Insulin for life Australia & Global
Member of IDF Insulin Taskforce Committee

IFLの活動について、詳しくはウェブページでご確認ください。多くの途上国にて活動していることを紹介しています。
■Insulin for Life Groval(IFL)オーストラリア
http://www.insulinforlife.org/

【English】
Ecuador Reports 2016/Neil Donelan
http://www.dm-net.co.jp/idaf/ifl2016/ecuadorreport2016.pdf


●関連サイト
「2016年南米エクアドルでの支援活動について(1)(IFLレポート)」
2016年エクアドルで発生した地震について
Fundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(エクアドル)
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
国際糖尿病支援基金

 国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアを通じて、2008年よりFUVIDAの活動を支援しています。

 FUVIDAの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。

 御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。

振込口座(郵便局):
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口
※通信欄へ「IFL支援」とお書き頂きますようお願い致します。

2016年10月
国際糖尿病支援基金
  • これまでに寄せられた寄付金
    2,012万9,888円 
  • これまでに実行した支援金
    1,951万7,033円 

(2024年12月現在)

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