活動報告
2017年12月活動報告
寄付金収入(3件)146,000円2017年ドリームトラスト(インド)の活動報告(2)
インドで現地の糖尿病患者さんを支援しているドリームトラストより、近況を報告するレポート届きましたので、ご紹介します。
また、当基金では皆様からの ご支援をお待ちいたしております。 糖尿病患者のインティラさんについて
現在25歳のインディラさんは、2016年に1型糖尿病と診断され、両親と一緒に生活し
ています。
経済的な事情から、インスリン治療が十分に受けられないために、両眼に急性の白内障を発症し、失明状態となってしまいました。
そこで、ドリームトラスト代表のペンデセイ医師が、同じく糖尿病患者さんを支援する 国際糖尿病連合(IDF)のLife for Childとともにインディラさんを支援し、インスリンの強化療法を開始しました。彼女の血糖値が安定したため、白内障の手術(眼内レンズ埋め込み手術)を受けたところ、視力が完全に回復しました。
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視力が回復したインディラさんは、その後、ドリームトラストの就職支援プログラムにより、縫製の技術の訓練を受け技術を習得し、ミシンを与えられることとなりました。現在の彼女は、仕事を順調にこなし、自分の力でお金を稼ぐことで、家族の生活まで支えています。
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インドでは経済的な事情などにより、糖尿病の治療を受けることができず、悲惨な生涯を送る人たちがたくさんいます。
ドリームトラストでは、インドで一人でも多くの小児糖尿病患者さんの命を救うべく、支援活動を行っています。
国際糖尿病支援基金では、皆様からの ご支援をお待ちいたしております。
2017年 ドリームトラストの世界糖尿病デー
11月14日の世界糖尿病デーにおいて、ドリームトラストでは、主に小児糖尿病患者とその家族を対象とした糖 尿病教育プログラムが行われ、医療従事者とのディスカッションなどが行われました。
インド・ナグプールの教育の近代化に尽くしているNeeru夫人もこのイベントに参加し、彼女は参加者に対して、「糖尿病の子供たちが人生の目標を達成するために支障を抱くことはないのです。」と語りました。
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関連サイト
2017年ドリームトラスト(インド)の活動報告(1)
ドリームトラスト(インド)
国際糖尿病支援基金が支援するインドの糖尿病患者さん
国際糖尿病支援基金
ドリームトラストの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。
御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口
2017年11月活動報告
寄付金収入(3件)147,000円「糖尿病情報BOX&Net.」No.54ネットワークアンケート回答分寄付金(500件×50円=2万5,000円)。
2017年9月活動報告
寄付金収入(1件)30,000円2017年ドリームトラスト(インド)の活動報告(1)
インドで現地の糖尿病患者さんを支援しているドリームトラストより、近況を報告するレポート届きましたので、ご紹介します。
ドリームトラスト代表のシャラッド・ペンデセイ医師は、糖尿病の足病変に関する長年の研究業績が認められ、この度「National Diabetic Foot Excellence award」の最優秀賞を受賞しました。
ペンデセイ医師が「National Diabetic Foot Excellence award」最優秀賞を受賞しました。
ドリームトラスト代表のシャラッド・ペンデセイ医師は、インド国内にて約30年間にわたり「糖尿病の足病変の研究」を行っており、この領域においては、世界的にも有名な方です。
この度、インドのムンバイにおいて、糖尿病と足に関する国際学会が行われ、ペンデセイ医師は「National Diabetic Foot Excellence award」最優秀賞を受賞しました。
また、糖尿病の足の予防と管理に関する書籍「Diabetic foot: Practical guide on prevention and management of diabetic foot (糖尿病の足に関する実践ガイド)」の発売について、この場で発表されました。
インドは、日本のような入浴の習慣がなく、また浴室設備等の不足に加え、感染症が蔓延しやすい気候も関係しています。中には靴を履かずに生活する人もいるため、足に傷を負うことが多く、特に糖尿病患者さんの足病変が非常に多いと言われています。
インドと同じような条件を抱えているアフリカ諸国では、足病変の専門医たちは、先進国ではなくインドへ研修に行くケースが多いようです。ペンデセイ医師のお陰で、30年間で約1,000人以上の糖尿病の患者さんが足の切断を免れたそうです。
![]() National Diabetic Foot Excellence award受賞者(右から2番目がペンデセイ医師)。 |
この国際学会には、国内外から約300名が参加し、ペンデセイ医師の他にインド、イギリス、スペイン、オランダなど各国の足病変の研究を行っている大学教授が賞を受賞しました。
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リンク・シン氏がドリームトラストを訪問しました。
インド人で初めて、アメリカでプロ野球選手にとなったリンク・シン氏が、ドリームトラストを訪問しました。シン氏は、ハリウッド映画「ミリオンダラー・アーム」のモデルともなった人物です。
シン氏のスピーチに、多くの小児糖尿病患者さんとその両親達が勇気づけられました。
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海外の糖尿病患者さんが、ドリームトラストを訪問しました。
イギリス人のフォックスさん一家が、インド・ナグプールにあるドリームトラストを訪問しました。
息子のオリバー君は1型糖尿病患者です。
フォックスさん一家は、ロンドンでドリームトラストの糖尿病患者さんを支援する
Pendsey Trustにおいて、ボランティア活動を行っています。
その後、ナグプール市内にある「センターポイントホテル」にて、フォックスさん一家とドリームトラストの小児糖尿病患者やその両親達との交流会が行われました。今回の訪問で、オリバー君はさらにドリームトラストの活動を知ることが出来ようです。
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関連サイト
ドリームトラスト(インド)
国際糖尿病支援基金が支援するインドの糖尿病患者さん
国際糖尿病支援基金
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加入者名:国際糖尿病支援基金口
2017年7月活動報告
寄付金収入(5件)174,250円「糖尿病情報BOX&Net.」No.53ネットワークアンケート回答分寄付金(525件×50円=2万6,250円)。
FUVIDA(エクアドル)へ活動資金として1000USドル(113,050円)を送金。
2017年フィリピンの糖尿病検査プログラム、糖尿病キャンプレポート(IFLレポート)
オーストラリアで途上国の糖尿病患者さんを支援するインスリン・フォー・ライフ(IFL)では、毎年5月にフィリピン国内で行われる「糖尿病検査プログラム」や「サマーキャンプ」に参加し、現地の糖尿病患者さんへの支援活動を行っています。
今年も2017年5月6日から14日にかけて、フィリピン各地で様々な催しが行われました。そのレポートがスタッフのニール・ドナラン氏より届きましたので、ご紹介します。
国際糖尿病支援基金はこの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)を支援しています。

Insulin for Life(IFL)オーストラリア
Neil Donelan
ニール・ドナラン氏
2017年5月6日:ディポログ市での糖尿病検査プログラム
フィリピン・ディポログ市内にあるコラソン・アキノ病院において、今年もセブ市の糖尿病患者支援団体「スィートアラート」(代表:アーミ・ガルシア 氏)主催の「糖尿病検査プログラム」が行われました。このイベントでは、ボランティアの糖尿病専門医やエデュケーターが検査を施し、糖尿病と診断された患者さんへは糖尿病療養に関する指導教育を行っています。
今回は、青年期の若者と高齢者など175名の方が検査を受けました。この方々は糖尿病が疑われるものの正しい診断を受けていない状態でしたが、ボランティアスタッフのミリアン・デノポル医師夫妻が専門家の立場から、検査を受けた全員を糖尿病と診断しました。 その後で、患者さんたちにインスリンが支給され、糖尿病エデュケーターであるシェア・パニラガオさんが治療についてアドバイスをしました。この「血糖測定プログラム」は朝8時に始まり夕方4時に終了しました。
また、我々はダピタン・メディカルクリニックを訪問し、35名の糖尿病患者さんの検査や治療を行い、糖尿病に関するアドバイスをしました。 IFLは、インスリン、グルコメーターやテストチップを患者さんへ提供し、未使用のものは医療施設へ寄付しました。
2017年5月8日:バコロド市での糖尿病検査プログラム
2日後、我々はバコロド市へ移動し、市内にある「バコロド・アドヴァンティスト・メディカルクリニック」を訪れました。この病院でも「糖尿病検査プログラム」を開催し、50名の糖尿病患者に無料で血糖測定をし、地元の医療従事者による糖尿病に関する療養指導も行われました。この地域ではインスリンが全く流通していない状況であったため、2017年3月より、IFLではバコロド市へインスリンを寄付しています。
我々は、カトリックの尼僧が運営する子供のための収容施設を訪問し、大人と子供合計50名へ検査をしましたが、血糖値が高い人は誰もいませんでした。その後、他の孤児院を訪問し、29名の子供たちに石鹸、シャンプー、歯磨き粉、オムツ、その他消耗品を提供したところ、子供たちが歌でもてなしてくれました。
2017年5月10日―12日:セブ市での糖尿病キャンプ
今年のセブ市での糖尿病キャンプは、「クラウン・レガシー・スィーツ・マクタン」にて開催されました。主催者は、スィート・アラート、ヴィンセント・ソットー病院、ロシェ、アボット、イーライリリー、セブ市の保健部、IFLグローバルです。
6才から24才までの15名の1型糖尿病患者がキャンプに参加し、ヴィンセント・ソットー病院のミリアン・デノポル医師を中心とした3名の医師を含め、糖尿病エデュケーター、看護師、栄養士、ボランティアといった医療スタッフ16名の他、ジェームズ・チン医師を始めとする多くのゲストスピーカーが参加し、患者さんや医療従事者を対象に講演会が行われました。
このキャンプでは、セブ市やマニラ市から参加したボランティアの方々も多大な貢献をしてくださいました。
参加者のために、健康や栄養に重点を置き、子供たちは24時間いつでも血糖値を測定し、インスリン注射をし、医師や糖尿病エデュケーターによる「異なるタイプのインスリン使用」についてデモンストレーションも行われました。
我々は、「アレレ・オーストラリア」から寄付を受けた、HbA1cの測定器と70回分のテストキットを持ち込み、IFLスタッフで医療従事者であるレナ・ハンドリノスによって、全ての子供たちの検査が行われました。全体としてのHbA1cの平均値は10.3%と高値でした。他にIFLチームメンバーとして参加したのは、ケリー・グードレットさんとメドトロニック・オーストラリアのマリナ・スペンスさんで、彼らは図画工作に関わるグッズを子供たちに提供しました。
台湾糖尿病エデュケーター協会から、クリスティン・スーさんとクアン・イー・リンさんが参加し、低血糖や合併症について、またストレスに対処する方法などを含めた糖尿病教育指導を行いました。
IFLでは、キャンプで必要な全てのインスリンと、その他の糖尿病治療に必要な物資の一部を寄付しました。
2017年5月13日:ドゥマグエテ市糖尿病検査デーと公開フォーラム
ネグロス・オリエンタル病院が主催する、「ドゥマングエテ市検査デーと公開フォーラム」がセントポール大学にて開催されました。
クリスティンさん、クワン・イーさん、メリー・ハリスさん、レナさんと私は、準備のため5月12日に空路でドゥマグエテへ入りました。
約200名の糖尿病患者がプログラムに参加しました。プログラムは朝7時から夕方5時まで行われ、全参加者に無料で血糖測定を行いなした。このうち、糖尿病患者50名の血糖値が高かったため、レナさんがHbA1cの検査を行いました。
この日、ドゥマングエテ市の気温は非常に高温であったため、正確な数値結果が得られると推奨される温度「32度」に保つためにHbA1c測定器を氷で包装しました。
ドゥマグエテ副市長もこのプログラムに参加していました。
医師、栄養士たちが参加者に対し、患者さんに対して糖尿病に関して異なる視点で講演をしました。予定されていた講義が終わると、患者さんたちは医師たちと質疑応答の時間が設けられ、患者さんからの質問の中に、「それぞれ異なるインスリンが患者へ与える影響とインスリンを変更する危険について」というものがありました。IFLも糖尿病治療に必要な薬剤や機材の面で協力しました。
2017年5月14日: セブ市、ラプラプ市病院マクタン
この日、我々はドゥマグエテからセブ市に戻りました。レナさん、クリスティンさん、クァンさんと私は、セブで最も貧しい病院である「ラプラプ市病院」を訪問しました。病院内には、血糖測定器もテストチップもインスリンもありませんでした。
私はセブの糖尿病キャンプで出会った、糖尿病エデュケーターのメイエット・ナアノスさんとジュリー・メイ・バラゴットさんへ「病内にいる患者さんたちに検査をして欲しいか。」と尋ねたところ、「イエス」と答えました。
我々は38名の赤ちゃん、子供、大人、またお見舞いに来ていた家族へ糖尿病検査の希望を募ったところ、全員が検査に同意する書類に署名しました。病気の夫を見舞いに来た43歳の女性を測定したところ、血糖値は25mmol(450mg/dl)を示したため、すぐに医師の処方により、我々が持って来ていたノボラピッドを注射しました。
病院には糖尿病患者さんへの治療資材がないため、我々はインスリン、血糖測定器とテストチップをラプラプ病院へ寄付しました。
不運なことに、我々が訪問した翌日、2名の患者さんが糖尿病からくる合併症のため他界してしまいました。この亡くなった患者さんは50代前半でした。
5月26日に67歳の女性が孫に連れられて同病院にやってきました。この女性が糖尿病エデュケーターに「目眩がする」と訴え、血液検査を受けたところ、血糖値が30.4mmol(550ml/dl)もありました。女性は救急救命室に運ばれ、我々が病院に寄付をしたノボラピッドが直ぐに注射されました。
我々が支援した物資により、多くの糖尿病患者さんの命が救われているのです。
スィートアラートの女性たちへの感謝
私は、セブ市の経済的に恵まれない糖尿病患者の子供たちの幸せ、またケアのために多くの時間、お金、人生を捧げている4人のスィートアラートの女性たちジョセリンさん、アンさん、ヴェラさん、癌で数か月前に他界した方、そして18ヵ月前に心臓発作で他界されたチェリーさんに感謝を申し上げます。
まとめ
フィリピンには1億人が住み、人口の20%にあたる2,000万人が糖尿病を患っています。それ以上に検査を受けたことのない人が沢山いると推定されています。フィリピンは、糖尿病危機に直面しているのです。
我々は滞在中、500名に血糖測定を実施し、このうち70人名にはアレレ社の測定器でHbA1cを実施しました。完全な結果は近日中に得られることでしょう。
フィリピンでのIFLプログラムは毎年拡大しており、糖尿病に苦しむ人々への多くの助けが必要です。そのことは、大きな問題でありながらも、徐々に道は作られており、命が助かっているのです。
IFLの活動について、詳しくはウェブページでご確認ください。多くの途上国にて活動していることを紹介しています。
■Insulin for Life Groval(IFL)オーストラリア
http://www.insulinforlife.org/
謝辞
アーミ・ガルシアさん及びアーミさん率いるスィートアラートのボランティア・チームの皆さん 、ミリアン・デノポル医師、クラリタ・カディズ医師、シエラ・アラタンさん及びシエラさんのボランティア・チーム皆さんへ感謝いたします。
IFLオーストラリア&グローバルチームである、レナ・ハンドリノスさんとメリー・チャティ・ハリスさんには、ボランティアとして時間とエネルギーを注いでいただき、またフィリピンまでの旅費を自己負担していただきました。検査プログラムを開催した各地へ、支援物資を個人の荷物として運んでいただきました。
地元のボランティアの皆様、海外から参加していただいたボランティアの皆様にフィリピンや、そのほかの国々の糖尿病患者を支え、命を救うことに時間、お金、エネルギーを費やしていただいています。
メドトロニック・オーストラリアからケリー・グッドレットさんとマリナ・スペンスさんにご参加いただき、糖尿病教育の支援と子供たちのための楽しい活動を企画していただきました。
台湾糖尿病エデュケーター協会からクリスチン・スーさんとクアン・イーリンさんが参加して、セブのキャンプで検査と教育活動、ドゥマグエテとラプラプ市病院の検査プログラムを支援していただきました。
アレレ・オーストラリアには、HbA1c測定器とテストキットをご提供いただきました。
その他、日本の国際糖尿病支援基金を始めとする支援団体、または個人など貢献してくださっている方々に心より感謝申し上げます。
インスリン・フォー・ライフ・オーストラリア&グローバル
国際糖尿病連合インスリン特別対策委員会会員
ニール・ドナラン
【English】
Philippines Testing programs & Camp Report May 2017
https://dm-net.co.jp/idafj/ifl2017/english.pdf
2016年フィリピンの糖尿病事情(IFLレポート)
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
国際糖尿病支援基金
国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアの活動を支援しています。
IFLの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。
御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。
口座番号:00160−3−82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口
2017年6月活動報告
寄付金収入(6件)159,000円2017年5月活動報告
南米エクアドルの糖尿病患者 ヴァレリアちゃんについて(FUVIDAレポート)
今回はエクアドル共和国のローサとアルベルトの子供達のケースをみなさんに報告したいと思います。
ローサとアルベルトの間には5人の子供がいますが、そのうちの2人、ヴァレリアとロベルトは1型糖尿病を患っています。当初、ローサとアルベルトは、ある支援団体からの支援を得ながら5人の子供たちを育てていました。
しかし、ある日ローサは家を出て、他の男性との間に子供を作ってしまったのです。ローサの関心はすべてその新しい子供に注がれてしまいました。
残されたアルベルトは、5人の子供たちの面倒を自分の両親に任せて、他の国へ出稼ぎに行く決心をしてしまいます。
さらには、アルベルトの両親のもとから、5人のうちの2人の女の子がローサと一緒に住むことを決めてしまいました。その2人の女の子のうちの1人が、1型糖尿病を患っているヴァレリアでした。
そのようにして時が過ぎ、アルベルトがエクアドルに帰国しました。そして、ヴァレリアの身体の異変に気づいたのです。ヴァレリアは痩せ細り、他の病気も併発している兆候も見られました。
アルベルトは、ヴァレリアを私たちFUVIDAのもとに連れてきました。私たちは、すぐにヴァレリアの血糖値を測定しましたが、なんとHbA1cは14.5%もあったのです。
血糖値は、ヴァレリアが持っていた血糖自己測定ノートに記入されている数値をはるかに超える、600mg/dl以上という結果でした。
そこで私たちはヴァレリアに、なぜ、血糖測定器が示した、正しい血糖値をノートに記入しなかったのかと尋ねました。すると、ヴァレリアは泣き出し、黙り込んでしまいました。
親の勝手な行動や病気への関心の少なさが、どれだけ糖尿病の子供達の状況を悲惨なものにしているかということがわかります。糖尿病の子供達には専門的な治療や心理的なケア、そして何より家族の支援が必要なのです。
私たちは、ヴァレリアの状態を正確に伝えるために彼女の母親、ローサに連絡を取りました。そこで私たちは驚愕の事実を知ったのです。母親であるローサは、ヴァレリアは注射が嫌いなので、インスリン注射を強要することも出来ず、それどころか、血糖コントロールを無視してパンや炭酸飲料を過剰に摂取することを黙認していたのです。
そのような状況が3年もの間続いた結果、ヴァレリアは弱々しく痩せ細り、危険な状態に陥ってしまったのです。
ヴァレリアの兄妹で、同じく1型糖尿病のロベルトは、現在、糖尿病による中毒症状の改善のためリハビリセンターに入院し、治療を続けています。
このケースは極めて悲惨なものです。糖尿病の子供を持つ親が適切な行動を取らず、それにより子供の命が危険に晒されることは立派な犯罪行為であると私たちは認識しています。したがって、私たちFUVIDAは、糖尿病の子供達やその家族を支援する団体として、今後1ヶ月の猶予を与え、ローサとアルベルトが責任を持ってこの状況を変えないのであれば、各関係当局にこの件を報告することを考えています。
エクアドルには、「DINAPEN」という警察当局が運営する組織があります。DINAPENは、危険な状況に置かれている子供達を保護し、指導する組織です。
ヴァレリアは現在、彼女の父親であるアルベルトとともに暮らし、自分に合ったインスリン量や血糖コントロールを考えた健康的な食事療法などの糖尿病教育をしっかりと受けています。そしてなによりも、ヴァレリアが最も必要としていた家族の支援と愛情を受けていることが重要なことです。
糖尿病の子供を持つ親たちの多くは、その子供の支援に全力を注ぎますが、今回のようなケースも後を絶ちません。 私たちは今後も引き続きヴァレリアとロベルトの状況を見守っていきたいと思います。なぜなら、FUVIDAは糖尿病の子供を持つ家族への糖尿病教育などの支援を目標に掲げているからです。
翻訳協力者
鈴木 有 様
国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアを通じて、2008年よりFUVIDAの活動を支援しています。
FUVIDAの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。
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振込口座(郵便局):
口座番号:00160?3?82542
加入者名:国際糖尿病支援基金口
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関連記事
エクアドルの糖尿病キャンプ「Fundación Aprendiendo a Vivir con Diabetes FUVIDA)」発足と経緯
国際糖尿病支援基金
2017年4月活動報告
寄付金収入(1件)23,400円「糖尿病情報BOX&Net.」No.52ネットワークアンケート回答分寄付金(468件×50円=2万3,400円)。
エクアドルのガラパゴス諸島・サンクリストバル島で唯一の1型糖尿病の少女を支援して(FUVIDAレポート)
南米エクアドルで糖尿病患者さんを支援する Fundacion aprendido Vivir con Diabetes(FUVIDA)より、ガラパゴス諸島・サンクリストバル島に住む1型糖尿病患者さんのレポートが届きましたので、ご紹介します。
国際糖尿病支援基金はFUVIDAの活動に賛同し、インスリン・フォー・ライフ(IFL)を通じて支援しています。

FUVIDA(Fundacion aprendido Vivir con Diabetes)エクアドル
Aracely Basurto Calderon
アラセリー・バスルト・カルデロン氏
ある日、FUVIDAのフェイスブックを通して、ダルレニスさんという名の少女が私たちに支援を求めるメッセージを送ってきました。ダルレニスさんはガラパゴス諸島のサンクリストバル島で、たった1人の1型糖尿病の患者さんです。
ガラパゴス諸島は、東太平洋上の赤道下にあるエクアドル領の島々で、ユネスコ世界自然遺産にも登録されています。主には火山灰や礫に覆われており、草木もなく海鳥やヨウガントカゲのような小型生物しかいない島もあれば、ゾウガメ、イグアナ、アシカが沢山住んでいる島もあります。
殆どの島は独自の生態系を守るため人の出入りが厳しく管理されていますが、一部は人々が生活できる島もあります。
私はメッセージを受け取ったあとすぐに、ダルレニスさんとその家族を訪問するための資金調達に努めました。
ダルレニスさんの生活は、エクアドルの他の小児1型糖尿病の患者さんと変わりはありません。
ダルレニスさんは、ガラパゴス諸島にあるサンクリストバル島に住んでいます。島内にある保健所で診療を受けていますが、そこには糖尿病の専門医がいないため、年に一度、専門医の診察を受けるために、エクアドルのグアヤキル市に行かなければなりません。しかし、ガラパゴス諸島からの旅費はダルレニスさん一家にとって大きな経済的負担です。
ダルレニスさんは血糖測定器を持っていないため、毎日朝・昼・晩と家から4ブロック離れたところにある保健所に血糖値を測りに行く必要があります。島の保健所なので、いつでもスムーズに看護師の対応を受けることはできません。しかし、そこの看護師たちは皆親切に診療してくれるとダルレニスさんは言います。
毎朝学校へ行く前に保健所で血糖値を測定した後に一度家に戻り、専門医に処方された速効型インスリン0.12ml/dlの注射を打った後に学校へ行きます。彼女の朝ご飯は、糖尿病と診断されてからの4年間、毎朝リンゴか洋梨です。何故なら、島には手頃な値段で売られている果物が限られているからです。
学校が終わるとすぐに保健所へ行き血糖値を測ります。その後にまた家に帰り、昼食の前に0.14ml/dlのインスリンを注射します。
午後は友達と遊んだり、学校の宿題をして過ごします。そして、夕食の前にもう一度保健所へ行き、血糖測定と0.16ml/dlのインスリン注射をします。このように、毎日、家と保健所を3回往復し、インスリン注射を毎日続けています。
サンクリストバル島には糖尿病の専門医がいないため、ダルレニスさんがインスリンの量を調整するようなことはとても危険な行為です。そのため、専門医に指導されたインスリンの量は必ず守る必要があるのです。
ダルレニスさんは、こんな出来事も話してくれました。
ある日のことです。ダルレニスさんは身体の異常とともに目が覚めました。ダルレニスさんのお父さんはすぐに彼女を保健所に連れて行きましたが、そのとき保健所には血糖値を測る機器が無いと言われてしまったのです。
お父さんはどうすることもできず、ダルレニスさんを連れて家に帰りました。ジュースを飲ませ、ダルレニスさんの状態が落ち着くのを待ちましたが、血糖値を測れないという不安から、意を決して別の島まで行くことにしました。
2時間船に揺られ、ようやくガラパゴス諸島のサンタクルス島に着くと、すぐにその島にある保健所に向かいました。しかし、ここでもまた予期せぬことが待っていました。 血糖測定には予約が必要で、予約がないと対応ができないと言われてしまったのです。ダルレニスさんのお父さんは、彼女がどのような状態で目が覚めたか、どんな思いで船に乗りサンタクルス島まで来たのか、すがるように訴え続けました。その結果、ようやく診察を受けることができたのです。
この出来事は、ダルレニスさんにとって数多い辛い経験のほんの一つに過ぎません。私は今回、ダルレニスさんやその家族と共に時間を共有できたことは、とても貴重な経験となりました。
私は、ダルレニスさんと一緒に島のスーパーマーケットへ行き、食品の炭水化物量や糖質量の表示の見方を教えました。それにより、ダルレニスさんはどの食品を消費すれば良いかがわかるのです。
正しい血糖値コントロールの方法を知れば、それまで禁止されていた食品ですら食べることができるようになるのです。
そして何よりも重要なことは、今回、ダルレニスさんに血糖測定器を与えることができたことです。これは全ての1型糖尿病の子供たちが持つべきものだからです。
「Life for a Children」と「Insulin for Lifeオーストラリア」の支援団体が、ダルレニスさんへ糖尿病療養に必要な血糖測定器や薬剤等を支援してくれました。
「Life for a Children」と「Insulin for Lifeオーストラリア」からの支援物資
糖尿病とともに生きるということは、専門的な知識や薬剤、血糖値を考えたバランスの良い食事が必要不可欠です。一つでも正しい知識を欠くことにより、本人や家族は問題を抱え、絶望に陥ってしまいます。
ダルレニスさんのような経験をしている糖尿病の子供達は他にもたくさんいます。現在のエクアドルは十分な医療体制を持っておらず、糖尿病の子供達の命は儚く、生き長らえる可能性は少ない悲惨な状況が続いているのです。
翻訳協力者:鈴木有様
【Spanish】
FUVIDA en Galápagos, apoyando a la única joven con diabetes tipo1 de la Isla.
http://www.fuvida.org.ec/2017/02/14/998/
Aracely Basurt Calderon (FUVIDA)
●関連サイト
Fundacion Vivir con Diabetes(FUVIDA)(エクアドル)
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)
国際糖尿病支援基金
国際糖尿病支援基金は、インスリン・フォー・ライフ(IFL)オーストラリアを通じて、2008年よりFUVIDAの活動を支援しています。
FUVIDAの活動にご賛同いただき、御参加いただける方は、下記口座(郵便局)までお振込み頂きますようお願い申し上げます。
御協力頂きました方は、支援者としてこのホームページ上の「支援者名」のコーナーでお名前を発表させて頂きますが、本名での発表をご希望でない方は、振替用紙(郵便局)の通信欄にご希望のお名前をご記入ください。
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2017年3月活動報告
寄付金収入(3件)196,000円2017年2月活動報告
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