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2026年11月05日

11月14日は世界糖尿病デー 「早期の行動」で適切な治療につなげよう

 11月14日は「世界糖尿病デー(World Diabetes Day)」。国際糖尿病連合(IDF)が掲げる本年度のテーマは「Early action on diabetes(糖尿病に対する早期の行動)」1)だ。糖尿病に早く気づき、治療につなげることや、発症リスクを減らす取り組みに焦点をあてる。
 糖尿病の治療を続けている人にとっても、病気の悪化を防ぐための「早めの行動」は大切である。この日をきっかけに日々の療養を振り返り、気がかりなことがあれば医師や医療スタッフにすぐに相談しよう。

「世界糖尿病デー」とは

 世界糖尿病デーは、糖尿病の予防や治療を続けることの大切さを広く伝えるための啓発活動である。1991年にIDFとWHOが制定し、2006年に国連により公式に認定された。11月14日は、インスリンの発見に貢献したフレデリック・バンティング博士の誕生日に由来する2)。
 シンボルマークは、青い輪をかたどった「ブルーサークル」。青は国連や空を、輪は団結を表しており、日本でも例年、この日を中心に建造物のブルーライトアップや、糖尿病について学ぶ催しなどが行われている3)。

糖尿病のある人の約4割が、自分が糖尿病であることに気づいていない

 2026~2027年のテーマは、「Early action on diabetes(糖尿病に対する早期の行動)」。本テーマが掲げられている背景には、"糖尿病があっても気づいていない人の多さ"への懸念がある。

 IDFが2025年に公表した「糖尿病アトラス」第11版によると、2024年の世界の糖尿病人口は、20~79歳の成人で推定約5億8,900万人。このうち約4割にあたる2億5,200万人が糖尿病と診断されておらず、本人が糖尿病であることを認識していないとみられている4)。

 2型糖尿病は、はっきりした自覚症状がないまま進むことがあり、腎臓や目、神経などの合併症をきっかけに見つかる場合もある。「体調が悪くないから大丈夫」と考えている間に、治療を始める機会を逃してしまいかねない5)。

 そのため、症状がなくても健診を受け、その結果を医療や保健指導につなげることが重要だ。血糖値などの異常を指摘されたときは、結果をそのままにせず、必要な受診や生活の見直しについて医師や保健師などに相談することが、早期の行動の一歩となる6)。

世界糖尿病デーの公式ポスター。「糖尿病に対する早期の行動は、一度の検査から始まる」と呼びかけ、世界には2型糖尿病の発症リスクが高い人が6億人以上おり、自分のリスクを知ることが発症を防いだり、遅らせたりするための行動につながると伝えている。

1型糖尿病のサインも見逃さない

 糖尿病には、主に「1型糖尿病」と「2型糖尿病」がある。世界の糖尿病の9割以上を占める2型は、自覚症状がないまま進行することがある。一方、1型は血糖値を下げるホルモン「インスリン」をつくる膵臓の細胞が壊れてインスリンが不足する病気で、短期間で症状が現れることが多い。

 1型糖尿病は、小児期や思春期に発症しやすいとされているが、世界では新たに1型糖尿病と診断される人の半数以上が20歳以上の成人と推計されており、実際には何歳でも発症する可能性がある。また、成人では2型糖尿病と間違われることも頻繁にあり、1型の診断が遅れると命にかかわるおそれがある。そのため、IDFは1型糖尿病の症状を早く知ることの重要性を呼びかけている4)7)8)。

 注意したいのは、「尿の回数が増える」「強くのどが渇く」「いつもより疲れやすい」「体重が減る」という4つのサインだ。これらは2型糖尿病にもみられる症状だが、1型では急速に重症化する場合もある。自分や家族に上記のような変化がみられた場合は、次の健診まで待たず、速やかに医療機関を受診することが重要だ7)8)。

受診を中断せず、周囲は支援を続けることが大切

 早期発見の意義を生かすには、診断後に適切な治療を受け続けることが欠かせない。IDFも、早く見つけるだけでなく、その後の治療や管理を提供できる医療体制の必要性を強調している5)。

 すでに糖尿病の治療を受けている人にとっては、通院や日々の療養で困っていることを早めに相談することが重要になる。仕事や子育てで通院時間を確保できない、治療の負担が大きいなど、受診を続けにくくなる理由はさまざまである。症状がないことを「治った」と受け止め、受診を中断してしまう場合もある。

 家族や周囲の人は、検査の数値だけで本人の努力を判断せず、どのような手助けが必要かを一緒に考えたい。食事の準備を助ける、本人が望めば受診に付き添うなど、個々の生活に合った支援を続けることが、治療を支える力となる9)。

早期に行動できる環境を社会全体でつくる

 糖尿病に対する早期の行動は、本人の心がけだけで実現できるものではない。早期発見や発症リスクの低減を進めるには、社会や医療体制の環境整備も欠かせない。

 IDFは、2型糖尿病の発症リスクを減らすためには、栄養のある食事を手に入れられること、安全に体を動かせる場所があること、身近な場所で質の高い医療を受けられることが重要だとしている。また、糖尿病に対する偏見をなくし、糖尿病のある人や発症リスクの高い人を社会全体で理解し、支えることも呼びかけている5)。

 日本では、2026年も全国各地でブルーライトアップや講演会、健康相談などが予定されており、世界糖尿病デーの国内公式サイトで開催情報が公開されている3)。

 世界糖尿病デーを、自分の健診結果を確認したり、日々の療養生活を振り返ったりするとともに、身近な人の糖尿病についても理解を深める機会にしよう。

■参考

[ 糖尿病ネットワーク編集部 ]
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