活動報告

カンボジア

■ 2008年12月現在
カンボジアにも、インスリン療法を必要としながらインスリンを入手できず、成人する前に亡くなってしまう1型糖尿病患者さんがいます。「インスリン・フォー・ライフ」はそうした1型糖尿病患者さんを支援する活動を計画しています。
私たち「インスリン・フォー・ライフ」(IFL: Insulin for Life)はオーストラリアを中心に途上国の糖尿病患者を支援する国際的な活動を展開しています。現在、私たちが支援する患者さんは世界で3500人にのぼります。使用されるインスリンは、先進国では廃棄されていたはずのものです。


IFLから送られたインスリンを手に
(中央)薬剤師のSok Yさん
(左)ロン・ラーブ(Ron Raab)さん
カンボジアでも糖尿病患者への支援活動を続けています。10月にロンドンで開催された国際糖尿病連合(IDF: International Diabetes Federation)の会合に向かう途中で、カンボジアを訪れたときのことです。IDFの会議では途上国の糖尿病の子供に継続して糖尿病の治療を行う方策について話し合いました。

何人かの糖尿病患者や医師に会い、糖尿病の治療のために私たちが支援したインスリンや医療資材が、薬剤師のもとに届いているのを見届けました。


送られたインスリンを手に持って
(右)Sarunさん (中央)Khun先生
(左)ロン・ラーブ(Ron Raab)さん
カンボジアを訪れた約10年間に、生存のためにインスリンを必要とする1型糖尿病患者さんを何人も見てきました。多くは貧しい患者さんです。Ol Sarunさんは26歳で、結婚して2歳の子供がいます。Sarunさんは2007年にひどく喉が渇き、体重が減少するという症状により、糖尿病と診断されました。Sarunさんと家族はとても貧しく、首都プノンペンから26km離れた土地に住んでいます。

Touch Khun先生は、Sarunさんにはインスリン療法が必要と判断し、苦心してインスリンを入手し治療を開始しました。その結果、Sarunさんは生き続けることができます。Khun先生は「Sarunさんは支援がなければ生きていけない、そうなると2歳の息子は父親を失うことになる」と言います。

私は支援先を訪れるときは、インスリンの配分という仕事を目的としており、多くのインスリンを持ち運ぶためではありません。しかしそうしたときは、常に余分なインスリンを持ち歩いています。IFLが糖尿病患者のためのプログラムを追加計画できるようになるまで、経過措置として出会った貧しい1型糖尿病患者さんに渡すのです。

19歳のBun Limさん インスリン療法が必要です。しかしインスリンを持続的に
利用するのは困難です。
(右)Khun先生 (中央)Bun Limさん (左)ロン・ラーブ(Ron Raab)さん

Bun Limさんは19歳の若い女性です。1型糖尿病の発症という衝撃は、彼女にとって手に負えないほど多大なものでした。上の写真のLimさんを表情から、そのことを感じとっていただけるでしょうか。私は彼女にインスリンを供給するプログラムを立ち上げるために、できる限りのことをやると主治医であるKhun先生に約束し、いくらかの金銭を寄付するのが精一杯でした。

地方のクリニックでもう一人の患者さんに出会いました。この方は29歳の女性で1型糖尿病と診断されました。若年発症成人型糖尿病(Mody)ではないかと思うのですが、とても痩せており、インスリン療法を数ヵ月間できない状況にあるとみられます。

彼女は、都市にある糖尿病クリニックに行くために、交通費の一部分としてスカンジナビアの方々から寄付された50USドルを使いましたが、それはもうありません。私はふたたび経過措置として自分の持っているインスリンを使うことにしました。彼女に中間型インスリンのバイアル10個を与えたのです。私たちがただちにインスリンは供給することができれば、これらの人々の役にたつと、再び希望をもちました。


もう一枚の写真は、カンボジアでNGO活動を展開する組織「MoPoTsyoの忍耐強いインフォメーションセンター」で撮影したものです。この中の幼い子供は、支援を得られなければ死んでいたでしょう。


16歳のDuch Sei Ynounさんは支援を得て生き続けることができる

 IFLは、国際糖尿病連合(IDF)、欧州糖尿病学会(EASD)、米国糖尿病学会(ADA)の年次集会などでも積極的に広報活動を行っています。IFLの活動に対する認知と協力を、各国政府にも呼びかけています。
 IFLの活動についてもっと詳しく知りになりたいときは、ホームページをご覧ください(IFLホームページ: www.insulinforlife.org)。

2008年12月

Dream Trust(インド)の1型糖尿病患者支援のためのスポンサー費4口(4人分)として、10万9,200円(1200USドル)を送金。

寄付金収入(2件)4万6,000円

2008年10月

■ 2008年10月
Dream Trust(インド)の1型糖尿病患者支援のためのスポンサー費5口(5人分)として、16万1,295円(1500USドル)を送金。

寄付金収入(2件)7万2,000円

2008年9月

■ 2008年9月
寄付金収入(2件)7万2,000円

IFLニール・ドナランさんの来日講演

 国際糖尿病支援基金が支援しているオーストラリアの「インスリン・フォー・ライフ(IFL)」のスタッフ、ニール・ドナランさんが来日しました。

 ニールさんは滞在中に、糖尿病患者さんを中心に旅行や国際交流などの活動をしているグループ「エンジョイ(EJ)ツアークラブ」が6月28日に開催した「14周年記念パーティー」で講演を行いました。  ニールさんはIFLの活動と、途上国や災害に遭った1型糖尿病患者さんを支援する活動について話しました。そのときの講演からご紹介します。
「糖尿病ケアへの取組は困難が伴いますが、すばらしい成果を得られます。その成果とは、命そのものです。」 (E. P. ジョスリン 1928年)
“The effort of diabetes care is great, but the reward is also great, for the prize is life itself” E. P. Joslin 1928
 途上国には、インスリンが不足していたり、十分な糖尿病の治療を受けられないために、早くに亡くなったり、血糖コントロールが難しいために早い段階で深刻な合併症に苦しむ患者さんがたくさんいます。IFlはそうした糖尿病患者さんを支援するために、国際的な活動を行っています。

 また、地震や台風など自然災害に遭った国や地域の糖尿病患者さんのために、糖尿病ケアに必要な薬剤や医療資材を緊急に支援する活動を行っています。

 1986年の設立以来、世界各地の団体とパートナーシップを結び、糖尿病患者さんを支援する活動を展開しています。日本の国際糖尿病支援基金からもご支援をいただいています。

左はIFLによって支援される1糖尿病患者さんたち。
右上はIFLのボードメンバー
右下はIFLを支援している団体。英国糖尿病協会、インスリンフォーライフ アメリカ支部、インスリンツムレーベン ドイツ支部、インスリンツムレーベン オーストリア支部など。
主要な寄付団体として、日本の国際糖尿病支援基金やDMハンズの会、ニュージーランド糖尿病協会など。

 IFLはこの1年にインスリン約250リットル(2500-3000万単位)、血糖試験紙約40万枚、注射器約152万本、その他にも血糖測定器などの医療資材を支援しました。これらを金額に換算すると$120万米ドル(約1億3000万円)相当になります。

 活動を開始したのは1986年です。これまで支援してきたインスリンは、全体で約1482リットル、血糖試験紙は58万枚に上ります。換算するとIFLの支援はおよそ411万米ドル(約4億5000万円)に相当します。

 これまでにアフリカ、欧州、西太平洋、南東アジア、中央アメリカ、南アメリカ、カリブ、北アメリカなどの地域で支援活動を展開し、支援した国はボリビア、ウズベキスタン、ルワンダ、イスラエル、コンゴ共和国、カンボジア、エクアドル、ジンバブエ、モルディブ、フィリピンなど、世界70ヵ国に及びます。

 IFLは自然災害などで被災した糖尿病患者さんのための緊急の支援活動も行ってきました。2005年に米国南部を襲ったハリケーン・カトリーナ、2005年のスマトラ沖大地震と津波被害のときにも国際的に呼びかけ、いち早く支援の手を差し伸べました。

 支援を受ける者同士が助けあう心温まる出来事もありました。2007年にぺルー地震が起きたときに、IFLはオーストラリアからペルーまで支援物資を送りました。被災地に直接送ると通常は10日かかります。1日でも早く届けたかったので、ペルーの隣国エクアドルに協力を求め支援物資を緊急に送りました。おかげで予測より1週間ほど早く被災地に届けることができました。世界中にいるIFLの協力者は、この隣国同士の助けあいを知り感動しました。

 送付したインスリン、注射器、血糖測定器、血糖試験紙などの医療資材は、現地の医療機関や医師、糖尿病協会などを通じて、必要とする糖尿病患者さんの治療に使われます。

 配送の主体となるのは、糖尿病患者さんやその家族によるボランティア活動です。支援物資の輸送コストとして資金も必要となります。日本の国際糖尿病支援基金からの寄付は、輸送コストを賄ううえで大変に役にたっています。

 IFLの活動は、世界中の糖尿病クリニック、糖尿病キャンプ、製薬企業などの支援や寄付により行われています。オーストリアでは、全国糖尿病供給機構(National Diabetes Supply Schem)にご協力いただいています。

 ニュージーランドやオーストラリアから過去12ヵ月に、インスリン約200リットル、血糖試験紙約12万枚、注入器約6.6万本、注射針約5.5万本などをご支援いただきました。ドイツからはインスリン約4.6リットル、血糖試験紙約4万枚、注入器約3万本、血糖測定器913台などを、オーストリアからはインスリン約9.6リットル、血糖試験紙約1.6万枚、注入器約1.7万本、血糖測定器105台などをご支援いただきました。その他にも米オクラホマ糖尿病センターからの支援も増えています。

インスリン・フォー・ライフ(IFL)が支援した糖尿病患者さん
 IFLの支援を受けた糖尿病患者さんから、多数のお礼をいただいています。支援した患者さんのごく一部をご紹介します。
 日本の国際糖尿病支援基金よりいただいたご支援もこのなかに役立てられています。






 IFLは、国際糖尿病連合(IDF)、欧州糖尿病学会(EASD)、米国糖尿病学会(ADA)の年次集会などでも積極的に広報活動を行っています。IFLの活動に対する認知と協力を、各国政府にも呼びかけています。

 IFLの活動についてもっと詳しく知りになりたいときは、ホームページをご覧ください (IFLホームページ: www.insulinforlife.org)。


2008年7月

■ 2008年7月
寄付金収入(3件)10万8,000円

ウガンダ

■ 2008年6月

途上国の糖尿病患者さんを支援しているインスリン・フォー・ライフ(Insulin for Life)(オーストラリア)より、アフリカの東部にある国ウガンダでの支援活動の情報が送られてきました。 インスリン・フォー・ライフはオーストラリアのメルボルンを本拠地として、国際的な慈善活動をしている団体です。途上国や自然災害などで十分な医療サービスを受けられない糖尿病患者さんのために、先進国で使用されなくなったインスリン製剤や医療資材を送付する活動をしています。

IFLは、1999年の設立以来、さまざまな国や地域で糖尿病患者さんのための支援活動を展開してきました。現在では世界中のさまざな団体がその活動に協力しています。医療スタッフと糖尿病患者で構成される「ドイツ糖尿病連合」(Deutsche Diabetes Union)が協力する「インスリン・ツム・レーベン」もそのひとつです。

ウガンダはアフリカの東部にある、内戦が20年以上も続く政情が不安定な国です。ウガンダにもインスリン療法を必要とする1型糖尿病の患者さんがいますが、多くの場合で十分な医療を受けられていません。

右の写真のウガンダの少年は、インスリン・フォー・ライフとインスリン・ツム・レーベンに協力するオーストリアの団体から送付されたインスリンを注射しています。

今回は先進国で使用されなかったインスリン製剤、注入器、血糖測定器、医療資材などが、現地の糖尿病クリニックに送付されました。それらの多くは、先進国を中心に患者さん団体や糖尿病の関連団体で集められたものです。送付の費用なども多くは寄付金で賄われています。製薬会社を含め支援活動の輪は世界中に広がっています。




IFLの理事長のロン・ラーブさんは、「ウガンダの少年が手にしているインスリンは、先進国では無駄に廃棄されるはずのものでした、想像してみてください・・・」と話しています。

Dear friends and colleagues
Images....a boy in Uganda who receives insulin that would otherwise be wasted, from Insulin for Life/ Insulin zum Leben- Austrian affiliate....and other images.
Regards
Ron Raab OAM
President, Insulin for Life Inc www.insulinforlife.org
Past Vice-President (2000-2006), International Diabetes Federation

2008年6月

Insulin for Life(IFL)(オーストラリア)へ、エンジョイツアークラブ14周年パーティーでのチャリティー費用4万8,000円を寄付。
寄付金収入(4件)7万5,000円

2008年5月

■ 2008年5月
インスリン・フォー・ライフ(IFL)(オーストラリア)へ、サイクロンで被災したミャンマーの糖尿病患者さんに対する支援活動費として30万円を送金。
ドリーム・トラスト(インド)の1型糖尿病患者支援のためのスポンサー費2口(2人分)として、6万2,346円(600USドル)、および活動支援金として10万円を送金。

2008年5月

寄付金収入(1件)3万6,000円

2008年3月

■ 2008年3月
寄付金収入(5件)18万1,000円

2008年2月

■ 2008年2月
寄付金収入(1件)3万6,000円
森田繰織会長の「わが友、糖尿病?インドへの旅」を公開しました。
国際糖尿病支援基金を通じてご支援いただいているインドの1型糖尿病患者さんにお会いしてきました。

2008年1月

■ 2008年1月
寄付金収入(2件)8,000円

これまでに寄せられた寄付金

20,681,414円

これまでに実行した支援金

20,274,037円
2025年12月現在

お知らせ

2008年12月15日
カンボジア
2008年12月15日
ウズベキスタン(1) ウズベキスタンを訪ねて1
2008年12月14日
ウズベキスタン(2) サマルカンド
2008年12月13日
ウズベキスタン(3) タシケント糖尿病教育センター