私が幼い頃、母方の祖母が、夜にお茶をしていると起きてきて、島原弁で「なんがら欲し(何か口寂しく、ちょっとだけお菓子が食べたい)」みたいなことを言うと、「おばあちゃんは糖尿病だからダメ!」と平気で言っていました。すると、寂しそうに祖母は「死んだほうがマシ」などとつぶやいて、寝室に戻って行ったものです。
私も病気をしたことから昼夜逆転になり、30代初めから動かず食べる生活から肥満にもなり、30代半ばには糖尿病と診断されました。教育入院して栄養や献立を学び、他の患者さんたちの声からも、いかにこの病気が食べたさとの戦いが一番の問題であるか思い知らされました。
そして、祖母にどうしてあんなひどいことが言えたのだろうかと、その時初めて思い至りました。今ならばもっと優しい言葉をかけて、血糖値を上げない工夫をしたおやつも作ってあげられるのになと思いました。祖母の頃には、簡単にカロリーコントロール食や工夫されたおやつなどは手に入らず、医者も「食べちゃダメ」と言うばかりだったように思います。
ですが、教育入院後、私はカロリー計算しながら食事を準備していましたが、3カ月ぐらいで燃え尽きてしまいました。ひと頃は、インスリンを使わないと血糖値が下がらなくなったこともありましたが、合う薬があり、HbA1cは落ち着きました。しかし、体重の増加は治まらず、その薬に膀胱がんの発生頻度を高めるリスクが出たこともあって、肥満の問題がなく、以前より使用量リミットが上がった薬を試し、今は体に合っているのか、数値も落ち着きました。
現在、おやつとしては、トレハロースやマービー、ラカントなどの甘味料を常備し、使い分けつつ、みんな甘党なので、自分も家族も満足できるような手作りおやつ、プリンやパウンドケーキなどを作っています。総カロリーと足し引きしながら、手作りやいただきもの、市販のものも、ストレスにならない程度、適宜食べています。そのかわり、主食の量を減らしたり、繊維質を増やしたりなどの工夫はしています。
カロコンアイスなども最近は種類も増え、ダイエット志向の定着などもあり、カロリーコントロールがより楽にできるようになってきたのを感じ、大変心強く思っています。