メディカルチェックによって、医師が運動を行っていいと判断した場合には、自分に合った運動メニューを考えましょう。運動を効果的に安全に行うためには、どんな種類の運動を、どれくらいの強さで、週何回ぐらい行うかが重要です。この場合も主治医に相談することが大切です。
有酸素運動 は、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、酸素を体内に取り込み、その酸素を使ってエネルギーを消費する運動です。エネルギーを消費し、血糖の上昇を抑えるとともに、継続して行うことでインスリンの働きを良くする効果があります。
レジスタンス運動(筋力トレーニング) は、ダンベルやチューブ、自分の体重などで負荷をかけて行う筋力トレーニングのことです。筋力がアップすると、体力がつくとともに基礎代謝が高くなり、脂肪を燃焼しやすい体になります。
有酸素運動とレジスタンス運動の2つの運動をうまく取り入れて行うことが、効果的な運動療法といえます。
糖尿病の運動療法でおすすめできる強度は、「おしゃべりしながら続けられる」感覚です。 適正な運動強度は、脈拍数をもとにして判断することができます。大まかな目安としては次の脈拍数を参考にしましょう。
補足:脈拍測定について
脈拍数は、手首に片側の人差し指、中指、薬指の3本の指で反対側の手首の内側にある動脈を10秒間測り、その数値を6倍にすると、1分間の脈拍数となります。現在では、脈拍計などのさまざまな市販の機器が出ていますので、それらの機器を使うと、より簡単に正確に測れ、便利です。
●どんな種類の運動がいいの?
運動には、 有酸素運動 と レジスタンス運動(筋力トレーニング) があります。有酸素運動 は、ウォーキング、ジョギング、サイクリング、水泳など、酸素を体内に取り込み、その酸素を使ってエネルギーを消費する運動です。エネルギーを消費し、血糖の上昇を抑えるとともに、継続して行うことでインスリンの働きを良くする効果があります。
レジスタンス運動(筋力トレーニング) は、ダンベルやチューブ、自分の体重などで負荷をかけて行う筋力トレーニングのことです。筋力がアップすると、体力がつくとともに基礎代謝が高くなり、脂肪を燃焼しやすい体になります。
有酸素運動とレジスタンス運動の2つの運動をうまく取り入れて行うことが、効果的な運動療法といえます。
●運動の種類と継続時間(運動量)・頻度の目安
一般的には、下記を目安に行いますが、個人差がありますので、いきなり頑張らないで体を慣らしながら徐々に強くしていきましょう。
有酸素運動
※1日の運動量として、歩数では約10,000歩、消費エネルギーでは160〜240kcal程度が適当な量です。
|
|
レジスタンス運動(筋力トレーニング)
※息を止めて強い負荷をかけると、急激に血圧が高くなることがあるため危険です。息を止めずに行いましょう。
|
●生活活動とエネルギーの消費
日常生活の中で、できるだけ体を動かすようにすることも、血糖コントロールの改善に役立ちます。下記の表を目安に体を動かす習慣を身につけましょう。【100kcalを消費する生活活動・運動と時間(体重60kgの人の場合)】
運動や日常の活動で消費されるエネルギーは下記の通りです。生活活動・運動 | 時間 |
普通歩行(平地、67m/分)、屋内の掃除、家財道具の片づけ、自転車エルゴメータ(50ワット)、ウエイトトレーニング(軽・中等度)、ボーリング、フリスビー、バレーボール | 約32分 |
速歩(平地、95〜100m/分程度)、自転車に乗る(16km/時未満)、子どもと遊ぶ・動物の世話(徒歩/走る、中強度)、屋根の雪下ろし、水中運動、アクアビクス、卓球、太極拳 | 約24分 |
かなり速歩(平地、107m/分)、子どもと遊ぶ・動物の世話(歩く/走る、活発に)、ソフトボール、野球 | 約19分 |
家具や家財道具の移動・運搬、スコップで雪かきをする、ジョギングと歩行の組み合わせ(ジョギングは10分以下)、ジャズダンス、バスケットボール、スイミング(ゆっくりとしたストローク) | 約16分 |
[資料:厚生労働省「健康づくりのための運動指針2006」(エクササイズガイド2006)より改変]
※生活活動・運動の時間は、「健康づくりのための運動指針2006」(エクササイズガイド2006)の簡易計算式で求めた目安の数値。安静時のエネルギー消費量も含める。
※生活活動・運動の時間は、「健康づくりのための運動指針2006」(エクササイズガイド2006)の簡易計算式で求めた目安の数値。安静時のエネルギー消費量も含める。
●運動の強さはどのくらい?
同じ運動をしている場合でも、体にかかる負担は人それぞれ違います。そのため、自分に合った強さの運動を行うことが大切ですが、ダラダラと歩くなど運動強度が弱すぎると運動の効果が上がらず、逆に運動強度が強すぎると、心臓に大きな負担がかかるなど危険を伴います。糖尿病の運動療法でおすすめできる強度は、「おしゃべりしながら続けられる」感覚です。 適正な運動強度は、脈拍数をもとにして判断することができます。大まかな目安としては次の脈拍数を参考にしましょう。
糖尿病運動療法における適度な脈拍数の目安
59歳以下……120拍/分 60歳以上……100拍/分 |
補足:脈拍測定について
脈拍数は、手首に片側の人差し指、中指、薬指の3本の指で反対側の手首の内側にある動脈を10秒間測り、その数値を6倍にすると、1分間の脈拍数となります。現在では、脈拍計などのさまざまな市販の機器が出ていますので、それらの機器を使うと、より簡単に正確に測れ、便利です。
2012年08月