ニュース

2008年10月08日

米国で子供の健康についての大規模研究が開始

キーワード
 米国立衛生研究所(NIH)は10月3日に、10万人の子供を対象とした調査研究「全米子供研究(National Children's Study)」を開始すると発表した。

 研究では、子供の健康や病気の発症に遺伝子や環境がどのように影響しているかを調べる。10万人の子供を出生前から21歳まで追跡調査し、自閉症、脳性麻痺、学習不全、先天性欠損、糖尿病、喘息、肥満などについて発症因子を調べる。

 子供をとりまく「環境」を重視しており、自然環境や人工環境の影響や、生物学、遺伝、社会心理的な要因と、病気の発症との関連などを調べる。全米の大学や病院、政府機関など研究拠点とし、まずは27の研究センターを立ち上げ、今後は約40ヵ所に増やす計画。研究は105ヵ所の医療機関などで進められ、総費用は32億ドル(約3370億円)に上るという。

 研究に協力するボランティアの募集は来年1月に始められる見込み。妊娠中や妊娠を予定している女性を募り、生まれた子供の遺伝サンプル、健康診断、環境因子などを収集、得られた情報から病気の発症との関連を解析する。研究成果をもとにした小児保健の手引書や、保健政策のための基礎的な資料になる予定。

 「この研究は米国の女性の妊娠と子供についての最大規模の研究になります」と研究責任者ピーター シャイト医師は言っている。「この研究により、さまざまな条件からの妊娠と子供の誕生についての研究成果が得られると期待しています」。

全米子供研究(National Children's Study)(英文)

[ Terahata ]
日本医療・健康情報研究所

play_circle_filled 記事の二次利用について

このページの
TOPへ ▲