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ウズベキスタン(4) ナボイ地区ナボイ内分泌疾患診療所

2008年12月
  ナボイ地方は、サマルカンドとブハラの間にある地方で人口82万人ですが、地域は砂漠地方もあるため非常に広く、人口密度は少ない地域であるため、僻地住民への遠隔医療はまだ行き届いていないそうです。地域全体で把握できている糖尿病患者数は2,700人ぐらいです。
まずは、ナボイ地域の中核病院の外来病棟に訪問し、糖尿病患者と交流しました。


西欧でも知られたイスラム界の名医イブン・シーナの絵が入口に。彼はブハラ出身です。 

(左)たくさんの患者さんたちが集まってくれました。(右)患者代表サドリーさん

患者さんの多くは、発病3-4年目で目や腎臓に合併症が出てきているとのことでした。左写真一番手前は地域の内分泌医師のリーダーであるバルバジャン先生です。右写真中央の女医はマリファト先生で、糖尿病患者の生活指導担当です。 

(左)糖尿病関連書籍 (右)棚の上には検査チップ、注射器が

診療所で使用されているインスリン

欧米製のインスリンや検査機器は高価

食事療法指導用のポスター

ナボイ地区糖尿病診療所(入院施設は20床)。2008年7月3日にオープンしました。

同施設の設備

バルバジャン先生の診療室

2型糖尿病患者のオーチアさん 糖尿病歴3年ですが足に神経障害の合併症があります。

ザートさん 30歳
  1型糖尿病歴5年ですが、目、腎、神経、心臓、血管と総てに合併症が出ており、胃腸に合併症が出て下痢が止まらず入院し点滴治療を受けています。建設業に従事しており、発病後80Kgあった体重が50Kgまで落ちました。身長は171cmです。
現在、総入歯です。発病前はヘビースモーカーでしたが発病後禁煙しました。キチンと治療をしてこなかったことが悔やまれます。以前は朝食前と夕食前に書く6単位ずつNPHのみを打っていましたが、現在はNPHを朝食前と就寝前に各10単位ずつ、朝・昼・夕食前に速効型インスリンを各6単位ずつ打っています。

  ウズベキスタン保健省のナボイ地区支部 380Kmの砂漠地区を担当しているため、全体をカバーすることが難しいです。各家庭に電話や自家用車はあることはありますが、巡回ドクター・ナースシステムはあります。病院は旧式の施設をだんだんと新しく改善しています。医師が不足しているため看護師のみの地区もあります。癌が非常に増加しており、糖尿病と共に対策を立てなければなりませんが医師不足は深刻です。日本の援助で大分県に研修のため看護師を派遣しています(JICAの看護教育改善プロジェクト「大分県立看護科学大学が日本の支援機関」のことのようです)。

(左)旧ソ連時代から庶民に与えられている住宅  (右)一般商店

©2008 森田繰織
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