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ウズベキスタン(3) タシケント糖尿病教育センター

2008年12月
 タシケント糖尿病教育センターはNGOで内分泌医バルノ・イクノナヲヴァ先生が運営しています。
IDF欧州から支援を受けており、糖尿病ケアの他、保健省や製薬会社と提携し、様々なプログラムを実施しています。自身も糖尿病患者で足のトラブルを専門とする病院で看護師として仕事をしているエルギニアさんもスタッフとして登録しています。
タシケント市は人口250万人のうち1万7,000人から2万人の糖尿病患者がいると言われています。登録されているのは、そのうち10%程度で、残りの90%は未診断と言われています。登録されている患者のうち250人が子供で大半が1型です。未診断の患者を無くすため、伝統的コミュニティであるマハッラでの女性教育・啓蒙活動にも取組んでいます。


写真中央:バルノ先生、右隣:エルギニアさん

集まってくださった患者さんたちと
イルギニアさん 35歳(写真中央長身の青いジーンズの女性)
  8歳で発病し病歴27年です。ラジオ局でエンジニアとして働いています。 10歳の息子がいますが彼も1型です。朝・昼・夕食前に各6単位ずつアクトラピッドとプロキファンを朝18単位と就寝前に10単位打っています。妊娠を切欠に免疫が弱くなりました。腎臓にも合併症があり昨年から蛋白が増加しています。食事面で蛋白と塩分の制限はありますがカリウムの制限は受けていません。

イーラさん 20歳。(写真右から3人目のタンクトップ姿の女性)
  9歳で発病し、血管と目に合併症がでており、視界が悪くなっています。足もよく攣ります。昼間の時間に8-10単位アクトラピッド、ヒューマリン30・70を朝24単位、就寝前14単位打っています。短大で気象学を勉強しましたが、糖尿病のため、中々就職できない状態です。

ミナバルさん 50歳。(写真右から4番目のスカーフを被っている女性)
  15年前に発病し、10年は経口血糖降下剤でコントロールをしてきましたが上手く行かず、2型糖尿病ではありますがインスリンを注射しています。今まで、中国製のインスリンガスリンのミクスタードを使いましたが湿疹が出てしまい、インド製のウォスリンも合いませんでした。これらのインスリンの副作用のため歩行障害が出てしまいました。足の感覚が無くなり、真夏でも厚手の靴下を履いたままでした。現在はアクトラピッド朝食前10単位・昼食前8単位・夕食前10単位をそれぞれ打ち、朝にプロトファンド20単位、就寝前にレベミール10単位を打っています。レベミールを打つようになり歩けるようになりました。少しずつ回復に向ってはいるものの、尿蛋白が増加しており、白血球も出ていますし、高血圧もあります。


ショーヒスタさん 28歳
  12年前に発病しました。銀行で会計の仕事をしています。周囲の人たちに糖尿病であることは公表していません。
15歳で発病し、17歳からズライコ先生のところで御世話になっています。2ヶ月おきに通院しており、インスリンをもらい尿検査も受けています。発病当時、体重は35Kgしかありませんでしたが、現在は53kgまで回復しました。(写真より靴の踵を差し引いても身長は165cmはあると思われます。)
現在は、アクトラピッドを朝食前10単位・昼食前6単位・夕食前8-10単位をそれぞれ打ち、プロトファンドを朝20単位・就寝前に10-12単位打っています。白内障、甲状腺障害があり、扁桃腺炎持ちでもあります。


伝統的遊牧民スタイルのレストランにて昼食
 
©2008 森田繰織
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