IFLを訪ねて [オーストラリア] 2 オーストラリア糖尿病協会へ
2006年09月
オーストラリア糖尿病協会 ビクトリア州本部事務所 事務所長さんと共に 欧州では一般的になっている衣服のリサイクルボックス 使用しなくなった衣服をリサイクルするための回収ボックスがスーパーの店頭などに置かれている “独立採算”を支えるグッズの販売活動 子供への教育・啓蒙活動も“楽しみながら”実践しています。 糖尿病のマスコット「バズ・ビーちゃん(ハチ)」の他、「心臓クンの癌ちゃん」もいます 昔懐かしい治療機器・器具も展示されており、糖尿病治療の歴史も分ります 糖尿病研究者(医師)シャーリーンさんと 検査機器類が並ぶラボ |
オーストラリア糖尿病協会 ビクトリア州本部
オーストラリアの糖尿病協会当る組織は、各州ごとに独立したかたちで運営されています。寄付金による収入の他に注射器や注射針、血糖測定器・テストチップといった治療に必要な製品の販売だけではなく、様々な糖尿病関連グッズ(足を締め付けない靴下、ノンシュガーの菓子類など)を販売することで、資金を得ています。
協会の活動として、医療従事者・患者・家族への糖尿病教育他、調査活動、啓蒙活動と多岐にわたっています。中でも小児糖尿病のキャンプ、青年期の若年患者向けの週末合宿は、大きなイベントです。
国際糖尿病研究所へ
ロン・ラーブさんが以前勤務していた国際糖尿病研究所にも案内してもらいました。こちらでは、糖尿病に関する研究、研究費を捻出するためのファンドレージング、診療およびケア施設、教育施設と糖尿病に関して、ありとあらゆることを取り扱っています。ロン・ラーブさんのかつての同僚であるシャーリーンさんに案内してもらいました。
1型糖尿病患者 ロン・ラーブさんと
ロン・ラーブさんに色々と糖尿病関連施設を案内してもらいながら、オーストラリアの糖尿病事情についても話をしました。オーストラリアでは、一度医師によって糖尿病と診断されると、その後は糖尿病療養士による指導がメインになります。通常、医師による検診は、3〜4カ月に1度受けられれば良いほうだそうで、ほとんどの人は、半年に1回程度しか受けないそうです。
参考までに日本で治療を受けている私は、月1回の主治医による検診時に採血・検尿眼底の検査を受け、必要に応じて栄養指導も受けて、インスリンを処方してもらい、グルコスティックも合わせて処方してもらっているという状態です。
ちなみにロン・ラーブさんは、もう7年も医師による検診は受けていないそうで、「自分でしっかりコントロールしていれば、良いのだから、医師に見せたところで何もないのだし、費用の無駄」とまで言い切っていました。インスリンに関しては、オーストラリアでは、処方箋の有効期限が1年あるため、年に1度、知人の内科医に処方箋を書いてもらいインスリンを入手しているとのことでした。
糖尿病は自らが主治医とよく言われることが非常に身にしみる言葉であり、日本の患者も、もっと自立心を持ち、見習わなければいけないと思いました。
IFL“在庫管理施設&配送センター”へ
ロン・ラーブさんが対外的な折衝をはじめ、広報・プロモート・営業・資金集めといった役割を担当している一方で、実際に集めたインスリン・注射器・血糖測定器・テストチップといった品物を管理し、送付要請のあった現場への発送を担当しているのがニール・ドナランさんです。メルボルンから汽車で2時間ほど行った郊外の街にニールさんの自宅があり、ニールさん家のガレージに大きな冷蔵庫が2台あり、インスリンが保管され、箱詰め作業が行われます。ニールさんの書斎には、各地から来た支援要請の製品リストから各地に送られた発送品リストのコピーが保管されてます。
診療施設で順番待ちをする患者さん |
研究所の受付カウンター |
血糖を測るロン・ラーブさん |
ガレージ入り口 |
ガレージの冷蔵庫にインスリンが保管されています | |
ガレージ内の棚 |
仕分けする前の集められた品 | |
箱詰めされた品物(注射器・注射針・テストチップ) |
これから作業を手伝います |
作業中のニールさん |
箱詰めされたインスリンと納品書 |
これから発送で〜す。手前の小切手は、送料用の小切手。国際糖尿病支援基金からの寄付金は、送料に使われています |
IFL“配送センター”事務所兼ニールさんの書斎 おなじみのIFLの旗が壁に貼られています |
各国・各地域とやりとりした資料のファイル |
©2006 森田繰織