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第41回EASD(欧州糖尿病学会)に参加 3 [ 観光編 ローマ ]

2005年10月


イタリア風餃子・ラビオリ



イタリア風春巻き・カネロニ



落書きだらけのローマの地下鉄



ローマカトッリクの総本山・サンピエトロ大聖堂



サンピエトロ大聖堂を囲む回廊



サンピエトロ広場



先代ローマ法王、ヨハネパウロ2世の眠る棺
多くの熱心な信者が跪いて祈りを捧げていた




サンピエトロ寺院内部



バチカン市国入り口からサンピエトロ寺院を望む



コロッセオ(円形闘技場)外観



コロッセオ内部



凱旋門



遺跡の周りには、観光客目当てに有料で記念撮影
をする皇帝とグラディエーターが




ライトアップされたコロッセオ



ライトアップされた凱旋門



美しいナポリの街



ベズビオ火山



ポンペイの神殿跡



ベズビオ火山の噴火による犠牲者の復元



当時の商店街 売春宿の跡も多数発掘されている



「猛犬注意」の意味の一般家庭の玄関のモザイク



パン屋さんの跡



野外劇場



荘厳な海の神ポセイドンの彫刻のトレビの泉



朝9時前にも拘わらず多くの観光客が



トレビの泉の裏側にあるアパート
と思しき建物。少々興ざめ?




真実の口 正直なため手は大丈夫でした



当にビューティフルサンデーだった筈が・・・



人・人・人のスペイン階段



階段の頂上



著名な芸術家達が集ったと言うカフェグレコ



サンタマリア教会

 アテネの街とニールさんに別れを告げ、ローマへと向かいました。空港から汽車でローマのテルミニ駅へ向かいました。テルミニ駅とは、終着駅の意味で、ここから、国内外へ色々な汽車が出発します。ヨーロッパでは、汽車でさえも国際線と国内線があることに、いつも日本との違いを感じさせられます。テルミニ駅もホーム数だけで18本もあり、特に空港行きの汽車のホームは端っこに位置しているため、移動に一苦労です。

 まずは、荷物を置こうとテルミニ駅から地図を頼りにホテルへ向かったものの、反対方向へ行ってしまったり、道を尋ねようと歩いている人に話しかけても観光客だったり、お店の店員に尋ねてもイタリア語が分らず説明が理解できなかったりで、本当にグルグル回りながら、ようやく探し当てた状態でした。駅からは、ほんの2〜3分の距離にも拘わらず、この時は40分もかかってしまった状態です。

 ホテルへチェックインし、シャワーを浴び、1時間程仮眠を取ったあと、昼食を取りに街中へ歩き始めました。途中で入ろうとしたマクドナルドが非常に混雑していたため、ピザレストランに入り、ピザを注文したものの出てきたのは、日本の感覚でいうラージサイズの直径30センチは優にある大きなものでした。それでもペロリと平らげてしまった食欲には、われながら驚いた次第です。

 この後も、私の好きなイタリア料理、特に日本のイタリアンレストランでは、あまり置いていない、カネロニ(イタリア風春巻き)・ラビオリ(イタリア風餃子)・ラザニア(板パスタの間にミートソースやチーズを何層にも重ねたもの)を楽しみ、もちろん、ナポリの街ではスパゲッティも楽しみました。

 それでも、なぜか血糖値は上昇することはなく、歩き回っていたこともあるのか、低血糖を頻繁に起こし、イタリアンジェラートまで味わうことができました。

やはり恐ろしい? ローマの街

 腹ごしらえを終え、バチカン市国へ行こうと地下鉄のテルミニ駅へ向かおうと歩いていた所、ロマ(昔はジプシーと呼ばれていた人たち)のおばさんから、しつこく物乞いされ、腕を掴まれながらも無視して歩いていると、ダンボールを持った子供達の姿が見えたため、「これが、『ダンボールで囲んで服にアイスクリームやケチャップをつけて、気を取られているうちにバッグを盗む』手口か・・・」と思い、これはヤバイと思い、ハッタリで空手の構えだけしたところ、付いてこなくなりました。実害がなく、ホッと一安心でした。

バチカン市国

 ガイドブックを頼りにバチカン市国へ向かい、方向を間違え、とんだ遠回りをしてしまったものの、何とかサンピエトロ広場、サンピエトロ寺院へ辿り着くことができました。バチカン博物館にも行きたかったのですが、時間が限られているため、今回は諦めました。

 半年ほど前、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世が逝去されたにもかかわらず、現法王ベネディクト16世よりもずっと多くの観光客、いや巡礼者向けと言うべきかもしれませんが、額入り写真、キーホルダー、マウスパッド、ペナントといったグッズが売られていました。

 何も集会・催しが開かれておらず、サンピエトロ広場には、人がいないものの、周りの回廊にはサンピエトロ寺院へ入るための観光客が長蛇の列を作っていました。テロ対策ということで、X線による荷物検査がなされ、ボディチェックも行われました。
 また、宗教施設内ということで、ノースリーブ・短パンの人は中上着を着なければ中へ入れてもらえず、帽子を被っている人は、脱ぐように注意を受けていました。
 とにかく荘厳で、世界のカトリックの総本山、独特の雰囲気を持つサンピエトロ寺院。とにかく、「凄い」としか言葉が出ない状態でした。

 広場で写真を撮ろうとしていたところ、3人の日本人女性の観光客が近づいてきて、シャッターを押してほしいと言われたため、写真を撮ってあげました。その人たちの話では、「トレビの泉」は、とにかく人が多く、人を掻き分けないと前に進めず、泉ではなく人を見に行ったようなものだと言っていました。このアドバイスを聞き、翌々日、朝一番でトレビの泉へ行くことにしました。

コロッセオ(円形闘技場)へ

 ローマの観光スポットの中でも最も古代ローマらしい場所と言えば、やはり、コロッセオだと思います。地下鉄の駅の真前にあるため、道に迷うこともなく、すんなり行くことができました。映画「グラディエーター」で見た、そのままの状態が非常に良く残っています。中へ入るには、やはり、X線による荷物検査が必要でした。

 ここでも多くの観光客が長蛇の列をなしていました。コロッセオへは、駅から近いこともあって、後日、夜間ライトアップされた状態を見に来ました。周りにある凱旋門や数々の神殿跡など、ローマの遺跡は、とても印象的でした。

ナポリ・ポンペイ観光へ

 翌日、朝、6時に起き、予約してあった「ポンペイ・ナポリの一日観光ツアー」に参加するため、集合場所である別のホテルの前へ行きました。

 バスの中からの見学となったもののナポリの街の景色、海の景色は、格別でした。世界の絶景の一つに数えられているのも頷ける気がしました。

 ポンペイへ到着し、ガイドさんについて、遺跡の観光が始まりました。
 かれこれ6〜7年前になるのか、両国にある東京江戸博物館で開かれたポンペイ展で見た写真どおりの遺跡や展示されている遺物、子供の頃に見た「ポンペイ最後の日」の映画、子供の頃に読んだ「よみがえる死の都―ポンペイ」、その他数々のテレビ番組を見ては、ず〜っと「いつかポンペイに行きたい」という思いが叶い、感動はひとしおでした。

気分はオードリー・ヘップバーン

 最終日は、飛行機が夜10時の便だったため、昼間はタップリと時間がありました。
 バチカンでの日本人観光客のアドバイスを参考にし、朝、8時にはホテルを出て、トレビの泉へ向かいました。駅から離れているため、また、迷ってしまうかもしれないと思いながらも地図を片手に歩き始めた所、やはり、観光客風の人たちが結構同じ方向に向かっていたため、その方向に歩いていくと「トレビの泉 300M」なる表示がありました。

 建物に囲まれた中にあり、観光名所があるような雰囲気ではない中、辿り着きました。朝の早い時間でありながら、泉の周りは、人が多く、記念撮影するのが難しい状態でした。ここでも、日本人観光客達から、シャッターを押してほしいと数回頼まれました。

 水は、冷たいと感じなかったものの泉を囲む彫刻は、非常に力強く、見事な作品で、当に一見の価値があるのでした。映画「ローマの休日」で、オードリー・ヘップバーンがやったように後ろ向きでコインを投げ入れました。良縁に恵まれることを祈って、日本の5円玉を投げ入れました。コインを投げ入れると再びローマに戻ってくると言われているそうです。泉の中のコインを釣竿のような細い棒を入れて拾っている人も居ました。

 表側は、非常に立派なトレビの泉も裏側は、極普通のアパートと思しき建物なので、少々興ざめした気もしました。

 やはり、「ローマの休日」で有名な「真実の口」へ向かいました。ここでも観光客が長蛇の列を作っていました。口の中に手を入れましたが、噛付かれることはありませんでしたので、正直者であることが証明できました。

 この後、昨夜の雨に洗い流されたのか、カラッと晴れ上がった、しかもひんやりとした風が非常に心地良く、駅まで戻る途中、土手のようになったところがあり、ローマの遺跡も反対側にある状態で景色も非常に良く、階段の上に腰を下ろし、休んでいた所、何と自分のモノを出しながら階段を登ってくるバージングループの会長チャーリー・ブロンソンのような風貌の人がいました。ここで騒いでは、相手の思うツボと思い、無視して歩き始めました。せっかくの心地よい「ローマの休日」をぶち壊しにされた気分でしたが、実害はなかったので良しとしましょう。

コロッセオで低血糖

 結局、この後、駅へ行かずローマ時代の沐浴場跡を探しながら歩き回っているうちにコロッセオに着いてしまいました。ここで、低血糖がおきたため、移動式の売店で売っているイタリアンジェラートを食べました。この後も歩き回っているうちに数回低血糖を起こしたお陰で、その都度イタリアンジェラートを食べることができました。

 この後、やはり「ローマの休日」で有名なスペイン広場へ行きましたが、もうとにかく人・人・人で、隙間を見つけて、やっと階段を登っていった状態でした。

 空港へ向かうまで、サンタマリア寺院で時間を潰しましたが、この近くの「ロザリオ」という観光客向けのお土産屋さんは、お店が狭く、また暗いため少々入りにくい雰囲気があるのですが、お店のおじさんは親切で、しかも値段が安いのです。テルミニ駅地下街や空港の売店と比べて、同じものが6分の1ほどの価格なのです。皆さん、もし、ローマへ行かれる機会があったら、食べ物や化粧品以外のお土産はこちらで買われることをお勧めします。

郷に入っては郷に従え

 事前に何も計画せず、ローマに着いてから初めて「地球の歩き方(ガイドブック)」を開いた状態でしたが、その割には、非常に充実した、また主な観光名所を色々巡ることができたと思います。

 ローマ帝国が滅んでしまった今もなお世界中から観光客を惹きつけて止まないローマ。当に永遠の都という言葉が相応しい街でした。「ローマは一日にして成らず」の諺の通り、日々の努力の積み重ねが大事だということは、糖尿病の日々のコントロールに通じるものがあると思います。「合併症は一日にして成らず」と言ったところでしょうか。ちょっと指向が違いますかね。「健康は一日にして成らず」と言い換えましょう。「全ての道はローマに通ず」は「全ての不摂生は合併症に通ず」否「全ての良いコントロールは健康に通ず」としましょう。

 「郷に入っては郷に従え」に当たる英語の諺では「ローマに来たらローマ人のやり方に従え」となります。糖尿病関係者が理想的なライフスタイルの実践者としてお手本を示すべく「糖尿病コントロールの世界に入ったら糖尿病コントロールに従え(そうすれば、あなたも健康的な生活が送れますよ)」と自信を持って言える日が来ることを祈りつつこの辺で。


©2005 森田繰織
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