投稿者 | ラブリっちさん |
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主治医 | 橋本 友美 先生 (大阪市立大学医学部付属病院小児科) |
2010年01月更新
プロフィール
年 齢 | 8歳 |
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性 別 | 女性 |
病 態 | 1型糖尿病 |
糖尿病歴 | 1年5カ月 |
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ポンプ療法歴 | 1年 |
1型糖尿病と診断された娘のことをお話したいと思います。
小学1年生になって初めての夏休み。喉がよく渇き、多量に水分を摂るようになりました。また、トイレに行く回数が多くなったのですが、これは、水分の多量摂取によるものだと思っていました。 もともと細身だった娘がガリガリに痩せ、これはおかしいと思い病院へ連れていきました。
医師から1型糖尿病と告げられ、治療方法はインスリン注射で、これは一生必要だと言われたとき、ひどくショックを受けました。こんな幼い子が毎日何度も注射をしないといけないなんて・・・。
注射をすれば普通に生活できると頭では理解していても、中々受け入れられず、かなり落ち込みました。入院中にも娘の顔を見ては何度も泣きました。
でも娘は「私は何も悲しくない」と落ち込んでいるようでもなく、また、当分の間おやつを食べては駄目と言われても素直に聞き入れてくれました。 こんな様を見て強い子だなと思っていたのですが、退院して1ヶ月を過ぎた頃から様子がおかしくなりました。
私が朝、学校へ行くための着替えを用意していると、その洋服を見て「こんな服は嫌だ」と駄々をこねるようになりました。単なるわがままだと思い見過ごしていましたが、それは日を増すごとに激しくなり、食事やおやつのときにもイライラし「こんなもの食べたくない」と足をバタバタさせて泣くこともよくありました。
このままでは娘が壊れてしまうと思い、少しでも負担を減らしてやろうとポンプ導入を決めました。ポンプにしてからは、駄々やイライラが全く無くなったので、それほどまでに注射が嫌で我慢していたのだと、初めて気づきました。注射が嫌だと言うと、私がまた悲しむと思ったようです。娘に無理させてしまったことを深く反省しています。
注射から開放され、精神的にも落ち着いた娘は食へのこだわりも無くなり、毎日快適に過ごしています。注射からポンプに替えて、悪い点がなかったか娘に尋ねてみたところ、「ない」と笑顔で答えました。
この答えを聞いて、ポンプにして本当に良かったと思っています。
主治医より
橋本 友美 先生 大阪市立大学医学部付属病院小児科
ラブリっちさんは発症後約2ヵ月で当院に転院して来られました。初めての外来でポンプの話をすると強くポンプに関心を持たれ、早速入院して導入することになりました。
導入直後から、本人は非常にポンプを気に入った様子で笑顔があふれていました。また、お母様はCSII療法を理解しようと、器械の操作や設定についての質問をたくさん私にしてこられ、十分納得しながら治療に取り組む様子がうかがえました。
退院後、嬉しい出来事がありました。「たくさん作ってみました!」と、お母様お手製のポンプケースを外来に持って来て見せて下さったのです。それはそれは、機能性とかわいさを兼ね備えた、本人がいつも身に付けたくなるように工夫されたケースでした(写真参照)。
このようなご家族の温かな支えもあって、ラブリっちさんはポンプに替えて悪い点はなかったと言い切れるのだと感じます。