インスリンポンプSAP・CGM情報ファイル

インスリンポンプSAP・CGM情報ファイル

画像

くらしの変化 SAP体験談

仕事復帰、今後の妊娠のために

投稿者アールグレー さん
主治医来住 稔 先生
西脇市立西脇病院内科

2015年8月 公開

プロフィール

年 齢33歳
性 別女性
職 業会社員
病 態1型糖尿病
糖尿病歴2年半
ポンプ療法歴2年
使用製品ミニメド 620G

 産後4ヶ月に口渇の症状が出たので不安に思い、病院で検査をしたところ1型糖尿病だと診断されました。発症から6カ月間ペンを使っていましたが、仕事復帰、妊娠、コントロールの事を考え育児休業の間にポンプ療法への切り替えを行いました。

 その後、2014年末にSAPが発売されるのを先生に教えて頂き、切り替える事に決めました。決め手は、妊娠を考えていたからです。妊娠する上で今よりも難しくなる血糖コントロールを少しでも楽にできればと思ったからです。以前に何度かCGMを使った事があったので、特に抵抗なく切り替える事が出来ました。

 CGMとポンプの二つの機械をつけないといけないですが、CGMは小さい機械なので邪魔にならないし、個人差はあると思いますがポンプのシールの様に痒くならないです。装着の時も痛くないので嬉しいです。あと、機械をつけたままお風呂に入れるので嬉しいです。

 今までは、血糖が気になったら都度、血糖測定していたのですが、SAPだと数分遅れではありますがリアルタイムにグルコース値が見えるので血糖測定の回数が減り楽になりました。また、グルコース値の上昇や下降傾向が表示されるので高血糖や低血糖を回避するのに役立ちます。

 診察時に、1カ月間のデータを見ながら先生とコントロールの相談し、適切なアドバイスをもらう事ができます。また、HbAIcの数値だけでは判断できないグルコース値の動きが分かるので、高血糖、低血糖、インスリン量が合っているかなどの対策を考える事ができます。

 医療費が高くなるのが難点ですが、良いコントロールをめざし、病気と向き合い生活していく為にSAPは欠かせない存在です。使い始めて間もないのでまだ機能を使いこなせていませんが、ポンプからSAPに変えてからの方が、より自由に生活できるようになりました。コントロールで困っていらっしゃる方には是非とも使って頂きたいです。

 最後になりましたが、主治医の先生には私の希望に沿った機械導入をしていただき感謝しています。信頼できる主治医の先生に出会えたことが良いコントロールにも繋がっていると思います。また、主人や息子そして家族の支えがあるからです。 同じ病気で悩みを抱えていらっしゃる方に少しでも役に立てればと思い体験談を書かせていただきました。

主治医より

来住 稔 先生 西脇市立西脇病院内科

 産後、これから子供を育てていかなければならないというなかで、1型糖尿病という現時点では完治が望めない疾患を突然発症されたアールグレーさん。発症時の不安は想像を絶するものであったと思われます。

 それでも、少なくとも私の前では、塞ぎこみまいってしまうこともなく今まで色々なことを勉強し、様々な事態を克服して来られました。現在は、毎月の診察で私はアールグレーさんに専門家としての情報をお渡しし、アールグレーさんから「1型糖尿病と明るく前向きに付き合っていく勇気」を頂いている気がします。

 SAPに関してはまだまだ日本でも導入事例が少ない中での診療ですが、SAPにしてますます双方向的な外来診療になった気がします。意図しない血糖変動やボーラス投与の理由に関しては、我々には患者さんに「何があったの?」と尋ねることになりますが、それが気づきを促すことになり、お互いで次回までの新しい課題に設定しています。ただ、あまりにも露骨に血糖値やインスリン投与量がわかりすぎるため、時に詳細にお聞きし過ぎると「恥ずかしい」という感情を生むことがあるようですが・・。

 これからもアールグレーさんが明るく1型糖尿病と付き合って頂き、今度の妊娠・出産は糖尿病を持ちながらも無事終えれるように出来る限りサポートさせて頂きたく思います。

導入医師データ

■CSII導入患者数(年間)
5名

■CSII療法導入歴
2.5年

■どのような患者さんに導入を勧めますか? 選択のポイントを教えてください
CSII:
仕事、子育て等、活発な社会活動をされている患者さん。慣れればペンを使える人ならなんとかなると思います。
SAP:
上記に加えて、ある程度金銭的に余裕があり、よりいろいろとやりたいことの多い患者さん。

■CSIIやSAPでメリットに感じていること、また、CSII導入手順等を教えてください
CSIIのメリット:
メリットは、"インスリンに生活を合わせる"から、"生活にインスリンを合わせる"に変われることができるに尽きます。

現時点では導入は短期入院でしています。地域の総合病院で、外来導入ではスタッフが十分に時間を取って指導できないためです。今後は外来導入も検討していきたいです。

■導入に際しての課題、悩みなど:
特にSAPは、レポートのデータ量が多く、外来に時間がかかってしまいます。

■ホームページURL
西脇市立西脇病院糖尿病内科 ▶

インスリンポンプ情報.jp
1型ライフ

取り扱い病院検索