いま、1型糖尿病は/内潟 安子 先生
2026年07月10日
新年度になり、独り立ちして新生活が始まった皆さんへ ― 1人ではありません、仲間が、JADECが、傍にいます ―
家族と離れて、独り立ちし、新生活を始められた皆さん。すべてがはじめてのことだらけ。自由で楽しいことばかりと思っていたら、不都合なことややっかいなことがなんとたくさんあることでしょう!
今春に大学や専門学校に進学し、地元を離れてひとり暮らしを始めた皆さんへ
4月の入学式が終わり、あっという間に5月の連休も過ぎて、気づけばもう7月。新しい土地でのひとり暮らしにはもう慣れましたでしょうか。梅雨が明ければ、夏休みはもうすぐそこですね。
ひとり暮らしとなると、戸締りはもちろんのこと、毎日の食事の用意、洗濯、部屋やお風呂の掃除などなど、自分一人でやらなければならないことが山ほどあります。午前中は晴れていても夕方に雨ということもよくあります。洗濯物が乾くどころか雨でずぶ濡れになってしまっても、誰も取り込んでくれません。
都会は電車が次々とやってきて便利ではありますが、台風、大雨、あるいは車両の不具合などが発生すると、すぐに交通ダイヤが乱れてしまいます(都内は最近多いように感じます)。早めに出かけないと遅刻してしまうことも多く、「授業に遅れた」「試験に間に合わなかった」といった失敗を経験した人もいるのではないでしょうか。
食事については24時間オープンのコンビニやスーパーがあって便利です。出来合いのものや好きなものをいつでも購入できる良さはありますが、似たようなお弁当を順繰りに食べていて、味気ない食生活に陥ってはいませんか。また、好きなものばかり食べてはいませんか。
もしかして、実家のお母さん、おばあちゃんが自分のために作ってくれていた食卓が、恋しくなっていませんか。「たいした料理ではなかったけど、あのいつもの煮っころがしが懐かしい」、「あの味噌汁が恋しい」などと思うことはありませんか。それこそが、まさしく「おふくろの味」ですね。
知らない土地でひとり暮らしを始めると、なんとなく睡眠不足のような疲労感が抜けず、学校や新しい職場での不安や緊張がいまなお続いているという方もおられるでしょう。そんなときに「おふくろの味」で心も体も満たされたら、どんなに休まることかと思います。
今も地元に戻ってこれまでの先生に診てもらっているのだけど...
新しい土地に引っ越したものの、まだ土地勘もないため、1型糖尿病の治療に慣れた新しい医療機関や先生を見つけられず、数カ月に一度は地元に戻ってこれまでの先生に診てもらっている、という皆さんもおられるでしょう。しかし、帰郷には時間もお金もかかってしまいますよね。
また、紹介されて初診を受けた医療機関にその後数回通院してみたものの、「通院するには不便だ」「先生とうまく話ができない」「どうも通院したくないな...」という気持ちが出てきてしまった皆さんもいるかもしれません。
新しい生活をうまく楽しみつつ、血糖値や自分の体をしっかり管理するには、日々のちょっとした「こんなとき、どうしたらいいんだろう」という疑問に対して、2つ、3つの具体的な案を提案してくれる先生が身近にいてくれると心強いですよね。
「どうしたらいいだろう」「誰に相談したらいいんだろう」と、一人悩んでおられる皆さんはいませんか?
「近くに良い先生がいたらいいな。どうやって探せばいい?」「1型糖尿病の友達も見つからなくて...」
JADEC(日本糖尿病協会)のサイトでは、ご自身にピタッと合う先生を探したい皆さんのために、地域ごとに橋渡し(コーディネート)をしてくれる先生のお名前を掲載しています。
『移行期コーディネータ制度』という仕組みです。
このサイトにリストアップされている先生方は、関連学会の協力を得て「移行期コーディネータ」を引き受けてくださっています。皆さんがひとり暮らしを始めた地域におられる、1型糖尿病に精通した専門内科医を探し、仲介してくれます。
これまで診ていただいた、かかりつけの小児科の先生から、コーディネータの先生に連絡してもらいましょう。通院するのにできるだけ便利で、1型糖尿病の治療に精通し、必要ならインスリンポンプのことにも熟知している先生を紹介してもらいましょう。
また、「1型糖尿病の仲間に会いたいな」と思っておられる皆さん。JADEC主催のサマーキャンプをはじめとする「ダイベティスキッズキャンプ」が、今年も各地で開催されます。
キャンプ以外にも「若い糖尿病患者さんとのグループミーティング」(JADEC後援・対面で年2回開催予定)や、いろいろな大学生、専門学校生、若い社会人の皆さん向けの集まりが、夏を中心に全国あちこちで企画されています。
この夏、新しい仲間を探してみませんか?
プロフィール
内潟 安子
YASUKO UCHIGATA
1977年金沢大学医学部卒業
金沢大学医学部大学院卒業
富山医科薬科大学医学部 第1生化学に国内留学
米国国立衛生研究所(NIDR)に海外留学
東京女子医科大学 内科学第三講座主任教授 糖尿病センター長、
東京女子医科大学東医療センター 病院長、
東京女子医科大学附属足立医療センター 病院長を歴任
※ヘモグロビンA1c(HbA1c)等の表記は記事の公開時期の値を表示しています。
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