厚生労働省は8日、医療機関で受けた診察に対する満足度などを尋ねた「2014年受療行動調査(概数)」の結果を公表した。
調査は、全国の医療施設を利用する患者について、受療状況や受けた医療に対する満足度などを把握し、患者の医療に対する認識や行動を明らかにすることを目的に、3年ごとに実施しているもの。今回は昨年10月、全国488医療機関の入院・外来患者計約15万3,000人が回答した。
医療機関のサービスに対する満足度は、外来・入院ともに高い
医療機関のサービスに対する満足度については、外来患者で57.9%、入院患者で66.7%ととなり、看護師など医療スタッフの対応や医師との対話が患者の満足度を高めていることがうかがえる結果になった。
満足だと答えた割合を前回調査と比べると、外来患者では7.5ポイント、入院患者では2.0ポイント、それぞれ増加した。
外来患者の「満足」の割合がもっとも高いのは、「医師以外の病院スタッフの対応」が58.3%、ついで「医師との対話」55.8%、もっとも低いのは「診察までの待ち時間」28.1%となった。
入院患者の「満足」の割合がもっとも高いのは、「医師以外の病院スタッフの対応」が69.3%、「医師による診療・治療内容」69.1%、もっとも低いのは「食事の内容」43.7%となった。
外来の診察時間は「10分未満」が6~7割
外来患者の診察までの待ち時間と診察時間をみると、待ち時間は「15分未満」が25.0%ともっとも多く、次いで「15~30分未満」が24.0%、「30分~1時間未満」が20.2%と、30分未満の待ち時間の割合が多かった。
診察時間は、「3~10分未満」が51.2%ともっとも多く、次いで「3分未満」が16.5%、「10~20分未満」が13.8%となった。「20~30分未満」が6.3%、「30分以上」が4.2%と、20分以上の診察時間の割合も10.5%を占めた。
外来患者の診察時間の年次推移を見ると、「3分未満」と「3~10分未満」の合計が6~7割程度で推移しているが、20分以上の割合も増えている。
退院後に自宅療養できる患者は4.6ポイント増
入院患者の退院の許可が出た場合の自宅療養の見通しをみると、「自宅で療養できる」は55.3%で、前回調査と比べ4.6ポイント高かった。「自宅で療養できない」は24.3%となった。
病院の種類別にみると、「自宅で療養できる」は特定機能病院が74.1%ともっとも高く、「自宅で療養できない」は療養病床を有する病院が36.6%ともっとも高かった。
「自宅で療養できない」と回答した者について、自宅療養を可能にする条件は、入浴や食事などの介護が受けられるサービス」(40.6%)ともっとも高く、次いで「家族の協力」(35.4%)、「療養に必要な用具(車いす、ベッドなど)」(27.9%)、「療養のための指導(服薬・リハビリ指導など)」(25.5%)、「医師、看護師などの定期的な訪問」(24.6%)という順になった。
調査ではこのほかにも、「病院を選んだ理由」や「来院の目的、診察・治療・検査などの内容(外来患者のみ)」「緊急入院・予定入院、入院までの期間、入院までに時間がかかった理由(入院患者のみ)」「自覚症状(外来患者のみ)」「医師からの説明の有無、程度、説明に対する疑問や意見」などが回答されている。
平成26年受療行動調査(概数)の概況(厚生労働省 2015年9月8日)
[ Terahata ]