「世界心臓連合」(World Heart Federation)は、「欧州サッカー協会」(UEFA)とともに、欧州連合(EU)の支援を得て、5歳から11歳までの子供向けの料理の本「食べてゴール!(Eat for Goals!)」を英語、フランス語、ドイツ語で出版した。
この本のテーマは「健康的なライフスタイルをおくるための基本は健康的な食事」。女性を含む13人の世界的に有名なサッカー選手が協力した。トップのプロ選手には「健康的な生活とスポーツの両面で、良い食事と料理は重要」という共通認識があるという。
欧州のサッカーチーム「バルセロナ」のティエリ・アンリ選手とカルレス・プジョル選手、「レアル・マドリード」のルート・ファン・ニステルローイ選手、「バイエルン・ミュンヘン」のルーカス・ポドルスキー選手とミラスロフ・クローゼ選手とったスター選手が、13種類の料理メニューの食材や調理法などを詳しく紹介している。
欧州の若い世代の生活習慣の乱れは深刻で、小児肥満の年増加率は1970年代に比べ10倍に増えている。過体重、肥満、食生活の乱れ、運動不足、受動喫煙と能動喫煙といった不健康な習慣は、2型糖尿病、心臓病、脳卒中といった慢性疾患の要因となる。
世界心臓連合理事長のPekka Puska教授は「現在、欧州では子供の20%が過体重とみられている。子供やその親に、健康的な食事やライフスタイルを促すことが必要。『食べてゴール!』のような楽しくてやる気になる方法でイニシアチブを示すことは重要だ」と話す。
2型糖尿病などを予防するために、(1) 禁煙、(2) 野菜、果物、全粒粉、肉、魚、豆類を十分にとり、低脂肪、低塩分で栄養バランスの良い食事を続けること、(3) 運動を習慣的に行うことが有用。サッカーは運動量が多く欧州で人気の高いスポーツだ。
リバプールのチームでキャプテンを務めるスティーブン・ジェラード選手は、この本について「子供や若者のサッカーファンが読めば、チャンピオンがどんな食事をしているかが分かる」と語っている。
「健康的な生活をおくるために、食事と運動はとても重要。私の子供たちが大きくなり、この本をいっしょに読む日を楽しみにしている」とマドリードのファン・ニステルローイ選手は話す。フランクフルトの女性サッカー選手であるビルギット・プリンツさんは「健康的なライフスタイルは運動だけでなく、良い食事がともない実現できる。協力できて光栄だ」としている。
欧州委員会は今後、欧州での子供の保健教育を強化する方針。「UEFA、世界心臓連合、EUによる共同イニシアチブを歓迎したい。サッカー選手による料理の紹介は、若い世代に影響を与えるだろう」と欧州保健委員会のAndroulla Vassiliou長官は話している。
世界心臓連合(World Heart Federation)
[ Terahata ]