「お酒は適量を守れば、ストレス解消になる」「コミュニケーションをはかる上での潤滑油としての役割をしてくれる」という意見がある。でも、確実に言えるのは、お酒を飲み過ぎると血糖コントロールが乱れるということ。
年末・年始は血糖コントロールに失敗する人が少なくない。忘年会やクリスマス、正月休みなどの年末年始の行事が続き高エネルギーの料理をとってしまうこと、寒い時期なので運動量が減ることに加え、お酒の飲み過ぎなどが原因として考えられる。
アルコール1gに、約7kcalのエネルギーがある。飲酒により摂取エネルギー量が増え、血糖コントロールが不良になり、中性脂肪値が高くるおそれがある。食事でエネルギー調整が上手にできていても、お酒によって台無しになってしまうこともあるので、注意が必要だ。
アルコールには、炭水化物や脂肪のように体重を増やす作用がなく、ビタミンやミネラルなどの栄養素もない。だから「ごはんの量を減らすから飲んでも大丈夫」という考えは当てはまらない。
お酒を飲むときの注意点
適量を守る
ご飯1杯分(160〜200kcal)以下であれば、食事への影響を最小に抑えることができる。
ビールや発泡酒では1缶(350ml)、日本酒では1合、焼酎では120ml、ワインでは200ml、ウィスキーではシングル2杯までが無難な量。
自分がどれだけ飲んだか把握しておく
血中アルコール濃度が0.02から0.04%であると爽快な気分になる。缶ビールを1本、日本酒を1合飲むとそれくらいになる。それ以上になると抑制がとれ、飲み過ぎ、食べ過ぎにつながりやすい。「心が酔ったところで、さっと切り上げる」のがお酒に飲まれないコツ。
空腹で飲まない
食べながらゆっくり飲むことで、アルコールの吸収もゆっくりになる。しかし、つまみで指示エネルギー量を超えてしまうことが多いので注意が必要。脂肪の少ない主菜、ビタミンやミネラルの豊富な副菜を組み合わせるといい。
低血糖になることがある
血糖降下剤やインスリンで治療をしている人はアルコール飲料を飲むと、低血糖になることがある。なるべく飲酒を避け、飲むのであれば上限量を超えないように少量で止めることが肝心。
アルコールは高血糖、高脂血症の誘因となる。血糖コントロールが安定していないと、飲酒は勧められない。糖尿病の合併症がある人では、軽度であれば許可されることがある。まずは主治医に相談することが大切。
関連情報
「糖質ゼロ」の発泡酒は飲んでも大丈夫?(糖尿病NET)
[ Terahata ]