世界糖尿病デーの11月14日、シンボルカラーの青でライトアップするイベントが世界各地で開催された。
世界糖尿病デーは、拡大を続ける糖尿病の脅威をふまえ、国際糖尿病連合(IDF)が定めた。「糖尿病に対して団結して立ち向かおう(Unite for Diabetes)」をキャッチフレーズに、世界各地で糖尿病の予防、治療、療養について啓発活動が展開され
た。
運動のシンボルマーク「ブルーサークル」は、国連や空を
表す「青(ブルー)」と団結を表す「輪(サークル)」を意味している。国連は2006年12月に糖尿病を決議採決し、世界糖尿病デーは国連の日として実施されている。
インスリンはフレデリック・バンティングとチャールズ・ベストにより1921年に発見された。11月14日はバンティングの誕生日にあたる。この日、今年で2回目になるブルーライトアップが、国内約50ヵ所で実施された。
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(左) 東京タワー、手前は増上寺 (右) 東京都庁舎
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国内でライトアップされた建造物は、札幌時計台、盛岡市立病院、秋田市ポートタワー セリオン、鶴ヶ城(会津若松市)、宇都宮タワー、鎌倉大仏、長谷観音、鶴岡八幡宮、大船観音、松本城、浅間総合病院、諏訪赤十字病院、岐阜城、名古屋城、東寺五重塔、通天閣、姫路城、瑠璃光寺五重塔、海峡ゆめタワー、高知城な
ど。
IDFの発表によると、ブルーライトアップは日本を含む世界中で、500ヵ所程度で行われるだろうとと予想していたが、実際には1000ヵ所を超える建造物がライトアップされた。
world diabetes day blue By joka2000 on Flickr
http://www.flickr.com/photos/idf/
IDFが選んだ今年の世界糖尿病デーのテーマは「小児と若者の糖尿病(Diabetes in Children and Adolescents)」。糖尿病は現在では、成人だけでなく子供にとっても、もっともよくみられる慢性疾患になった。世界で1型糖尿病を新たに発症する小児と若者の数は毎年3%ずつ増えている。1型糖尿病ともに生きる世界の子供の数は44万人と推定。
2型糖尿病は以前は高齢になると発症しやすい病気とみられていたが、いまや子供や10代の若者でも劇的に増えている。日本でも子供の2型糖尿病は、20年で2倍に増えたと報告されている。
世界糖尿病デーでは、健診による糖尿病の早期発見と、適切な治療を続けることが重要であることが広く呼びかけられた。糖尿病は自覚症状に乏しいために、治療の開始が遅れる人が少なくない。そのため糖尿病合併症を引き起こし、失明や透析療法が必要になる例が後を絶たない。また、糖尿病は、脳卒中や心筋梗塞など命にかかわる病気の危険因子でもある。これらは、患者だけでなく、社会にとっても大きな損失になる。
適切にケアして血糖コントロールを良好に行えば、糖尿病合併症を防ぐことができる。日本では、日本糖尿病学会と日本糖尿病協会が中心となり設立した「世界糖尿病デー実行委員会」が、糖尿病への対策と撲滅を呼びかけている。世界糖尿病デーには、都道府県の医師会、糖尿病対策推進会議、医師らによる講演会、血糖検査や相談会なども各地で実施された。
[ Terahata ]