WHO(世界保健機構)がまとめた世界の慢性疾患についての調査によると、中国は糖尿病患者数が世界で2番目に多く、2003年の成人の糖尿病患者数は約2,380万人に上る(1位はインドの3,550万人)。2025年には4,610万人に増えると予測されている
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中国でも他の先進国や途上国と同じように、感染症に比べ慢性疾患の患者数の増加が加速しており、死者数は年間750万人に上る。特に、心臓病、脳卒中、糖尿病の患者数が増えており、これらによる今後の10年の経済的損失は5,500億米ドル(約61兆円)と試算している。
糖尿病患者が増えた要因として、経済の発展に伴う食生活の変化、運動不足、肥満の増加、喫煙が指摘されている。中国衛生部の調査によると、都市部では7歳から17歳の子供の20%以上、成人の27.5%がBMI25以上の肥満か過体重だ。また、喫煙の影響もかなり深刻で、2000年のデータでは中国の喫煙者数は3.5億人で、喫煙が原因で死亡する人は年間100万人と試算されている。
そこで、中国衛生部はWHOの協力を得て、2005年から15年の10年間に中国全土で、慢性疾患に対策するための国家プロジェクトを進行している。「慢性疾患を効果的に予防することが目的だ。このプロジェクトは、私たちの未来と子供たちの未来への長期投資となる」と中国衛生部次官のWang Longde博士は話している。
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詳細WHOのサイトへ(プレスリリース/英文)
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