厚生労働省「平成15年国民健康・栄養調査の概要」より
厚生労働省は従来より年1回「国民栄養調査」を実施しているが、国民の生活習慣などをより明かにするために平成15年から調査内容を拡充し「国民栄養・健康調査」として実施した。さきごろ発表された詳細報告から、糖尿病に関する主な項目を紹介する。
血糖値(食後3時間以上経過後)の平均値は、男性が106.6mg/dL、女性は103.5mg/dL。年齢別にみると男女ともに高齢者層ほど高く、70歳以上では男性114.5mg/dL、女性113.6mg/dL。また、HbA
1Cの平均は男性5.43%、女性5.34%だった。
血糖降下薬を服用またはインスリン注射をしている人は全体の4.1%を占め、性別では男性が5.2%、女性が3.3%と、やや男性に多い。男女ともに高齢者層ほど、血糖降下薬を服用またはインスリン注射をしている人の割合が高く、70歳以上では男性の8.0%、女性の6.7%が薬物療法中という結果になった。
なお、薬物療法をしている人を除いた場合のHbA
1Cの平均は5.29%という結果が出ており、この数値から薬物療法中の人のHbA
1Cの平均を計算すると、7.26%となる。同様の方法で薬物療法中の人の随時血糖値を算出すると、男性は165.6mg/dL、女性は169.6mg/dLとなる。
男性の半数近くは、BMI25以上か腹囲85cm以上
糖尿病との関連が深い肥満の状況については、今回の調査から、従来のBMIに加えて腹囲の計測も始められた。それによると、男性でBMI25未満かつ腹囲85cm未満の人は52.4%に過ぎず、特に50代(42.7%)、60代(43.1%)、40代(49.0%)といった年代の肥満傾向が顕著だった。女性ではBMI25未満かつ腹囲90cm未満の人が73.3%を占めるが、60代では61.7%、70歳以上では61.3%と、高齢になるにしたがい、肥満傾向が強まるという結果になった。
●参考
厚生労働省 平成15年国民健康・栄養調査報告、健康・栄養情報研究会編、第一出版、2006.2
[ Terahata ]