コーヒーをよく飲む人では2型糖尿病の発症が少ない傾向があるという研究が、米国の医学雑誌「Diabetes Care」2月号に発表された
。
この研究は「看護師の健康調査(Nurses Health Study II)」に登録された26歳から46歳の米国の女性8万8,000名以上を対象に、コーヒーとカフェインの摂取と2型糖尿病の発症リスクとの関連を調べたもの。
これまでもコーヒーをよく飲む人では、2型糖尿病の発症が減る傾向があることが報告されていたが、この研究では、コーヒーを1日に1杯飲む人では2型糖尿病のリスクが13%低下し、1日に2〜3杯飲む人では42%低下し、4杯以上飲む人では47%低下するという結果になった。
カフェインの摂取量については、コーヒー摂取量について調整したところあまり関連はみられなかった。また、エスプレッソやパーコレーターコーヒーでは、有意なリスク低下はみられなかった
。
発表したハーバード公衆衛生大学院(Harvard School of Public Health)の研究者らは、2型糖尿病の発症リスクを低下するために運動量を増やし、肥満を予防することが有効であることは明らかで、コーヒーが特に勧められるというわけではないとした上で、食習慣と2型糖尿病の発症についてさらに研究を行えば糖尿病の予防に有用な知見が新たに得られる
可能性があるとしている。
Diabetes Care 29:398-403, 2006
Diabetes Care(英文・要約)
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