沖縄県の2004年度に受診した30代以上の人の中で、BMI(肥満度指数)が25以上で肥満と判定された割合は男性で46.9%、女性で26.1%に上り、男女とも全国1位となっていることが、沖縄社会保険事務局のまとめで分かった。男性では2位の北海道より12.1ポイント、女性では2位の青森より3.4ポイント上回っている。
肥満に関連の深い2型糖尿病も、年を経るごとに増加している。1999年の同県総合保健協会の調査によると、空腹時血糖値126mg/dLの人の割合が4.5%、空腹時血糖値110〜125mg/dLの人が5.1%。また、糖尿病性腎症により末期腎不全におちいり透析を新規に始めた患者数は1995年113人だったのが、1999年には171人に増加した。
沖縄は「健康長寿県」と呼ばれており、女性は1975年から長寿日本一になっているが、平均寿命の伸びは0.93歳で全国46位にとどまる。平均寿命2位の福井は1.76歳、3位の長野は1.42歳伸びており、沖縄を追い上げている。
同県は長寿県の再生を目指し、生活習慣病対策として「健康おきなわ2010」を策定し、脂肪によるエネルギー摂取比率を減らす、1日の歩数を増やすなどの行動計画を示しているが、健康対策に関心をもつ人が増えていても、全体としては生活習慣の悪循環を断ち切れていないという。
健康おきなわ2010では、脂肪エネルギーの比率を20%から25%に抑えることや、1日歩行数を男性 9,000歩、女性 8,000歩に増やすなど、具体的な目標を掲げているが、現状では脂肪エネルギーの比率の平均が31.0%、歩行数の平均が男女それぞれ7,655歩、7,091歩など、多くの項目で目標に達していない。
今後は30歳を過ぎたら週に2〜3日、1回につき20分以上の運動する習慣や身に付ける、エネルギーや栄養バランスを考えた健康的な食事をとることを心がけるなどの取り組みを県民に広めたいとしている。
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詳細は「健康おきなわ2010」のサイトへ
肥満と2型糖尿病
肥満の程度が高くなるほど、耐糖能(血糖を処理する
能力)障害などが引き起こされ、糖尿病や動脈硬化症など、さまざまな生活習慣病を発症しやすくなる。明らかに肥満が原因で発症する糖尿病を「肥満糖尿病」といい、その患者数は日本の2型糖尿病の6割以上を占める。
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