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2006年06月30日
1型糖尿病の発症に母体環境が影響
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1型糖尿病の発症に、母体環境が影響していることを実証した実験マウスによる研究成果が、米国糖尿病学会が発行している医学雑誌「Diabetes」に発表された。研究者の籠橋有紀子氏(島根女子短大家政科)は、この研究により日本先天異常学会の2006年奨励賞を受賞した。
1型糖尿病は、膵臓のβ細胞が破壊されることから引き起こされる遺伝因子と環境因子を含む多因子性の病気と考えられている。
実験では、1型糖尿病の非肥満糖尿病マウス(NODマウス)の受精卵を、別のNODマウスと、糖尿病を発症しないマウスの子宮にそれぞれ移植し、生まれた子どもの成長を比較した。
その結果、NODマウスから生まれた子供は、1型糖尿病発症の前段階となる膵島炎が早期に発症する一方で、糖尿病の発症が抑制された。
母体内にあるホルモンの濃度の違いが膵島炎の進行に影響しており、膵島炎の発症が早まると、免疫反応が早期に出現し、結果的に1型糖尿病の発症が抑えられるのではないかと考えている
1型糖尿病の発症と病態進行について解明が進めば、事前に発症リスクの高い人をみつけ発症を防ぐ方法が見つかる可能 があるので、今後の研究が期待される。
Diabetes 54:2026-2031, 2005.
●詳細は「Diabetes」のサイトへ(英文)
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