4. 血糖自己測定指導加算
2回目の改更・1型と2型糖尿病を区分
2回目の改更・1型と2型糖尿病を区分
血糖自己測定指導加算の2回目の改更は2000年(平成12年)になされた。この際、1型糖尿病を除く2型糖尿病におけるインスリン自己注射指導に際して、血糖自己測定に基づく指導を行なった場合にはインスリン自己注射指導管理料に加算して、血糖自己測定を一日に1回、2回又は3回以上行なっているものに対して、それぞれ400点、580点又は850点を加算することとされた。
一方、1型糖尿病については血糖自己測定を1日4回以上行って入るものについて1140点を加算するとされ、頻回の血糖自己測定を必要とするものにおける対応についてさらなる配慮が加えられた。
なお、以上の保険点数には血糖自己測定に必要な簡易血糖測定機器、試験紙(センサー)、穿刺用器具、穿刺針、消毒用アルコール綿など必要な機器や備品の全てが含まれている。
一方、1型糖尿病については血糖自己測定を1日4回以上行って入るものについて1140点を加算するとされ、頻回の血糖自己測定を必要とするものにおける対応についてさらなる配慮が加えられた。
なお、以上の保険点数には血糖自己測定に必要な簡易血糖測定機器、試験紙(センサー)、穿刺用器具、穿刺針、消毒用アルコール綿など必要な機器や備品の全てが含まれている。
5. 血糖自己測定指導加算
3回目の改更・100回、120回の加算と3ヵ月分のまとめ算定、2型糖尿病の一部への適応拡大
3回目の改更・100回、120回の加算と3ヵ月分のまとめ算定、2型糖尿病の一部への適応拡大
新しい血糖自己測定指導加算 平成20年度診療報酬改定で、血糖自己測定の月100回、120回の加算が新設され、インスリン療法を長期続けている患者における、3カ月分のまとめ算定が認可された。
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すなわち1型糖尿病を中心に行なわれている1日4回注射など強化インスリン療法やポンプを用いた持続皮下インスリン注入療法(CSII)での血糖自己測定回数が3〜4回以上を必要とする症例についても、月100回以上、120回以上をもって対応することを可能としたこと、また安定した状態にあるインスリン長期投与者については3ヵ月分までをまとめて算定できることとしたのも高く評価されよう。
一方、日本糖尿病学会はかねてからインスリン非使用者に対する「在宅血糖自己管理指導料」の算定を強く要望してきたという経緯がある。その理由は長期的に糖尿病合併症の進展阻止を達成するためには、在宅でのセルフチェックを血糖自己測定によることが有用だとする見解によったものである。
今回はこれに対して厚生労働省として確かな理解を示したが、その内容は2型糖尿病で中等度以上(HbA1cが8%以上)のインスリン非使用者において、生活習慣病管理料(糖尿病の場合、処方せん交付有り800点、交付外1280点)に血糖自己測定指導を加算し、これを算定するものとした。
これは患者教育の観点から血糖自己測定器を用いて月20回以上血糖を自己測定させ、その検査値や生活状況を報告させるとともに、その報告に基づき、必要な指導を行い療養計画に反映させるものとされている。そして、その算定は年に1回に限り500点で、自己測定に必要な機器、試験紙(固定化酵素電極センサー)、穿刺器、穿刺針などの費用はこの当該点数に含まれ、別に算定することはできないというものである。
これでは臨床の現場での導入が難しいとされるところではあるが、厚生労働省の思惑はこのような2型糖尿病をインスリン非投与下に置くことの危険性を強く考慮しているものと推察される。
そこで具体的な対応法であるが、HbA1cが8%以上の2型糖尿病にまずは血糖自己測定を保健適応下で導入し、これにて改善が見られなければ速やかにインスリン投与を行なうという必然性の高い治療をよりスムーズに行うことが期待される。
従来はインスリン投与を開始しなければ保健適応下での血糖自己測定は導入できなかったわけであるから、たとえこのような形の血糖自己測定加算であっても十分に評価できるものといえる。また、このことは2型糖尿病においてHbA1c8%以上が放置されてはならないということへの強力なメッセージにもなっている。
6. MeasureかMonitorか
糖尿病コントロールへのフィードバック
糖尿病コントロールへのフィードバック
血糖自己測定は、英文にてはSelf Monitoring of Blood Glucose(SMBG)と表記される。一時期Self Measurement of Blood Glucoseとされたこともあるが、Measurementには医療機関内の検査施設や、医療機関外の臨床検査センター等における臨床検査機器による測定、あるいはPoint of Care Testing(POCT)のために用いられる評価の定まった機器による測定の意味合いがあり、通常の血糖自己測定に用いられている簡易血糖自己測定器による測定はこの範疇には入らない。
簡易型の血糖自己測定器による血糖測定の目指すところは、日常生活に密着した血糖の日内変動をMonitorすることで、自らの糖尿病状態の把握と理解を容易なものとし、自己管理への動機づけを高め、質の高いコントロールを得ることにある。
その主要な適応症例は、インスリン投与がなされている1型及び2型糖尿病で、中でもCSIIを含めた強化インスリン療法には欠かせない自己管理手段である。また、妊娠を希望している糖尿病婦人、糖尿病妊婦も絶対的な適応であり、日常臨床の場ではシックデイなどにおける重症高血糖の回避や低血糖の認知と予防、さらには仕事上の理由などで医療機関を訪れることが困難な例が上げられる。
以上の結果、適正なインスリン処方並びに患者自らの手になるインスリン使用量の微調整もなされ得る中で、代謝異常の早期是正すなわちフィードバックコントロールが可能になる。これにより長期的にみて糖尿病合併症の防止と、引いては医療費の有効利用とその軽減がもたらされることになる。
なお正確な血糖自己測定のための条件を列挙すると以下のごとくである。
(1) 正しい手技により正確な血糖値が得られること
(2) 患者が必要な測定回数と目標とする血糖値を理解していること
(3) 血糖値と種々のできごとの関連性を理解できること
(4) 血糖の変化に対処できること
(5) インスリン投与量の微調節のためのアルゴリズムが用意されていること
(6) 測定結果を患者とともに十分に検討できること。
簡易型の血糖自己測定器による血糖測定の目指すところは、日常生活に密着した血糖の日内変動をMonitorすることで、自らの糖尿病状態の把握と理解を容易なものとし、自己管理への動機づけを高め、質の高いコントロールを得ることにある。
その主要な適応症例は、インスリン投与がなされている1型及び2型糖尿病で、中でもCSIIを含めた強化インスリン療法には欠かせない自己管理手段である。また、妊娠を希望している糖尿病婦人、糖尿病妊婦も絶対的な適応であり、日常臨床の場ではシックデイなどにおける重症高血糖の回避や低血糖の認知と予防、さらには仕事上の理由などで医療機関を訪れることが困難な例が上げられる。
以上の結果、適正なインスリン処方並びに患者自らの手になるインスリン使用量の微調整もなされ得る中で、代謝異常の早期是正すなわちフィードバックコントロールが可能になる。これにより長期的にみて糖尿病合併症の防止と、引いては医療費の有効利用とその軽減がもたらされることになる。
なお正確な血糖自己測定のための条件を列挙すると以下のごとくである。
(1) 正しい手技により正確な血糖値が得られること
(2) 患者が必要な測定回数と目標とする血糖値を理解していること
(3) 血糖値と種々のできごとの関連性を理解できること
(4) 血糖の変化に対処できること
(5) インスリン投与量の微調節のためのアルゴリズムが用意されていること
(6) 測定結果を患者とともに十分に検討できるこ
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2008年08月
※2012年4月からヘモグロビンA1c(HbA1c)は以前の「JDS値」に0.4を足した「NGSP値」で表わされるようになりました。過去のコンテンツの一部にはこの変更に未対応の部分があります。