2024年7月10日更新
◎代表世話人 
和田 隆志
(国立大学法人金沢大学 学長)
 わが国では、慢性透析患者数は2021年までは増加傾向でした。2022年末には前年より(比2226人)減少するという新たな局面を迎えております。そのなかで、新規透析導入患者の主要原疾患として糖尿病性腎症(糖尿病関連腎臓病)が1998年以降第一位を占めています。年々その導入は減少しているものの、本症の予防、進展抑制、克服を目指した一層の包括的対策は重要な課題です。そうした包括的な対策には、糖尿病専門医、腎臓専門医並びに両分野に関わる基礎研究者、メディカルスタッフの協力が不可欠です。
 1989年、本症の包括的対策の協議を目的として、腎臓病と糖尿病の専門医16名により本研究会がスタートしました。その後、毎年研究会が開催され、現在では400名を超える参加者が集うまでになっております。わが国における本症に関する最も充実した研究会として発展し続けています。本症への対策の必要性はわが国ばかりでなく、世界の多くの国々でも共通の課題です。そのため、海外の研究者との活発な交流の重要性は論を俟ちません。実際、これまでも多くの著名な国際的な研究者にご参加いただき、様々な視点から活発な議論が行われてきています。
 本症では、基礎研究、臨床研究の推進とともに、多職種によるチーム医療も重要です。さらに、多職種チーム医療による本症の介入効果のエビデンスも蓄積されつつあります。また、超高齢社会とも関連して、サルコペニア、フレイル、認知症などへの視点も重要性を増しています。ゲノム解析による病態解析もより一層進み、治療薬の選択肢も増えています。今後も本症の予防、さらなる予後改善、克服に向けて、研究のさらなる進展による病態の理解、エビデンスの蓄積と治療の進歩が期待されています。本症に関心のある様々な分野から、さらに多くの方々に本研究会にご参加いただきたいと願っております。



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