糖尿病専門医による知見を集約した糖尿病リソースガイドの「糖尿病情報スクランブル」では、「糖尿病診療の目」の第5回「特定健診からみた血糖と体重の関係」を公開しました。 連載「糖尿病診療の目」へ ▶
「糖尿病診療の目」では、長年、糖尿病専門医として臨床に携わってきた松葉医院院長の松葉育郎先生に、その経験から得られた知識を披露していただきます。糖尿病医療に長年携わってきた専門医は、どのような視点を持って患者さんの情報を整理・把握し、診療に何を目指しているのでしょうか。糖尿病診療のヒントとして、今後に役立つ知識として、頭の中の引き出しにしまっておきたい情報を定期的にお届けします。
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糖尿病診療の目 第5回 「特定健診からみた血糖と体重の関係」(本文より)
血糖と体重の関係を糖尿病ではどうなっているのかをお話する前に、一般的には健康な方ではどうなっているのか考えてみます。そこで、参考にしたいのが、今、日本では40歳以上に毎年、実施を期待されている特定健康診査・特定保健指導(特定健診・保健指導)です。実際に、生活指導で体重を下げると、どのくらい血糖値が動くのかを知ることができます。
期待が高まる特定健診・保健指導
平成20年4月から特定健康診査・特定保健指導が始まりました。糖尿病等の生活習慣病については、若い時からの生活習慣を改善することで、その予防、重症化や合併症を避けることができると考えられています。生活習慣を見直すための手段として、特定健康診査の実施や、特定健診の結果でメタボリックシンドローム該当者およびその予備群となった方々に対して、個人個人の状態に合わせた生活習慣の改善に向けた特定保健指導が実施されるようになりました。その改善の効果も定期的に評価していくという国家規模の画期的な取り組みが始まりました。
健診で拾い上げ、保健指導で改善する
特定健診と質問票の結果、メタボリックシンドローム予備軍など、生活習慣改善の必要性が高いと判断された対象者については、対象者が自ら生活習慣を振り返り、行動目標を立てることができるよう「動機づけ支援」が行われています。内臓脂肪増加と検査データの悪化との関係について理解を深め、体重が増加してきた背景を考え、すぐに実行できる行動目標を立てていきます。この動機づけ支援では、はじめに面接を行い、それから6カ月後に実績評価を行うことになっています。
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