コーヒーショップで売られているアイスコーヒーの多くは一般に知られている以上に高カロリーであり、食事1回分に相当するカロリーが含まれる場合があるので注意が必要と、英国の世界がん研究基金(WCRF)が警告している。
WCRFは英国内の大手コーヒーチェーンであるスターバックスやカフェ・ネロ、コスタ・コーヒーなどが販売しているアイスコーヒー飲料を対象に調査を実施した。英国人が健康的な体重を維持するために必要な1日当たりのエネルギー摂取量は男性が2500kcal、女性が約2000kcal程度。一方で、調査したアイスコーヒーのうち、もっとも高カロリーだったものは561kcalあり、450kcal以上のものも多く、ほとんどが200kcal以上あったという。
温度が低いと甘味を感じにくくなるので、アイスコーヒーには多くの砂糖を入れ甘味を強くして飲むことが多い。コーヒー飲料そのもののカロリーは多くないが、砂糖や脂肪分を含むミルクを入れると高カロリーになる。販売されているアイスコーヒー飲料には、ホイップクリームやフレーバーシロップを入れ、さらに高カロリーになっているものがある。ホイップクリームを取り除くことで561kcalから288kcalに抑えられた例なども紹介している。
WCRFはがん予防の観点から、まず「禁煙」を勧め、さらに「肥満の
予防」を勧めている。BMI(体格指数)が18.5から25の適正体重を維持することが、がんを予防するうえで重要であり、英国成人の肥満や過体重を解消できれば年間およそ1万9000人のがんを予防できる可
能性があるという。肥満は2型糖尿病や脂質異常、高血圧などにもつながる。
WCRFのレイチェル・トンプソン博士は「こうした飲み物に含まれるカロリーが、女性の1日のエネルギー摂取量の4分の1以上に相当する場合があることを知っておいたほうがよい。コーヒー飲料を飲むときは、クリームや果糖シロップなどの糖質を少なくし、脱脂乳(スキムミルク)を利用するなど、甘くない低カロリーのものにしたほうがよいだろう」と述べている。
世界がん研究基金(WCRF)
アイスコーヒーが1日のエネルギー摂取量の4分の1に相当(英文、リリース)
1年に1万9000人のがんに過体重が関連している(英文、リリース)
関連情報
がん予防に肥満対策が必要 世界がん研究基金(日本生活習慣病予防協会)
[ Terahata ]