武田薬品工業は、欧州でのDPP-4阻害剤「アログリプチン(SYR-322)」とインスリン抵抗性改善剤「塩酸ピオグリタゾン(商品名:アクトス)」の合剤について、開発戦略を再検討し、長期投与の追加臨床試験を開始したと発表し
た。
追加臨床試験では、メトホルミン単独療法では血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者2500名弱を対象に、「SYR-322」を追加投与する群と「グリピジド」(スルホニル尿素薬)を追加投与する群とに分け、2年間にわたり比較検討する。申請時期は今年半ばから2012年頃になる見込み。
GLP-1は食後に分泌されるホルモンで、膵臓のβ細胞を刺激しインスリン分泌を促進する作用がある。GLP-1はすぐに分解されてしまうが、DPP-4という酵素を阻害することでGLP-1の血中濃度を維持し、血糖値の上昇を抑制できる。
欧州ではDPP-4阻害剤の「シタグリプチン」(日本では申請中)、「ビルダグリプチン」(ノバルティス、日本では
申請中)が発売されており、「サクサグリプチン」(ブリストル・マイヤーズスクイブ、アストラゼネカ)などが申請されてい
る。
武田薬品工業(株)
[ Terahata ]