日本赤十字社は、2009年3月より、献血時の検査項目に、糖尿病関連検査項目としてグリコアルブミン検査を追加すると発表した。年間約500万人に及ぶ献血者の中には、糖尿病に気付かず放置している人も少なくないと考えられ、その早期発見が期待できる。
現在、献血時には血液型や感染症の有無を確認するための検査に加え、献血者へ健康状態を伝えるための検査として、血圧やコレステロール値の測定、肝機能検査などを行っている。2009年3月からこの検査項目に、新たに糖尿病関連検査を加え、グリコアルブミン測定を実施することになった。
グリコアルブミン検査は、血液中の糖と結合した蛋白質の割合を調べる検査。旭化成ファーマの「ルシカ
®GA-L」が採用された。
同検査は採血時から過去1カ月(とくに直近の2週間)の血糖値の平均値と相関する。採血時の血糖値によって結果が左右されないため、食事の影響を受けずに血糖値の異常を確実に把握することができる利点がある。また簡便に低コストで測定できることもあり、今回の決定のような献血者全員に実施するといった、糖尿病のスクリーニング的な利用にも適している。
現在、国内の糖尿病患者数は予備群を含めて1,870万人に上るとされているが、自覚症状がないためその多くが放置されている。将来的に合併症をもつ患者数が増大することが危惧され、糖尿病に気付かずにいる人たちへ早期受診を促すことが喫緊の課題。献血で糖尿病の有無をチェックできる体制の整備が、この現状の解消につながるこが期待される。
旭化成ファーマ(株)のプレスリリース
関連情報
グリコアルブミン情報ファイル(糖尿病NET)
より良い血糖コントロールの維持・確認のために〜グリコアルブミン検査の重要性〜(糖尿病NET)
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