ED(勃起不全)治療を希望する男性や、治療中の男性の実生活をより詳しく知るために実施された国際調査「EDと基礎疾患を有する男性」の結果が発表された。
この調査について、バイエル・シエーリング・ファーマ社(本社:ベルリン)が、ブリュッセルで開催された欧州性機能学会(ESSM)国際性機能学会(ISSM)合同学術会議で発表し
た。
患者の8割は医師に相談している
EDとは、性交に十分なペニスの勃起が得られないもしくは維持できず、満足な性交ができない状態をさ
す。
- 現在、世界でEDに悩まされている男性は1億5000万人以上。患者数は高齢化とともに増加すると予想され、40歳以上男性の半数はEDの問題に直面すると考えられている。
- EDは加齢とともにみられる症状と思われがちだが、糖尿病、脂質異常症、高血圧、肥満などを合併しているおそれがあり、警告や前兆ととらえる必要もある。男性が自信を取り戻し、健康的な性生活を取り戻すために、全身的な診断と治療が必要となる。
ED疾患情報サイト「EDネットクリニック」
医療機関でEDの治療を受ける患者は、海外に比べ日本ではまだ多くない。しかし、経口のED治療薬が開発され、泌尿器科に限らず内科でも、EDの相談を受けられる医療機関は増えている。
バイエル薬品はED疾患啓発の情報サイト「EDネットクリニック」を公開している。EDと診療に関する基礎知識のコーナーのほか、「EDを相談できる病院検索」では、約8500件の医療機関の情報に加えアイコンを使った付加情報や所在地図も提供している。
ED疾患情報サイト「EDネットクリニック」
調査では、ED患者のうち半数近くがEDと基礎疾患との関連を知らない一方で、早期治療に何が重要であるかについては、もっとよく知りたいと思っていることか分かった。また、70%の男性は「EDが命に関わるような疾患と関連があることを知っていれば、もっと早く受診した」と回答した。
ED患者のうち医師に相談したことがある人は80%に上った。これはEDが男性にとって、もはやタブーではないことを示している。EDの原因が他の疾患にあるかもしれないという不安は、患者が医師に相談する重要なきっかけとなる。
国際Men's Health学会会長のジークフリート・メリン教授は、「この調査結果から、泌尿器科医はあまり知られていないEDと基礎疾患との関係に焦点を当て、総合的な治療アプローチをすることができる。患者にEDについて話すことを促し、基礎疾患に対する最適な治療法をみつけることができる」と結論づけている。
ED治療薬の効果と安全性
バイエル・シエーリング・ファーマ社は、EDの治療薬「レビトラ®錠」などを販売している。欧州性機能学会では、47ヵ国の男性約7万4,000人の実生活について調べた国際試験「REALISE」についても発表された。この試験は、EDのみを患う患者と、他の疾患を併発している患者を対象に、レビトラの有効性と安全性を評価するためのもの。
その結果、レビトラ錠の初回投与で、高い勃起機能の改善が認められ、さらに高い忍容性も認められた。EDと基礎疾患を併発している群においても、多くの患者が治療効果に満足した(高血圧合併患者92%、糖尿病合併患者91%、脂質異常症合併患者93%)。さらに、レビトラ錠は高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの有無に関わらず忍容性が高く、実生活においても安全な薬剤であることが示された。
バイエル・シエーリング・ファーマ社の啓発キャンペーン「whole man」を支援しているクロード・シュルマン教授は、ED患者におけるテストステロン欠乏症(TDS)の影響について発表した。シュルマン教授は泌尿器科医に対し、TDSの治療は基礎疾患にも有益である可能性があるため、EDと基礎疾患を併発している患者には、ED治療と、テストステロン検査を行う重要性を強調した。
バイエル薬品(株)
このページの記事はバイエル薬品が12月9日付で発表したプレスリリースを参考にしています。
関連情報
糖尿病 男の悩み(糖尿病NET)
[ Terahata ]