英国栄養士会(British Dietetic Association)は、英国内の子供のメディアの利用状況についての調査を行いレポートを発表した。この調査は、食事を中心に子供の健康的な生活習慣を促進するキャンペーン「Weight Wise: The Next Generation」に合わせて実施したもの。子供の生活習慣が、テレビやゲームなどのメディアの影響を受け悪化していることについて懸念が表されている。
同調査は英国の主に13〜19歳の子供3,114名を対象に実施された。それによると、英国の子供は、テレビ、パソコン、携帯ゲーム機、インターネット、DVDなどの視聴に、平均して毎日約4.8時間を費やしているという。
テレビの視聴に費やしている時間は、平均して毎日約2時間。テレビを見ながら夕食をとる子供は3割を超えており、毎朝学校に行く前にテレビを25分以上見ている子供は約7割に上った。
また、テレビゲームに毎晩90分以上を費やしている子供は3人に1人で、インターネットを毎晩1時間以上利用している子供は4人に1人の割合だった。
さらに、約7割の子供が運動不足であり、その半分以上が余暇の時間を利用して自分で実際に運動しようという意欲をもっていないことも分かった。通学も徒歩や自転車ではなく、バスなどの交通機関を利用したり、親に車で送ってもらっている子供が半数以上を占める。
英国栄養士会のFrankie Phillips博士(栄養学)は、「数々のハイテク機器が若者文化に与える影響は大きく、多くの子供がテレビなどの画面の前に座ったままで、毎日多くの時間を過ごしていることに驚いた」とコメントを寄せている。
「運動不足の子供が増えており、子供たちに実際的なアドバイスが与えられていないことも分かった。テレビなどの画面の前で過ごす時間の半分を運動にあてることができれば、もっと健康的になれる。栄養学の専門家が、食事や食品についての知識や、運動などの健康的な習慣を子供に身に付けてもらう助けになれるはずだ」。
英国の保健・社会福祉情報センター(Health and Social Care Information Centre)が約2,000人の子供を対象に行った別の調査では、この10年間に過体重(BMIが25以上、30未満)および肥満(BMIが30以上)の子供の割合がほぼ倍増し、肥満や2型糖尿病などの増加の要因になっていることが示された。
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[ Terahata ]