徳島県内で2005年に糖尿病で亡くなった人の割合は10万人当たり18.0人と、全国平均の10.8人を大きく上回り、1993年から13年連続で全国ワースト1位になったことが、厚生労働省の人口動態統計(概数)で分かった。2004年の16.6人(全国平均10.0人)から1.4人増えた
* 。
県の「県民健康・栄養調査」(2003年)によると、「糖尿病が強く疑われる人」と「可能性を否定できない人」を合わせた40歳以上の人は約11万6,000人と、県民の4人に1人の割合。「糖尿病実態調査」(2002年)で概算された全国の1,620万人、6人に1人と比べ高い比率だ。
糖尿病死亡率が上昇した要因として、運動不足で肥満率が高いことなどが挙げられる。同調査では、県民の1日当たりエネルギー摂取量は全国平均と同じくらい。一方、県民の1日当たりの歩行数の平均は男性6,507歩、女性5,931歩と、全国の男性7,676歩、女性7,084歩より少ない。
肥満率は男性37.2%(27.8%)、女性26.1%(22.2%)と全国平均より高い。乗用車が普及し、運動をする機会が減ったことが、糖尿病死亡率を押し上げる一因になっているとみられている。
県が2001年にまとめた「健康徳島21」には、2010年の糖尿病の有病者率を7%に減らし、6万2,000人に抑えることが盛り込まれてある。また、県民に健康への危機意識を高めてもらうため昨年11月、糖尿病緊急事態宣言をした。
今年1月には「みんなでつくろう! 健康とくしま県民会議」を設立し、生活習慣病の改善などに取り組む事業所の認証制度を創設。糖尿病対策として同県が作成した「阿波踊り体操」や、阿波尾鶏など郷土の食材を活用した「ヘルシー阿波レシピ」などを考案した。
●詳細は厚生労働省のサイトへ
「平成17年人口動態統計」(概数)の概況
* 全国の糖尿病による10万人当たりの死亡率は、男性 11.6(全死因の10位)、女性 10.0(同9位)だった。
死亡率でみた死因の1位はがん(男性 319.0、女性 200.2)、2位は心疾患(男性 136.2、女性 138.0)、3位は脳血管疾患(男性 103.3、女性 107.1)。
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