災害時における難病患者の行動・支援マニュアルの作成及び啓発事業
三重県は、災害時に1型糖尿病患者が被災し避難所に避難した場合に、周囲の病気に対する理解と、避難所支援者の適切な対応を求めるための啓発用チラシを約2000枚制作し、県内で配布を始めた。
チラシの作製は、同県が2005年度に日本IDDMネットワークなどNPO法人から募った提案で実現した。
成人以降の発症の多い2型糖尿病と異なり、1型糖尿病は子供や若年の患者が多い。チラシでは、1型糖尿病患者は1日数回のインスリン注射を生涯にわたって必要とすることを、周囲に適切に理解してもらうことが大切としている。
インスリンは医師の処方せんが必要な薬で、一般の薬局には置いてないところが多い。1995年の阪神大震災のときは、医師の処方が受けられずインスリンの入手が困難だったケースが多かったという。
そこで阪神大震災を教訓に、災害時に患者がインスリンを入手するための手段を具体的に紹介している。
(1)まず主治医への連絡が大切。かかりつけ薬局への相談も有効。
(2)主治医などに連絡がとれない場合は、近くの医療機関、医療救護班を紹介してもらい処方せんを書いてもらい、インスリンを入手できる場所を尋ねる。
(3)それでも困難な場合には、市町村や県の災害対策本部へ連絡する。
さらに低血糖が起きたときの対処法なども紹介している。
同県は作成したチラシを、災害医療や災害時要援護者対策の研修の場などで配布し、1型糖尿病の事例から難病患者全体の災害時の対応について考えるきっかけにしたいとしている。
同県は、チラシの作成にあたり平成17年度に患者・家族、医療機関、医薬品メーカーなどの関係団体などに参加してもらい検討を重ねた。検討会の要旨は
NPO法人日本IDDMネットワークのホームページで公開されている。
- 検討会参加団体(者)
- 患者・家族、三重県難病団体連絡協議会、独立行政法人国立病院機構三重病院、三重県薬剤師会、三重県看護協会、ノボ ノルディスク ファーマ(株)、日本イーライリリー(株)、サイフィ・アベンティス(株)、日本メドトロニック(株)、三重県防災ボランティアコーディネーター養成協議会、(特)災害ボランティアネットワーク鈴鹿、(特)日本IDDMネットワーク、三重県生活部NPO室、三重県健康福祉部健康福祉総務室、同健康づくり室、同薬務食品室、三重県防災危機管理局地震対策室、三重県難病相談支援センター 他
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詳細は三重県のサイトへ
チラシ表(PDFファイル)
チラシ裏(PDFファイル)
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