岐阜県国際バイオ研究所と三重大学生命科学研究支援センターは、脳血管障害のほか心筋梗塞、高血圧症、2型糖尿病、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)などの発症リスクを予測する新しいシステムを開発したと発表した。
「生活習慣病のオーダーメード予防システム(遺伝的リスク検出法)」と命名し、生活習慣病の発症
予測や、個々の遺伝情報に基づくオーダーメイド予防に役立てることを期待している
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糖尿病などの生活習慣病の多くは、食事、運動不足、喫煙などの環境要因に加え、遺伝的な要素が大きく関与していることが分かっている。遺伝情報に基づくオーダーメイド予防が実現すれば、発症リスクが高い人により効果的な生活指導を行うことができるようになる
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研究には、県立岐阜病院、県立多治見病院、弘前大学、遺伝子解析技術をもつ民間会社「G&Gサイエンス」(福島市)が協力した。
開発にあたり、協力が得られた岐阜県の2,900人と、青森県内の約2,100人の患者を対象に疫学研究を実施し、生活習慣病に関連する可能性のある遺伝子の中で多型(個人によって異なる塩基配列の違い)を202個を選定し、生活習慣病との関連について調べた。
例えば脳血管障害では、アテローム血栓性脳梗塞で8個、脳出血で9個、くも膜下出血で10個の関連する多型を同定するとともに、これらの多型情報により、遺伝的リスク(オッズ比)が低い人の例を1とした場合、遺伝的リスクが最も高い人の例では、アテローム血栓性脳梗塞で97倍、脳出血で39倍、くも膜下出血では165倍発症しやすいということが分かったという。
また、判明した遺伝因子情報(多型)に、性別や喫煙、高血圧、糖尿病などの有無などの危険因子の情報を加えて総合的に判定すると、さらに大きなリスクの差が認められることが判明した。
研究の成果について、3月に開催される第70回記念日本循環器学会総会などで発表される
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(財)岐阜県国際バイオ研究所
[ Terahata ]