厚生労働省と農林水産省は共同で、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかという目安を分かりやすくイラストで示した「
食事バランスガイド」を策定した。健康的な食事をイメージで具体的に示し、食生活指針を行動に結びつけるものとして期待されている。
食事バランスガイドの原点は、厚生労働省、農林水産省、文部科学省の3省が平成12年に策定した「食生活指針」。この指針では穀類、野菜などの摂取量や栄養バランスの重要性が掲げられていたが、国民への認知度は低いままだった。
そこで、厚生労働省と農林水産省は、「フードガイド(仮称)検討会」(座長:吉池信男 独立行政法人国立健康・栄養研究所研究企画・評価主幹)を設け検討を進めていた。
食事バランスガイドは、食事のバランスが悪くなると倒れてしまうことから、コマをイメージして描かれている。以下の点に配慮し、使いやすいように工夫されている。
1日の食事の量的目安を簡潔に示した
食品を主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の区分に分けて、それぞれ1日に摂る量の目安を数値「つ(SV:Servingの略)」で示した。さらに、どの食品がどの区分に含まれるかが一目で分かるようにイラストで表示した。
自分が摂っている食事内容とコマの中の料理と比較して見ることで、何が不足し、何を摂り過ぎているかが簡単に分かる。
日常生活で手軽に利用でき、栄養についてよく知らない人でも関心をもってもらえる内容にした
食品の摂取量の目安を、日本人が慣れ親しんでいる「1つ、2つ・・・」という単位で示した。例えば主食の場合、おにぎり1個(40グラム)が「1つ(1SV)」で、うどんやパスタは2つに相当する。カレーライスを食べたときは、主食・副菜・主菜を2つずつ摂ったことになる。このように栄養についての知識がなくても、1日の摂取の過不足を自分でチェックできる。
幅を許容することで、食事バランスが乱れている人の食事改善につながる
表示された図は、必ずしも1日の食事の摂り方の典型例を示したものではない。毎日の食事でバランスをとることが大切であるメッセージを込め、名称に「バランス」という言葉を含め、回転することで初めてバランスを確保される「コマ」のイメージを採用した。
外食やフードビジネスでの利用も想定している
生活習慣病、特に2型糖尿病やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の予防に役立てるために、家庭以外での普及も必要となる。中高年、単身者、子育てに追われる世代にも利用してもらえるよう普及活動が
予定されている。
食事バランスガイド 縮小・簡易化したパターン
|
●詳しくは厚生労働省のサイトへ
「食事バランスガイド」について
●
食事バランスガイド((財)食生活情報サービスセンター)
[ Terahata ]