睡眠障害が糖尿病の危険因子となる可能性があるという、スウェーデンで実施された研究の報告2件が、「Diabetes Care」11月号に掲載された。睡眠障害は、男性の糖尿病発症リスクを増大させるが、女性では影響はそれほどみられなかったという。
研究者らは、睡眠障害がインスリン抵抗性に影響を及ぼすと考え、睡眠愁訴や他の考えられる糖尿病の危険因子に関する質問表を、任意に選んだ45〜65歳の被験者に送付し、12年間にわたり調査した。
年齢および高血圧、いびき、BMI、うつ病を含む危険因子について解析した結果、糖尿病の相対リスクは、睡眠時間が5時間以下の男性、または睡眠維持困難の男性の方が高いことが明らかになった。しかし、女性では睡眠変数と新たな糖尿病の発現との間に有意な関連はみられなかった。
もう1つの論文では、糖尿病の発症と睡眠障害の関連について、女性1,462名を32年間にわたり調査した。対象者は1968年の時点で38〜60歳で、2000〜2001年までに8.7%に糖尿病が発現した。
1日の睡眠時間、睡眠愁訴、睡眠薬の使用と糖尿病の発症との間に有意な関連はみられず、睡眠障害のある女性とない女性の間では、体重増加についても有意差はみられなかったが、肥満については、睡眠障害との関連が示されたという。
詳細は「Diabetes Care」へ(英文・要約)
http://care.diabetesjournals.org/cgi/content/abstract/28/11/2739
http://care.diabetesjournals.org/cgi/content/abstract/28/11/2762
[ Terahata ]