厚生労働省は、アベンティスファーマが販売するカートリッジ型のインスリン製剤「ランタス注オプチクリック300」と専用の注入器「オプチクリック」について、使用方法によっては液漏れや誤作動が生じ、投与量不足や過量投与による健康被害が起きるおそれがあると注意喚起した。
ランタス注オプチクリック300
「ランタス注オプチクリック300」は、今年1月から9月下旬にかけて約46万本が出荷され、カートリッジ型のインスリン製剤に注射針を正しく取り付けないと液漏れなどが起きるという苦情が143件、高血糖による副作用の報告が2件あった。
オプチクリック
「オプチクリック」は、手で強い圧力を加えるなどすると注射液量を示すディスプレイの表示が、投与量の設定後に、設定前の状態(「00」の表示)に戻る誤作動が起こる
可能性がある。その場合そのまま再設定するとインスリンを過量に投与するおそれがある。この誤作動による健康被害はこれまでのところ報告されていないという。
製造販売しているアベンティスファーマは9月2日に、一部の製造番号の注入器でこの誤作動が起こることを確認し、該当する注入器の自主回収を開始した。
同省はアベンティスファーマに対して、医療関係者および患者向けに次の内容の文書を早急に配布するよう通知した。
(1)ランタス注オプチクリック300について、液漏れを防ぐため、ゴム栓中心部に注射針を真っ直ぐに取り付けること。
(2)オプチクリックについて、ディスプレイの表示が意図せずに「00」に戻った可能性のある場合は、必ず空打ち(試しうち)を行った後、投与量を再設定し、設定後は直ちに投与すること
。
アベンティスファーマ以外のインスリン製剤や注入器については、液漏れに関する苦情の件数は、この1年間に出荷された数百万本に対しいずれも10件未満であり、今回のケースと比べると著しく少ないが、今後とも使用方法を十分確認して使用するよう注意を呼びかけている
。
●詳細は厚生労働省のサイトへ
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