血糖自己測定(SMBG)適応拡大について
2016年03月14日
「一般社団法人日本糖尿病・妊娠学会」では、会員の要望を踏まえ、妊婦の糖代謝異常に対するSMBG適応拡大を交渉してまいりました。
関係各位の協力によりこの度大幅に進歩し、従来の項目に加え、「75gOGTT の基準3点のうち2点以上」、「75gOGTTの基準1点以上かつBMI≧25」が認められました。
厚労省との交渉にあたり、数名の会員に協力いただき、試算したところ下記の頻度になります。
1)75gOGTT の基準3点のうち2点以上
【厚労省科研データ】初期検査:全妊婦の1.7%、中期検査:全妊婦の1.7%
【長崎医療センター】中期スクリーニング陽性者の42%(全妊婦の約3%)
【大阪府立母子保健総合医療センター】中期検査:全妊婦の2.5%
【慶応義塾大学データ】中期検査:全妊婦の3.7%
2)75gOGTTの基準1点以上かつBMI≧25
【厚労省科研データ】初期検査:全妊婦の0.7%、中期検査:全妊婦の0.8%
【大阪府立母子保健総合医療センター】中期検査:全妊婦の1.2%
【慶応義塾大学データ】中期検査:全妊婦の1.2%
今後のSMBG使用に当たっては、2014年のワークショップのコンセンサス(糖尿病と妊娠15(1):70-90,2015)にしたがって、1日4検を基本に必要最小限のSMBG実施を目指していただきたく思います。
不要な頻回の検査で膨大な費用になれば2年後に削減される可能性がありますので留意ください。
妊婦の糖代謝異常に対する血糖自己測定(SMBG)適応拡大について
第2部 在宅医療
C101-3 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料 150点
注 妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)であって入院中の患者以外の患者に対して、周産期における合併症の軽減のために適切な指導管理を行った場合に算定する。
C150 血糖自己測定器加算
1 月20回以上測定する場合 400点
2 月40回以上測定する場合 580点
3 月60回以上測定する場合 860点
4 月80回以上測定する場合 1,140点
5 月100回以上測定する場合 1,320点
6 月120回以上測定する場合 1,500点
注1
1から3までについては、入院中の患者以外の患者であって次に掲げるものに対して、血糖自己測定値に基づく指導を行うため血糖自己測定器を使用した場合に
3月に3回に限り、第1款の所定点数に加算する。
イ.インスリン製剤又はヒトソマトメジンC製剤の自己注射を1日に1回以上行っている患者(1型糖尿病の患者を除く。)
ロ.インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている患者(1型糖尿病の患者に限る。)
ハ.12歳未満の小児低血糖症の患者
ニ.妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)
2 4から6までについては、入院中の患者以外の患者であって次に掲げるものに対して、血糖自己測定値に基づく指導を行うため、血糖自己測定器を使用した場合に、3月に3回に限り、第1款の所定点数に加算する。
イ.インスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている患者(1型糖尿病の患者に限る。)
ロ.12歳未満の小児低血糖症の患者
ハ.妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)
(別に厚生労働大臣が定める者に限る。)の説明
第2部在宅医療 P30-31
C101-3 在宅妊娠糖尿病患者指導管理料
在宅妊娠糖尿病患者指導管理料は妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病の患者であって、
下記の者のうち、血糖自己測定値に基づく指導を行うため血糖測定器を現に使用している者に対し て、適切な療養指導を行った場合に算定する。
妊娠中の糖尿病患者又は妊娠糖尿病患者のうち、以下の(1)又は(2)に該当する者 (1) 以下のいづれかを満たす糖尿病である場合(妊娠時に診断された明らかな糖尿病)
ア.空腹時血糖値が126mg/dL以上
イ.HbA1cがJDS値で6.1%以上(NGSP値で6.5%以上)
ウ.随時血糖値が200mg/dL以上
(注)ウの場合は、空腹時血糖値又はHbA1cで確認すること。
エ.糖尿病網膜症が存在する場合
(2) ハイリスクな妊娠糖尿病である場合
ア.HbA1cがJDS値で6.1%未満(NGSP値で6.5%未満)で75gOGTT2時間値が200mg/dL 以上
イ.75gOGTTを行い、次に掲げる項目に2項目以上該当する場合又は非妊娠時のBMIが25以上であって、次に掲げる項目に1項目以上該当する場合
(イ) 空腹時血糖値が92mg/dl以上
(ロ) 1時間値が180mg/dl以上
(ハ) 2時間値が153mg/dl以上
日本糖尿病・妊娠学会
理事長 平松祐司