一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会

一般社団法人 日本糖尿病・妊娠学会
「利益相反に関する指針」 運用細則

(目 的)
第1条

この運用細則は、一般社団法人日本糖尿病・妊娠学会(以下「本会」という)が「利益相反に関する指針」(以下「本指針」という)を対象者に遵守させるにあたり、本指針の具体的な運用方法を示すことを目的とする。

(本会学術集会などでの発表)
第2条

筆頭演者が開示する義務のある利益相反状態は、発表内容に関連する企業または営利を目的とする団体に関わるものに限定する。

2.本会の学術集会、本会が主催する講演会、本会が主催する市民公開講座で発表・講演を行う者は、演題応募または抄録提出時点に、その前の年から遡って過去3年間を対象に、発表者全員の利益相反状態の有無を明らかにしなければならない。(様式1)ただし、利益相反状態の届け出と開示を行う研究発表は「臨床研究」に限定する。ここでいう臨床研究とは国の「臨床研究に関する倫理指針」で定義される「医療における疾病の予防方法、診断方法及び治療方法の改善、疾病原因及び病態の理解並びに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学系研究であって、人を対象とするもの」であり、臨床試験及び治験を含むものである。

3.発表時に明らかにする利益相反状態については、本指針 IV. 開示・公開すべき事項で定められたものを、発表スライドあるいはポスターにおいて開示するものとする(様式2)。開示する利益相反状態は、学術集会については学会誌抄録号に掲載される抄録(もしくは講演要旨)提出前3年間のもの、その他については演題応募もしくは抄録提出前3年間のものとする。なお、演題応募および抄録提出のいずれも行わない講演発表についても、発表前3年間のものとする。ただし、各々の開示すべき事項について、自己申告が必要な金額を次のように定める。
対象者は、個人における以下の(1)から(9)の事項で、開示基準額を超える場合には、所定の様式に従って申告するものとする。なお、COI 自己申告に必要な金額は、以下のごとく、各々の開示すべき事項について基準を定めるものとする。

  • (1) 医学系研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とした団体(以下、企業・組織や団体という)の役員、顧問職、寄付講座に所属する者については、1つの企業・組織や団体からの報酬額が年間100 万円以上とする。
  • (2) 研究に関連した企業の株式の保有については、1つの企業についての1年間の株式による利益(配当、売却益の総和)が100 万円以上の場合、または当該企業の全株式の5%以上を所有する場合とする。
  • (3) 研究に関連した企業・組織や団体からの特許権使用料については、1つの特許権使用料収入が年間100万円以上とする。
  • (4) 研究に関連した企業・組織や団体から、会議の出席(発表、助言など)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)ついては、1つの企業・団体からの年間の講演料が合計50万円以上とする。
  • (5) 企業・組織や団体がパンフレット、座談会記事などの執筆に対して支払った原稿料については、1つの企業・組織や団体からの年間の原稿料が合計50万円以上とする。
  • (6) 企業・組織や団体が提供する研究費については、1つの企業・団体から医学系研究(共同研究、受託研究、治験など)に対して、申告者が実質的に使途を決定し得る研究契約金の総額が年間100万円以上のものを記載する。
  • (7)企業・組織や団体が提供する奨学寄附金(奨励寄附金)については、1つの企業または団体から申告者個人または申告者が所属する講座・分野または研究室に対して、申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金の総額が年間100万円以上のものを記載する。
  • (8)企業・組織や団体が提供する寄附講座に申告者が所属している場合とする。但し、申告者が実質的に使途を決定し得る寄附金の総額が年間100万円以上のものを記載する。
  • (9) その他、研究とは直接無関係な旅行、贈答品などの提供については、1つの企業・組織や団体から受けた総額が年間5万円以上とする。

但し、開示基準(1)「企業や営利を目的とした団体の役員、顧問職」とは,研究機関に所属する研究者が特定企業の役員、顧問職に就任し、契約により定期的にかつ継続的に従事し報酬を受け取る場合を意味しており、相手企業からの依頼により単回でのアドバイスなどの提供は開示基準(4)「企業や営利を目的とした団体より,会議の出席(発表,助言)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当,講演などの報酬」として申告すること。
さらに、(6)、(7)については、すべての申告者は所属する部局(講座、分野)あるいは研究室などへ関係する企業や団体などから研究経費、奨学寄附金などの提供があった場合に申告する必要がある。
なお、企業などから提供される研究費・寄附金に係る判断基準額については、申告者が実質的に使途決定し得る金額を申告すると明確に示した。申告された内容の具体的な開示、公開の方法については所定の様式に従う。

(機関誌などでの発表)
第3条

本会の機関誌やその他本会の刊行物に掲載される、本会会員が執筆するすべての原稿において、すべての著者は、投稿論文内容に関係する企業または営利を目的とする団体に関わる利益相反状態を開示する義務を有する。

2.本会の機関誌やその他本会の刊行物で発表を行う者は、投稿時に投稿規定に定める様式(様式1)により、利益相反状態を明らかにしなければならない。

  • (1) 様式は各誌において定めることもできる。
  • (2) 投稿時に明らかにする利益相反状態については、本指針IV. 開示・公開すべき事項で定められたものを自己申告するものとする。各々の開示すべき事項について、自己申告が必要な金額は、第2条第3項各号で規定された金額と同一とする。
  • (3) 開示が必要なものは、論文投稿3年前から投稿時までのものとする。
  • (4) 提出された様式(様式1)は原則として論文査読者には開示しない。

(研究責任者・研究代表者が回避すべきこと)
第4条

医学系研究、特に臨床試験、治験などの計画・実施に決定権を持つ研究責任者・研究代表者には、次の項目に関して重大なCOI 状態にない(資金提供者との利害関係が少ない)と社会的に評価される研究者が選出されるべきであり、また選出後もその状態を維持すべきである。
具体的に、研究責任者・代表者は、当該研究に関わる資金提供者との金銭的な関係を適正に開示する義務を負っており、以下に記載する事項については特に留意して回避すべきである。

  • (1)当該研究の資金提供者・企業の株式の保有および当該企業の役員等
  • (2)研究課題の医薬品、治療法、検査法等に関する特許権および特許料を取得している者
  • (3)当該研究の資金提供者・企業からの学会参加に対する正当なる理由以外の旅費・宿泊費等の受領者
  • (4)当該研究にかかる時間や労力に対する正当な報酬以外の金銭や贈与の取得者
  • (5)研究機関へ派遣された企業所属の派遣研究者,非常勤講師および社会人大学院生が当該研究に参加する場合、実施計画書や結果の発表において当該企業名を隠ぺいするなどの不適切な行為
  • (6)当該研究データの集計、保管、統計解析、解釈、結論に関して、資金提供者・企業が影響力の行使を可能とする状況
  • (7)研究結果の学会発表や論文発表の決定に関して、資金提供者・利害関係のある企業が影響力の行使を可能とする契約の締結

但し、(1)から(4)に該当する研究者であっても、当該医学系研究を計画・実行するうえで必要不可欠の人材であり、かつ当該医学系研究が社会的に極めて重要な意義をもつような場合には、その判断と措置の公正性および透明性が明確に担保されるかぎり、当該医学系研究の研究責任者・代表者に就任することができるが、社会に対する説明責任を果たさなければならない。また、企業との契約内容が(5)から(6)に該当する可能性がある場合には、実施結果の公表時に資金提供者の役割と関与の詳細を論文末尾に記載し公開しなければならない。

(役員等の利益相反事項の届け出)
第5条

この運用細則でいう特定委員会とは、編集委員会、コンプライアンス委員会、大森賞選考委員会など常置委員会の他、DREAMBee Studyなど本会が主催する調査研究委員会などを指す。

2.役員、学術集会長、次期学術集会長、次々期学術集会長、特定委員会委員長及び特定委員会の委員(以下「役員等」という)が開示・公開する義務のある利益相反状態は、本会が行う事業に関連する企業または営利を目的とする団体に関わるものに限定する。

3.本会の役員等は、新就任時(就任時の前年から過去3年間)と就任後は1年ごとに「役員等の利益相反自己申告書」(様式3)を提出しなければならない。また、在任中に新たな利益相反状態が発生した場合は、8週間以内に「役員等の利益相反自己申告書」によって報告しなければならない。

  • (1) 「役員等の利益相反自己申告書」に開示・公開する利益相反状態については、本指針IV. 開示・公開すべき事項で定められたものを自己申告するものとする。
  • (2) 各々の開示・公開すべき事項について、自己申告が必要な金額は、第2条第3項各号で規定された金額と同一とする。
  • (3) 「役員等の利益相反自己申告書」は就任時または更新年度の4月末日までに、当該年度の前年度(1月1日〜12月31日まで)から遡って3年間分を記入し、その算出期間を明示し、理事長あて申告する。

(役員等の利益相反自己申告書の取扱い)
第6条

この運用細則に基づいて本会に提出された「役員等の利益相反自己申告書」及びそこに開示された利益相反状態の情報(以下「利益相反情報」という)は、理事長を管理者とし、本会事務局において個人情報として厳重に保管・管理される。

2.利益相反情報は、本指針に定められた事項を処理するために、理事会及びコンプライアンス委員会が所定の手続きを経て利用できるものとする。

3.前項の利用には、当該申告者の利益相反情報について疑義もしくは社会的・法的問題が生じた場合に、コンプライアンス委員会の審議並びに理事会の承認を得て当該利益相反情報のうち必要な範囲を本法人内部に開示する、あるいは社会へ公開することが含まれる。

4.各種委員会の委員長等がその業務を遂行する上で委員の利益相反情報が必要な場合は、開示の対象とする委員、企業及び開示を必要とする理由を示してコンプライアンス委員会に開示請求する。コンプライアンス委員会でその是非を審議、決定し、原則として利益相反状態の有無のみを申請者に開示する。金額など詳細な情報の開示が必要な場合はその理由を明記して申請し、審議の上その是非を決定する。

(本指針違反者への措置)
第7条

本指針に違反した者への措置については、本指針の定めるところにより実施する。

(変更)
第8条

この運用細則は,理事会の決議により変更できる。

附 則

1.この運用細則は,平成27年11月20日から施行する。
平成29年12月4日改訂・施行
(第2条2・3、第3条の変更、第4条の追加、第5条3の変更、様式1の6,7,8の変更)

2017年12月 更新

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