第37回日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会開催のご挨拶
第37回日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会
会長 和栗 雅子
大阪母子医療センター母性内科主任部長
このたび、2021年11月27日(土)~28日(日)に開催されます第37回 日本糖尿病・妊娠学会年次学術集会の会長を務めさせていただきます。
今年はインスリン発見から100年目という記念すべき年であることより、テーマを「インスリン発見から100年『糖尿病と妊娠』治療~過去から未来へ~」とし、インスリンをはじめとした治療法の 過去からの変遷、現在の課題、未来への期待を中心に構成しました。
海外特別講演は、1型糖尿病妊婦におけるCGMデータを用いたCONCEPTT trialでも御高名な英国East Anglia大学のHelen R. Murphy教授にご講演いただきます。グルコースモニタリング(SMBG、CGM/FGM)、インスリンポンプ(CSII/SAP)等の進歩は目覚ましく、糖代謝異常妊婦の厳格な血糖管理を遂行するためのデバイスとして有用と考えますが、十分に使いこなせていない場合もあるようです。そこで、「インスリン治療を活かす最新の機器・手法のコツ」をテーマとしたシンポジウムを企画しました。
2021年3月に日本産科婦人科学会から、周産期データベースの解析を基に「妊娠中の体 重増加指導の目安」が策定されました。糖代謝異常妊婦の場合も当てはまるかは検討が必 要であり、妊娠糖尿病、糖尿病合併妊娠に関して、単施設あるいは多施設でのデータを基に検討した結果等も合わせ、内科、産科、栄養士の立場から「糖代謝異常妊婦の体重管理 を考える」をテーマとしたシンポジウムも企画しました。また、長年議論されてきました、妊娠糖尿病既往女性のフォローアップに関する診療ガイドライン案をガイドライン作成事 務局から提示していただきます。
私は1997年に大阪母子医療センターに赴任してから、母性内科医としても活動してきましたので、今回、母性内科学会合同特別企画として、「糖代謝にも関わる内科合併症をもつ女性の妊娠~母性内科の視点から~」をテーマに甲状腺・循環器・腎疾患、不妊/不育症、妊娠と薬情報のエキスパートにお話しいただきます。医療者全般にとって重要と考える内容として、教育講演「Withコロナ時代の妊娠と出産」「臨床研究における統計解析~臨床統計と仲良くなるために」、CLoCMiP必修研修・選択研修も用意しております。一般演題は、ポスター発表も予定していましたが、発表時の密を避けるため口演発表のみとさせていただきました。1日目の夕方に「オンライン懇親会」、 2日目の午後に大阪糖尿病協会顧問医会との共催で「公開シンポジウム(糖尿病と妊娠に関する話題提供、妊娠・出産・育児体験談)」も予定しています。
学会場は、JR大阪駅に直結する複合商業施設であるグランフロント大阪内に位置し、遠方からも参加しやすい場所を準備しましたが、昨年来の新型コロナウイルス感染の影響により、会場・Webのハイブリット開催としました。通常のface to faceで十分に討論できない開催となり、ご不自由・ご不便をおかけしますが、ご理解いただければと思います。糖尿病と妊娠に関しての情報交換を行い、実り多い学術集会になることを望んでいます。多数ご参加いただきますよう、お願い致します。
2021年11月 更新