民間療法
[ みんかんりょうほう ]
糖尿病はそれ自体が治るということのない慢性の病気で、しかも患者数が多いため、数多くの民間療法と呼ばれる科学的根拠に乏しい“治療法”が流布されて、商業化されています。民間療法のすべてが悪いわけではありませんが、なかには全く効果がないばかりか逆効果で危険なものもあります。
民間療法を試す場合の注意点を整理すると、(1)糖尿病は自覚症状に現れずに進行するので、検査を受けなければ病状はだれにも把握できない以上、通院は欠かさないこと、(2)血糖値は常に上下するものであって、たとえ民間療法を始めた直後の血糖値が低いとしても、それはそのときの体調、食事・運動内容など多くの要因の結果であり、民間療法の効果だとは判断できないこと、(3)糖尿病は長期にわたる血糖コントロールが大切な病気であって、一時的に血糖値が下がったからといっても糖尿病が治ったわけではないので、治療を継続すること──、などがあげられます。
もしも試してみたい民間療法があれば、事前に主治医に相談してください。わずかでも効果が期待できるのかどうかの判断は別にしても、とくに害がないのなら許可されるものもあるでしょうし、逆に病状によってはよくないものもあるので、その場合は警告してもらえます。