ポリオール代謝異常
[ ぽりおーるたいしゃいじょう ]
ブドウ糖が細胞の中に入ると大部分はすぐにエネルギーとして消費されます。しかし、一部はアルドース還元酵素の働きを受けてソルビトールという物質に変化し、さらにソルビトール脱水素酵素によってフルクトース(果糖)になります。この過程をポリオール経路といいます。
ソルビトールは細胞内に溜まりやすい物質ですが、通常はアルドース還元酵素の働きを受けるブドウ糖が少ないので問題になりません。ところが、糖尿病では高血糖のためポリオール経路の持続的亢進が起こり、ソルビトールの蓄積などのいろいろな代謝異常が生じ、細胞の機能が障害されます。これをポリオール代謝異常といい、神経障害や白内障をはじめとする慢性合併症の原因の一つとされています。